高齢者医療ばかりしている日本はオワコンなのか

日本の医療費が高いのは国民皆保険のせい?

日本の医療費は約43兆円と非常に高額であり医療費公的支出対GDP比では9.3%を占めており医療費を削減すべきと問題になっています。
日本の医療費を語るときに「国民皆保険制度があるせいだ!」という意見を耳にしたことがあります。

国民皆保険制度とはごくごく簡単に省略して説明すると、
医療費の7割を国が負担、3割を患者が負担しますよ
という制度です。
高齢者では9割を国が負担、1割を患者が負担となっています。

国民皆保険制度は1961年から始まり、当時は高齢者が少なく若者が多かったので成立していました。
今や日本は高齢化率堂々の世界一です。
高齢化が進んだ日本でこの制度をやり続けるのはおかしいだろと言われているのです。

高齢オワコンの日本はダメ、じゃあアメリカは?

なるほど、確かにそうかもしれません。
例えばアメリカを考えてみましょう。
アメリカは若者が比較的多く、国民皆保険ではありません。

アメリカは高齢化が進んできているとはいえ高齢化率は17.04%(世界39位)
我らが日本は堂々の世界1位の28.70%です。
高齢化率:総人口に対する65歳以上の割合

しかし実際の所、アメリカの医療費問題はもっと深刻

医療費公的支出対GDP比で14.4%、アメリカでも医療費は国がたくさん払っているのです。
医療費対GDPが17.0%なので、医療費の84.7%を国が負担している!!
いわゆるオバマケアの影響で公的負担割合は2013年48.8%だったのが2014年には81.4%に変化しました。

アメリカにも公的保険は2種類だけあります。
メディケア:65歳以上の高齢者や障がい者が対象
メディケイト:低所得者が対象

高齢者・障がい者・低所得者の医療費は国が負担しているんですね。
高齢化率が低いアメリカは高齢化率1位の日本より深刻な医療費問題を抱えています。
高齢化率に関わらず高齢者社会保障を行う国は医療費がかかるのです。

アメリカの医療費はなぜ莫大に高いのか

専門が細分化されすぎて高度最先端医療が高額
それの維持費も高額
高度な医療の需要が高い→市場原理により値段は上がる

医学の進歩により今まで治らなかった病気が治るのは非常に素晴らしいことです。
そして、自分や家族が病気になった時に最先端の技術を使って最高の医療を望むのは当たり前じゃないでしょうか。

現代福祉国家はエンタイトルメント国家

エンタイトルメント(entitlement)とはここでは簡単に削減できない政府支出です。
成熟した国では医療・教育・社会福祉など様々な必要なサービスへの支出です。

エンタイトルメント支出は増加の一途をたどっており、経済成長の増加分で賄うことは到底困難とされています。
医療や福祉の公共サービスが充実している国は衰退していくもの。
「しゃーない」という結論です。

安心という幻想に満ちた絶望しかないこの世界で

「日本はオワコン、海外逃亡しかない」
もはや耳慣れたフレーズですよね
しかし私個人の意見としては他の国でもヤバいことに違いはないのです。

社会福祉制度が整備され安心という幻想が用意された結果、
軍事・外交やインフラなどに予算を割けず、戦争、貧困・飢餓が溢れる絶望が待っている世の中です。

私は未来予測など出来ないしする気もありません。
出来ることはライフプランニングくらいかなと思っています。

自分の人生でやりたいことを出来る限り早く見つけて、それに必要なお金はどれくらいかなんとなく見積もりを立てる。

不自由な世の中においても自分の人生で成し遂げたいことを実現できればいいのではないかと思います。

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