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ASIA を聴く Vol.1

ASIA

80年代に突入し、いわゆるプログレシップロックシーンはほぼ衰退し、多くの大御所達がポップ路線へ舵を切ることになる。
そのような中、スーパーグループとして立ち上がったのが " ASIA " であり、注目のファーストアルバム「詠時感〜時へのロマン」はメガヒットとなった。

しかしアルバム1曲目を飾るヒット曲 " Heat Of The Moment " はかなりの失笑ものだ。(ファンの方々は気を悪くされたら申し訳ございません。)
「ポップ」とか「メロディアス」とか、曲を構成する要素としては、どちらも重要なファクターであるが、あまりにもセンスが無くて撃沈。
サビメロが全然心に響かないんだよね、、、。
ただし2曲目の "Only Time Will Tell" は哀愁があって中々よい。

7曲目の " Without You " まで来て、ようやくのめり込める。
やはり個人的には「暗く、美しく」のスタイルがしっくりくる。いくらポップ指向とはいえ、アメリカのバンドじゃないんだから。

次曲の " Cutting It Fine " も悪くない。後半のジェフリー・ダウンズによる壮大なシンセ・シンフォニーは彼の18番。これは鳥肌もの。

Release : 1982
Total Time : 44:22
Category : Prog Hard
Country : UK

ALPHA

個人的にはファーストアルバムよりもこちら。とにかくジャケットの幻想感が素晴らしい。

2曲目の The Smile Has Left Your Eyes "。
ライブでは既に演奏されていたが、ここに収録されているのは、ショートヴァージョン。ウェットン氏得意の超絶メロディアスなバラードだが、曲後半に破裂音(?)が2回確認され苦笑い。

このアルバムは、アナログ盤でいうB面が捨て曲なしで充実しているが、B1の " Eye to Eye " はその中でも特にドラマティックな楽曲。
わずか3分程ではあるが、終盤の分厚いシンセ + 個性的なギターソロ(誉め言葉)、そしてドラムのフィル等々、半端ない盛り上がり方を構築している。

そしてアルバムのクライマックスは " Open Your Eyes " 。
こちらも劇的で切ないエンディングが印象的だが、ブリッジ部分での転調とそのコード進行上に奏でられる歌メロも心に染みる。

このバンドの要はジョン・ウェットンであり、彼の描くメロディ・ラインが生命線といっても良いほど、重要なファクターとなっている。
またスティーブ・ハウやカール・パーマーのその落ち着かない演奏も、いい意味で個性になっているのが、このバンドの魅力とも言える。

Release : 1983
Total Time : 42:16
Category : Prog Hard
Country : UK


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