いつもは私がインタビューし、記事化したものを掲載して頂いています
「われら茶柱探検隊」
ですが、今回はお楽しみ企画で、私の私の替わりにモリリンさんがインタビューしてまとめて下さったページです。
お話を伺った女優の青木さん、モリリンさんのご了解を得て、掲載させて頂きます。

青木さんは私の長年の友人でもあり、本当に素敵な女優さんで、最近は朗読や読み聞かせもなさっています。
ありまさのカウンターで「戯曲を読む会」をしたのも、楽しい思い出です。
(戯曲を読む会、はオリジナルの戯曲などを持ち寄って、参加者全員で読み、感想を言い合う集まりです。最近はZoomで開催していました)
コロナも落ち着いてきましたし、また対面の「読む会」をしたいですね。

店番のモリリンが聞いた「舞台女優のほんとうの話」

ありまさの女将さんが出かけている間、お店の留守を預かったモリリン。

カウンターには舞台女優の青木和美さんがご来店。
お皿を洗いながら耳を澄ましていると、お客様との楽しい会話が聞こえてきました。

お隣
えっ!?
女優さんなんですか!
すごい!
テレビとか映画とか、出てるんですか?

青木
いえ、舞台の方なんです…。

お隣
キャッツとか、レ・ミゼラブルとか!

青木
え～っと、どちらかというと小劇場が多いんです。

お隣
聞いたことあります。”シモキタ”とかですよね!
女優さんになるきっかけって何だったんですか?
人前で何かするのが得意だったとか?

青木
…自分のこと、嫌いだったんです。

お隣
え!???

青木
お芝居の中の人物になっている時間がとても幸せで。
悩みを抱えている暗い役でも、自分じゃない別の人になれるというのは楽しいもんですよ。

お隣
へぇ、そうなんですね。
女優さんになるために学校とかには通われたんですか?

青木
はい。文学座付属演劇研究所に。

お隣
うわ、めちゃめちゃ名門じゃないですか!
杉村春子さんとかいらした劇団ですよね。

青木
はい、大大大先輩です。

お隣
研究所ではどんなことをするんですか?

青木
髪の毛を、ひたすら伸ばします。

お隣
え? 髪の毛を? なぜ?

青木
最後の方に「女の一生」という作品を上演するのですが、明治時代の設定で、女優たちは「地毛で日本髪を結う」のが当時のしきたりで。

お隣
ほー、日本髪って、時代劇のカツラのような、あれですね。
え? あれを…地毛で!

青木
そうなんです、なのでひたすら女優は髪を伸ばさねばならない。
文学座を受ける前に出演していた芝居で、チリチリのスパイラルパーマにしていたので、早く切りたかったんですけどね。伸ばしましたよ、チリチリのまま。

お隣
女優さんって大変ですね…。

青木
入所のオーディションの時にも、前髪を上げておでこを見せるんです。

お隣
へぇ! おでこを。

青木
オーディションの時は、みんな「?」と思いながら、おでこを見せるんですが、合格して「はぁぁぁ、こういうワケだったのか」と。

お隣
日本髪は出ますもんね、おでこ。
オーディションでは他にどんなことをしたんですか?

青木
えっと、部屋の中を歩いたり。

お隣
え、歩く?

青木
はい。それも「?」と思いながら会場だった大学の一室をグルグル歩いていたんですけどね、後から聞くと審査員のプロたちは、それで、何かとわかるらしいですよ。

お隣
歩く姿を見るだけで、「才能のあるなし」が分かる?!

青木
あとは歌の審査もありましたけど…。
私は選んだ曲のイントロが長すぎて、ほぼ何も歌わずに、終わりました…。

お隣
ええっ!
ちなみに、なんの曲を用意されたか聞いても良いですか?

青木
…B’zの「恋心」です。

お隣
ブッ! 文学座でB’zですか?
他の皆さんもそんな感じ?

青木
いや、他の皆さんは音楽の教科書に載っていそうな曲とか、ミュージカル曲とか歌い上げてたな…。

お隣
よく合格しましたね?

青木
ね、絶対落ちたと思いましたよ。
だってわたし、歌ってないですから。

お隣
よっぽど良いおでこの持ち主だったとか?(笑)

青木
あはは。あとは一発芸ですね!

お隣
え、文学座で、一発芸ですか?

青木
はい。一発芸で笑いをとれたので、受かったのだと思っています。

お隣
ところで、文学座の同期にはどんな方がいらっしゃるんですか?

青木
波岡一喜くんとか、『パッチギ』に出てた。

お隣
ほおほお。今まで出演した中で一番思い出深い作品は?

青木
文学座卒業後に自分で作・演出・出演したユニット”みるい”の『ほのお』と、研究所の卒業公演でやった野田秀樹さんの『パンドラの鐘』ですかね。ちなみに、その芝居でチューした相手役が、今の旦那ですから。
テヘペロ👅

お隣
うわー、芝居でチュー💋!
うらやましい!

青木
テヘペロ👅
ファーストキスも、芝居の稽古でしたからねぇ。
しくしく😢。

お隣
うわぁ、女優魂!

(おわり 収録2021年秋
インタビュー モリリンさん)

青木和美さん プロフィール
1月23日静岡生まれ、横浜育ち。
舞台出演多数。
2児の母、古物商、宅地建物取引士など多方面に進化中。
動物占いの「ペガサス」が示す通り、あちこち飛び回る自由人。
戯曲を書くのが好きで、色々なジャンルの戯曲を声に出して読もう、という「戯曲を読む会」を定期的に行っています。
近況は
ブログ「みるい人」

インタビュー担当のモリリンさん プロフィール
阪神を愛する寅年生まれ。趣味はバイク、野球観戦、観劇、今年(2022年)はイベントで鳥人間(謎)してきました。
好きなアーティストはLiSAちゃんと熊木杏里ちゃんと北口和沙ちゃん。そしてお料理大好き、少しずつレパートリーを増やしています。