どこからループしていた?(AIのべりすと)

小学校の説明会みたいな集まりってバカ程あるでしょ?
私たまに忘れちゃうんだけどさ、直前で思い出して仕事休めなくて困ってる時とかに夫がサラッと仕事調整して行ってくれたりするんだよ。
嫌な顔ひとつせずによ?

その度に惚れ直してさ、私に黙って大借金してブラックリスト入りしてる事とか全然許しそうになっちゃう。
そのせいでローン組めないこととか、食費なくて私の婚前貯金使い果たした事とか、私だけ昼夜問わず働いて返済支えたこととか、そのせいで病気して無理効かなくなった事とか、些細なことに感じちゃいそうになる。
実際全然些細じゃないから気を引き締めて恨んでいきたい。まあ、そういった諸々を差し引いても総合的に夫が好きで結婚したんだけどさ。
「────おい、聞いてんのかよ」
おっと危ない。意識が逸れてたわ。
「……え? ああ、うん。聞いてるよ」
「またボーッとしてたくせに……」
ボソリと聞こえた言葉は無視だ無視。気にしたら負けだと思うの。
……っていうか私、だいぶ雰囲気変わったと思うのよねぇ……。髪とかも背中辺りまで伸ばしちゃってるしさぁ……。服装だって前みたいに男物着れないしさぁ……。
私がしっかりしないと、浮気も借金もそのままにして逃げられちゃうのよぉ……!
「あ、そうだ。これ渡しとく」
「ん?」
「俺のスマホ番号とアドレスな」
「……何の為に?」
「……用もなく連絡取りたくなったりするかもしれんだろ」
……まあ確かに、うん。あるかもしれないわね? 例えばそうねぇ………………お義母さんから私の悪口聞きたくないなとか思った時にね!? いや今現在お義母さんからの連絡がないけども! ……やっぱり義実家に行く時以外、連絡取らないようにしとこ。
「分かったわ。一応登録しとくけど、こっちから連絡することは無いと思うわ」
「ま、別にいいけどよ……」
ガッカリしたようには見えないから、安心したわ。全く……私にそんな甲斐性あるわけないじゃない! あら? そういえば今、私の方は連絡先交換したけど向こうに名前も教えたかしら? ……まあいいか! 教えてないし、これからも知ることはないと思うし!
「さてと。そんじゃ俺は先に行くわ」
「え? うん、分かった」
バイバイって手を振りながら見送っていると、ハッとしたように振り返ってきた。何事?
「……そういやお前、いつのまに結婚式挙げるとか決まってたんだ?」
「ああ……」
そういえば言ってなかったわね。私ったらうっかりさんだわ。これはいけないわね? ……でもまあいっか! 後で言おうと思ってたけど今で良いわよね!
「今日よ。でもアンタに言う必要はないかなと思って」
「…………は?」
「今日結婚式だから。このあとドレス試着したりとか挨拶回りとか色々あるの。ああ、これはもう親にも言ってるからね? 今朝だって言ったから」
「…………」ポカーンとしてるわね。面白い顔だわ、写真撮っとこ……。いやいや、そんなことよりも言っておかなければならない事があったわ! 私ってばうっかりさんね!
「新郎新婦はこれから教会行って、その後会食よ。因みに今の時刻、午前10時ね! ……ってことで私は行くわ。ご祝儀と挨拶回りのお菓子用意しなくちゃだから」
「お、おいちょっと待てよ!」
「ん? 何?」
「いや、何ってお前……」、いやほんとに何? なんで急に慌てた感じなのよ。……まあいいか。とりあえず言いたいことだけ言っておこうかしら。どうせすぐ会えるだろうしね!
「……結婚式場なんだけどね、アンタの職場の近くなのよ。会食はそこだから。──あ、そうだ!」
「……んだよ」
「はいコレ」
そう言って投げた物を見事にキャッチしたのを見て、私は満足気に笑ったわ!
「じゃあね! 新居の場所決まったら教えるから!」
ちゃんとキャッチしたんだから無くさないでね? って言葉を言う前に背を向けた。……だって早く行かなきゃ予約時間に間に合わないから……! あ、そうそう! 大事な事言い忘れてたわ! 「あ、そうそう」
「……今度は何だよ」
「その結婚式と披露宴なんだけどね? お色直しが2回あるから!」
「……は?」
「じゃ! もう行くわねー!」
あ、もちろん会場とかは教えるつもり無いからね。そういう大事なことは当日まで秘密にしておくものよ! ……まあ、私にとっての当日ってのは今日なんだけれどもねぇ……。
これは夢だ──。そう思った時、ああついにこの日が来てしまったんだなって自覚したわ。
周りは一面の花畑で、色とりどりの花が咲き乱れていた。とても綺麗で、これは夢なんだって改めて実感したのよねぇ……。
「……」
辺りを見回せば遠くに人影──あれが私のお義母さんね。その近くにはもう一人誰かいるけど……アレがきっと私の息子よねぇ? お義母さんと仲良さそうに話してるように見えるわぁー!
「……ねえ」
思わず声をかけていたわ。だってなんかすごく楽しそうだったんだもの! まるで若かりし頃の二人に戻ったような感じだったっていうかぁー!
「私も入れてくれない?」
そう笑いかけると、二人が息を飲んだような気がした。……あら、本当に? なんか気まずい沈黙が続いてるんだけどもぉー?
「あー……」
「……そうね」
お義母さん、急に歯切れが悪くなったわねぇ……。もしかして夢だから拒否られるとかかしら!? いやでも夢って深層心理の表れっていうのをどこかで聞いたことがあるのよね。ってことは私のアレな願望が出てきたってことよねー

……んー? なんだかぼんやりしてる……? 私、何をしていたんだったかしらぁ……? あ! そうよ! お義母さんに会いに行ってたんだわ! なんで忘れてたのかしらねぇー? あらぁ、あそこを歩いているのってきっと私のお義父さんね!? もう歳なんだから車椅子とか用意した方がいいと思うのよねー……。ほら、足とかもうプルプルしちゃってるじゃない……! あ! ああでも駄目よ今は話しかけちゃ駄目! ほら見て、お義父さんが一人で歩いてるわ! ……なんか哀愁漂ってるわね。うーん、どうしようかなぁ……。ああそうだわ。良いこと思い付いたわ! お義母さんに相談してみましょうか!?
「こんにちはぁ!」
「あら」
「あー……」
「……」
あ、あれ……? いやまあ、さっきも普通に声かけてたしそんな反応なのは分かってたんだけどぉ……な、なんでそんなに気まずそうなのかしら? そう不思議に思った途端──。
私の意識は急に浮上したのだった……。
──────────……


「お、おいちょっと待てよ!」
「ん? 何?」
「いや、何ってお前……」…………うーん、なんだったのかしらぁ……? 夢とはいえ変な感じよねぇ? あ、お義母さんだわ! あの距離なら走っても大丈夫でしょ! そもそもあの夢ってなんだったのかしらねぇ? あ、あっちには息子と……やっぱり気まずそうね……! もう話し掛けても大丈夫よね? よし! お義父さんに挨拶してこようっとぉー!! そう意気込んで近寄ったところで全ては終わった。

あの時のことは今でも良い思い出として胸にしまってある……。
「あのぉー、こんにちは!」
「……」
「……」
そう、お義母さんも息子も口を閉ざすくらい良い思い出よ!

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