元同担拒否オタクが二次創作を始めた結果【神との出会い編】

前回のあらすじ!同担拒否だった筆者は(夢ではないが)同時に腐っていたので、某サイトで推しCPの二次創作を漁りまくっていました。同担拒否を直したかった私は腐界隈に舵を切り、大海原へと旅立ったのでした。ちなみに当時の界隈はそこまでデカくはなかったけれど、私にとっては唯一絶対の正義CPです。

神に憧れて字を書き始める

私には心から尊敬している字書きさんがいます。以下、「神」とします。
推しCPが成立して間もない頃から、その神はサイトに小説を投稿していました。その方は筆が早く、既に何作か書かれていたので、推しCPハイエナである私は飛びついて読みました。シリーズものにまで発展している作品もあり、更新されるのが楽しみで仕方がありませんでした。
受けと交流を深めた攻めが、いつの間にか受けは自らにとってかけがえのない存在となっていたことに気づきます。しかし攻めは強大すぎる力と重い愛を抱えており、それらで受けを押し潰してしまわないかと悩んでしまいます。そこで男前な受けは攻めを叱咤し、優しい心で包み込むことで結ばれる……丁寧かつ秀逸な文章でした。
この方こそが、界隈においての神なのだと確信しました。何度も何度も読み返し、本家と合わせて楽しんでいた頃のこと。神は作品を相互限定公開にしたのです。曰く、界隈の治安に懸念があるからだと(ガイドラインが厳しく、隠れるのが当然という暗黙のルールがあります)。
普段なら私はここで諦めるのですが、今回ばかりはそうもいかず。界隈はこれからさらに盛り上がっていくだろうし、その中で神の作品だけ拝めないのは我慢できませんでした。長考を重ねた末、私は神にDMを送りました。はじめましての挨拶と自分は法律上成人済みであること、あなたの○○という作品の△△という所が好きで、相互になってもう一度読ませていただきたい旨をしたためました。これが最初の会話でした。ありがたいことに神は快く相互になってくれました。しかし、ツイッターまでフォローする勇気は出ず、ここでやり取りは終わりました。

それからしばらく経って、突如として爆弾級の供給を落とされた界隈は盛り上がっていました。ジャンジャン増える検索件数。つのっていく尊さに、私はついに筆を取りました。小説なんて書いたことはほとんどなかったのですが、妄想なら飽きるほどしていたので。そしてゆくゆくは、神のような文章を書けるようになりたいと思っていました。夢中で書き上げ、サイトにぶん投げました。するとあらびっくり、通知欄に神がいらっしゃるではないですか。
これは夢か、と。万字越えのハイクオリティ小説を書かれる神が、二次創作初心者の駄文を巡回してくるなんて。とてもじゃないけど信じられず、でも嬉しくて嬉しくて。これが間違いなく小説を書き続けるモチベになりました。

神との交流

そしてまた数ヶ月が経ち、界隈の空気を理解してきた私は、満を持して神のツイッターをフォローしました。基本ROM専とは繋がらないとのことでしたが、アカウント名とアイコンがサイトと同じなのでわかってくれると期待して。ちゃんとフォロバされましたやったね!!(自衛のため鍵垢相互フォローにする方が多いのです)
それでも初心者まる出しだったので、神に挨拶したかどうか定かではありません。してなかったらぶん殴りに行きます、過去の私を。
相互になったはいいが、神からのアクションは特になく。そりゃそうか、まあ神の呟きを見られるだけでもいいと自己完結していました。そして私はいつも通り一人でグッズ開封の儀を実況していたとき、リプが飛んできました。内容はまさかの、推しCPがふざけたポーズを取っている写真のみ。
……面白くなってきたぞ。というか爆笑しました。これがいわゆる画像リプか。神は案外、お堅いわけでも近づきがたい性格をしているわけでもないのかもしれない。むしろ私の呟きを見てくれていたのだと嬉しくなりました。
それから私は神に小説の感想を送るようにしました。神の書く文章は相変わらず素晴らしい。それどころか愛とキレが増している。
私も頑張らなくては、と少しずつ書き散らしていきました。反応はもちろん多くはありません。しかし徐々に読んでくれる方は増え、感想をいただくこともありました。神はマイペースに創作しており、拙作にはたま~にいいねをしてくれました。嬉しい反面、その程度だよな……と悔しい気持ちもありました。小説書き始めて数ヶ月の分際で、お前は何になろうとしているのかと。身の程弁えてまずは文章力を磨きなさい、とセルフツッコミしました。人格多くね?

神とのリアル邂逅

この数ヶ月でわかったこと。神は良くも悪くも非常にマイペースでした。萌えも愚痴も吐き出すので、合わなかったら切ってくれていいと仰っていました。しかし推しCPに関する呟きほとんどが共感できるものばかりだったので、いいねやリプを送りました。この頃には神も心を開いてくれたのか、お話しする機会が何度かありました。
そして来たるジャンル最大のリアルイベント。本家ですっかりニコイチとなった推しCPがセンターを飾っているという事態に界隈は激震し、なんとしてでもチケットをもぎとる闘志が渦巻いていました。地方民である私も流石に参戦したい。しかし初めてのことが多すぎて何もわからん……と困っていたとき、DMが来ました。神から。こわいこわいなんで??
恐る恐る開いてみると、チケット協力しませんか?とのお誘いが。いやいや急展開すぎん??なんで私に??チケットの申し込み方も会場の詳細もわからなくて、めちゃくちゃ騒いでたんですが……
神は過去にもそのイベントに行ったことがあるらしく、また他のフォロワーさんもイベントのことを教えてくれたのでなんとかチケットを取ることができました。2公演分。え?リアルイベント初心者が、神と連番?それも2回??
神と拝む推しCP。この上ない嬉しさと緊張に襲われました。本当に私でいいのか?田舎から出てきた芋オタクだぞ?対して神は推定一回り以上年上の、素敵な大人。実際に会ったらがっかりされそうで、会場に着くまでちいかわみたいになってました。

思った通り神は気さくな方で、推しCPをイメージしたお菓子と、それに関わるお話が書かれたペーパーまでくれました。なんと粋な計らい。慌てて私も地元のお土産をお渡ししました。他のフォロワーさんも会場にいるということで、指定された場所に2人で向かうと何やら小さな人だかりが。その中に一人だけ知っているお顔がありました。今度この方の話も書こうと思っているのですが、界隈大手の字書きさんでした。このイベントの前に一度だけお会いする機会があったので、認識することができました。その方に再会のご挨拶をしてわかったこと。この集まりは全員、推しCPが同じお仲間だと教えてもらいました。
は??自分含め10人くらいいるけど、これ全員同志??誰が誰なの??と混乱したコミュ障ワイ、何を思ったかツイッターのプロフィール画面を見せました。挙動不審すぎる。でもそうしたら、そこにいた全員がフォロワーさんだということが発覚しました。いつの間にか私の世界はこんなにも広がっていたのかと感動しました。

話が逸れました。神と参加した初めてのイベント。初めて見る生の推し。最高と言うほかありませんでした。客席全体に向けた推しCPによるファンサを浴びたときにはもう気が狂いそうで。神も推しの顔の良さに限界を迎えていて、その様子を見るのが非常に楽しかったです。
神は田舎から出てきたクソガキである私に優しく接してくれて、公演の合間に他のフォロワーさんも交えてお茶したり。お互いこれからも仲良くしてくださいと挨拶して、その場はお開きになりました。

神はやっぱり神だった

その後も界隈は盛り上がり続け、人口は多くないながらも公式で優遇されるコンビの地位を確立しました。神は変わらずマイペースに、コンスタントに作品を上げていて、私はそれを速攻で読み感想を送る日々。それで満足でした。
推しCPにとって記念日となる日がありました。皆さんこぞって作品を上げる中、神は予約投稿で0時ぴったりに小説を出していました。流石だぜ。私は5分ほど遅れました。
速攻で読んでとりあえずいいねを押しました。他の字書きさんたちとの作品と合わせて後ほど感想を送ろうと思っていると、DMが来ていました。見れば神からのメッセージでした。恐怖再来。なんだこのデジャブは。
怖くて心の準備に約30分を要しました。意を決して目を通すと、私が出した小説への感想でした。神のほうから感想が送られてきたのは、これが初めてです。
嬉しいけど信じられないという脳の混乱が、再び私の脳を襲いました。もう激流も激流で溺れそう。「最高」「幸せ」「好き」などと言った褒め言葉が並べられていて、こっちが最高な気分なんですが。神にそこまで言ってもらえるなんて、本当に夢心地でした。
ひとしきり噛み締めた後に感謝の言葉と、遅ればせながら神にも感想を送り返しました。神の作品だって最高で、読んだら幸せな気分になる大好きな小説なのだと伝わるように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?