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新しい詩「詩」


『詩』

今朝、
私と主人は大ゲンカしました
夕べ、私が書いた詩がありました
ある人の企画から
はずれてしまったことがわかって
それを のりこえようとして
私が書いた詩
その詩に
「おへその下の星」
ということばが出てきました
「陰と陽のタマ」
と、私は書きました
主人は
「へその下の二つのタマ」
と、言いました
私はそのときは
笑ってすませました

夜中、
なんだか悲しくなってきました
私がいくら魂をこめて書いても
主人には伝わらない

泣いていたら・・・・・
あれは、夜中の2時だったと思います
主人が起きてきました
私は、詩のことをなじりました
「二つのタマ」と言ったことについてです
「オレ、低血圧で
 こんな夜中、30分も話きいとんのしんどい
 もうちょっと思いやりをもって」

私はそのときはそれで寝ました
朝、起きて
なんだか悲しい
自分って 主人にとって
思いやりのない人間だろうか

一時間坐って
書き出してみました
私といて
主人にとって利益になることは
ほとんどありませんでした

私は怒りました
私自身に怒りました
私は主人にとって
思いやりのない
意味のない人間だ

たけり狂う私に
主人は言いました
「今、何を言ってもあかん」
私は言いました
「詩をきかせて
 どんなときでも
 どんな状況下でも
 伝わるのが詩」

主人は ぽつり ぽつり
話しはじめました
「オレは自慢したかった
 オレの奥さんは詩を書いとって
 えらいんやぞ!
 だから、パソコン画面に映った
 奥さんの本みせたかったんや」

私にとって
それは詩でした

でも、
「私、醜態を晒してしまった
 もう、私のこと、嫌いになったんじゃない?」
主人は言いました
「13年間のくらしで積みあげてきたもの
 そんなに簡単にはくずれない」

そのとき
チャイムが鳴って
宅配が届きました

私が私のご褒美に
買ったバッグです
いつか また
主人とディナーに行くときのための

今は、
主人と仲直りできた
ご褒美のバッグです









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