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#1 NEW INTRODUCTION (1)2012年新序文

ジョン・バーチ・ソサエティ(協会)が設立されるまで、歴史上、集産主義(collectivism)を永久に抑止することを目的とした組織は存在しなかった。これは不可能に思えるかもしれない。

注)collectivism 集産主義、集団主義、共産主義、全体主義

確かに歴史上、個人主義者が集まって集産主義に対抗した組織はあったはずである。それが起こったことはあるが、永続的なものではなかったし、永続的であるように設計されてもいない。

これはジョン・バーチ協会のユニークな側面の一つに過ぎない。

個人主義を守るために男たちが集まって戦った最も顕著な出来事は、アメリカ独立戦争の前と最中の時期である。それは、それまで存在したどのようなシステムとも全く異なるシステムが生まれたからである。それは、古くからの原則に基づいた自由への偉大な実験であり、13の植民地の国土と多様な政府を包含する地域では、かつて誕生したことがなかったものだった。

戦後すぐに、わが共和国は、集産主義者や外国政府の標的となり、幼い国家は破壊されかかった。この歴史はほとんど語られていない。なぜなら、今日我々が対処しているのと同じような状況について疑問を投げかけることになるからである。

最も危険だったのは、自由主義者を装った集産主義者たちであった。アレクサンダー・ハミルトンは、彼らに対抗するためにキリスト教憲法党を結成しようとしたが、ほとんど支持を得られず、その後まもなく彼らの一人に殺害された。これは、今日、わが国で活動しているのと全く同じ勢力と戦うための組織を形成しようとした数少ない試みの一つであったが、成功しなかった。

1958年12月、ロバート・ウェルチがインディアナ州インディアナポリスで12人に2日間の面会を要請し、11人が応じたとき、歴史の流れが逆転した。『ブルー・ブック』は、この2日間の会合でウェルチ氏が集まった人たちに行ったプレゼンテーションの記録である。

『ブルー・ブック』には、1958年12月に私たちが国際的にも国内的にも直面していた問題、そしてウェルチ氏が富や引退の考えを捨て、共産主義の陰謀と戦うために人生を捧げ、ジョン・バーチ協会を結成することを決意した理由が書かれている。ウェルチ氏の洞察力が人々に与えるインパクトは、今日いくらかは削がれている。なぜなら、当時の未知の情報を暴露した『ブルーブック』の情報は、今日ではよく知られるようになったからだ。現代人にとっては、陰謀と衝撃の強烈さは当時ほどではない。特に、保守派、反共産主義者と思われていた人物が、後に全く正反対の人物であったことが明らかになった。

中でも有名なのは、キューバのフィデル・カストロである。ウェルチ氏は、カストロが表に出てくる何年も前から、カストロという人物の本当のところを理解してもらうために、できる限りの努力を尽くしていた。彼は、教会設立前の1958年6月に、カストロが共産主義者であるという記事を、自分の雑誌『アメリカ・オピニオン』に発表していた。同じ頃、ニューヨーク・タイムズ紙はカストロを「キューバのエイブラハム・リンカーン」と呼び、他の主要紙もそれに追随していている有様だったのである。

<つづく>

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