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後ろ向きトイレ

下書きに保存しておいて書き足すのを忘れていた。

少し前の話になるが、朝の情報番組ニュースバードを見て時間の感じ方についてのコーナーがあった。

楽しい事や新しい経験の最中は時間の経過を早く感じ、つまらない事は長く感じるという、みんなが経験のあるアレです。。  
それをまぁ、なんとなく専門家が解説してました。

丁度その時に便意を催したので、どれどれと思いいつものトイレに逆向きでしてみる事にしました。

丁度数日前に湯船に入る向きをいつもと変えて、違和感を楽しみ、新しい発見を期待するという事をしたばっかりだったので、段階的にも無理のないフェードインになりそうだと思ったからです。

まず思いもしなかったのはズボンやパンツを全部脱が切らないとスタートラインにすら立てない。
つまり便器を跨げない。
これは思ってもみなかった。  

とりあえずまぁ下を脱ぎ切って、丁度タンクの蛇口に目線がくるような形のポーズで取り掛かる。
違和感は強く感じるが、便意は止まらないものだ。

なるほど、不便だ。  匂いはいつも以上に空気中に放たれ、便器は汚れるし、おしりも拭きにくいし不便極まりない。


太宰治の人間失格で、掛け布団のカバーを装飾品だと思っていたら、清潔のための実用的な物と知った時に、がっかりしたと書いてあったが、まさにおんなじ気分になった。

よく便器のスタイリッシュさを過剰じゃないかと思うことがあった。。   

排泄という行為に使用する物だからこそあえて清潔感のあるスタイリッシュな物にしているのだろうな。と思っていた。  そしてそれを最優先にして作られているんだろうなと。

しかし違った。  あれは実用的な機能性を追求してあんなデザインになっていたんだ。

そしてもちろん、前向きを前提として。  

前向きでした時の、つまり純正の使い方をした時の完璧さに逆向き使用を経て気づいた。

便器のデザインはもうあれが答えで頂点なんでしょうね。

用を足し、トイレの前に脱ぎ散らかした下着とパッチとズボンを履き、便器の掃除をして時計を見ると約6分。

なるほど。 短い。のか?

少なくともいろいろな発見や考察と不便さでいつものようなゆっくりとしたトイレの時間ではなかった。

逆トイレ。

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