やっぱり『デート〜恋とはどんなものかしら〜』だよ

こんにちは。
鴨井奨平です。

『デート〜恋とはどんなものかしら〜』を数話観直しました。
この作品はフジテレビのいわゆる「月9ドラマ」で、2014年〜2015年(冬)にかけて放送されていました。
もう10年近くも前になるんですね。
私が一番好きなテレビドラマです。今なお勉強のためにも、定期的に観返しています。

脚本は古沢良太さん、主演は長谷川博己さんと杏さんのお二人。
ジャンルは「ラブコメ」です。
私がラブコメのテレビドラマが大好き、というのもあるかもしれませんが、この『デート〜恋とはどんなものかしら〜』は最高に面白いドラマで、古沢良太さんの脚本作品の中ではかなりの傑作に分類されるものだと思っています。
やっぱり古沢良太さんの真骨頂は、「コミュニケーションの不通」から生じるコメディだと思います。この描写が抜群に上手い。
そしてこのドラマのテーマの一つは、「共感不可能な相手と如何にコミュニケーションをとるか」というものだったと思います。このテーマも中々鋭い社会性を持っていますよね。
そして主演のお二人の演技が素晴らしい。とりわけ私はこの作品における長谷川博己さんの芝居が好きです。「高等遊民」というとても難しい役柄を見事に表現されています。最近、長谷川博己さんはコメディ作品に出演されていないけど、またこういう役もやって欲しいですよね。私は「変な役」をやっている長谷川さんの方が好きです。

『デート〜恋とはどんなものかしら〜』では、「恋愛不適合者」たる二人の主人公がどのように結ばれるか、が描かれています。長谷川博己さんと杏さんの掛け合いが面白すぎるんですよね。
特に私が好きなのは、第二話の「プロポーズ」のシーン。あれはテレビドラマ史に残るプロポーズだと思います。初回放送時に本当に笑いました。
そして第四話も私は大好きです。この第四話はクリスマスについての話なのですが、ここに繰り広げられている脚本の技術が秀逸すぎるんですよね。構成も伏線のはり方も見事です。私は個人的に、昨今の「伏線回収至上主義」を嫌悪しているんですが(「自己目的化した伏線回収」が多すぎるし、そもそも必ずしも伏線を回収する必要は無いし。村上春樹さんの小説なんて、その謎や伏線がほとんど放ったらかしで物語が終わりますよ。それでいいと思います)、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』第四話の伏線の技術は見事です。「伏線回収」ってこういうことを言うのよ、こういう風に使うのよ。第四話は私にとって脚本執筆のバイブルで、ことあるごとに観返しています。観る度に新しい発見があるし、勉強になります。

『デート〜恋とはどんなものかしら〜』は紛うことなき傑作なのですが、世間からの認知度はとても低いですよね。
古沢良太さんの他の脚本作品と比べると全然有名じゃありません。
でも私は、『リーガル・ハイ』や『コンフィデンスマンJP』よりもこっちの方が好きです。
難しいでしょうけど、『デート〜恋とはどんなものかしら〜』の続編を作って欲しいです。『10年目のデート〜恋とはどんなものかしら〜』みたいな。絶対に面白いと思います。
これを待っているのは、私だけではないと思うんだけどなぁ。
『結婚できない男』も13年後に続編が作られたし、少しだけ期待していようと思います(第二シリーズの『まだ結婚できない男』は私はあんまり好きじゃなかったけど)。

今回はこのへんで筆を擱きます。

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