銀の龍の背にのって
最近は名古屋に行ったり、ライブに行ったり、イベント盛りだくさんで書きたいことがたくさんあるはずなのに、今日の姉・巴月の一言で今日のブログの内容が決まってしまった。
それでは聞いてください。
「巴月と中島みゆき」
なにかの番組で中島みゆきさんの特集をみた姉・巴月がわたしに向かって
「ねえ!りりまるちゃん!中島みゆきってすごいんよ!」
と鼻息荒く話してきた。
わたしは中島みゆきについて頭の中を探る。
中島みゆき・・・中島みゆき・・・どんな歌歌ってたっけ・・・。
あっ。
「銀の龍の背に乗って?」
「そう!それそれ!」
巴月は嬉しそうにスマートフォンを取り出し、銀の龍の背に乗っての歌詞を音読しだす。
「急げ悲しみ 翼に変われ 急げ傷跡 羅針盤になれ、やって。」
「ほう、難しいなあ」
「そうやろ」
「そんな難しい歌詞の意味を、うんうんと考える前にまず歌唱力に圧倒されるって感じか」
わたしの答えに巴月はぱあっと表情を輝かせてそうそう!!そう!と喜んだ。
巴月がこうやって感情をむき出しにすることはほとんどない。
わたしの巴月の妹歴も今年で34年目になるが、彼女が感情を爆発させて喜んでいるのをあまり見たことがない。怒っているのはそれよりもっとずっと少ない。
「中島みゆきは!カリスマやと思うわ!控えめに凄い!」
えっ、ひっ、ひかえめに・・・すごい・・・?
3秒前まで控えめさを感じさせないくらいすごい凄いと言ってたじゃないか・・・。
「はあちゃん、それって『控えめに言ってすごい』の間違いじゃない?」
とわたしは心の中で呟いた。
巴月は言い間違いが非常に、非常に多い。
だけどこれは父・トヨトミの遺伝という説もある。
トヨトミは純日本人でありながら、日本語が激烈苦手なのだ。
母・トモコに向かって
「掃除機からビール取ってきてくれ」
と言い、猫のペットシーツを
「猫のおむつ」
と言った。病院に泊まり込む私の勤務の「当直」を
「病院にお泊まり」
という。枕投げが始まりそうなワクワク感さえある。
家族で長野に旅行に行った時も、
「昔はなあ!白馬はハクバじゃなくてシロウマって呼ばれてたんや!」
と意気揚々と語るトヨトミに
えー!そうなん!すごーい!知らんだー!と沸く娘たち。
娘たちのことのほか良い反応に気をよくしたトヨトミは得意そうに
「ほんまなんよ!ハクバじゃなくて・・・
と繰り返し、
シ・ロ・ウ・モ!!」
ここで痛恨の言い間違い・・・!
しかも本人は言い間違いに気が付かず、母・トモコと娘たちだけ大笑い。これは、トヨトミシロウモ大事件として語り継がれることになった。
とにかくそんな父の娘なので、言い間違いが多いのは当然のことだとも思う。
最近の巴月はわたしのブログのネタにされることを恐れ、言い間違えるとさっと口をつぐみ、何事もなかったように振る舞う術が以前よりグッと上手くなった。
ハッとして、グッと口をつぐみ、わたしの顔をチラッと見てわたしが気づいていないか確認する。
巴月の言い間違いにすっかり慣れているわたしは何事もなかったかのように黙ってそれをメモしているにも関わらず、彼女はしめしめとばかりに自身の緩んだ口角と眉間を戻す。
ねえ巴月ちゃん。わたし思うんやけど、向上させるべきはごまかしの術じゃなくて言い間違いを減らす方やと思うんや。
まあでもこうやってネタにさせてもらえるから、まあいいか。
これからもどんどこネタを提供してくれたまえよ!よろしく!
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