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【自問自答】着物について振り返る

私は着物が好きです。会社員という身分なので着物を着る機会は休日や祝日しかなく、かつ着物をあえて着るようなイベントごとに参加するような趣味があるわけでもないので、格式高いものではなく日常的に着ることができる着物を好んでいます。そんな私が大好きなブランドはこちら。

きもののやまと系列のお店の中でも一番地味では?「白シャツのように」日常的に着る着物、というコンセプトも素敵で、今の私が洋服に求めるもの(=シンプルで上質なもの)に図らずもあてはまっています。

 2023 AWのLOOKより。無地だけど光沢のある生地が最高〜羽織紐がすごく映える…!

出会うべくして出会ったんだなあとつくづく思いながら着物について書いてみようと思ったのは、私が着物を着るようになった経緯が自問自答ファッションにも通じるところがあるかなと思ったからです。

着物は制服になり得る

お店を知ったのは確か2018年のこと。今は外苑前に路面店を構えていますが、もともと渋谷のMODIという商業施設にテナントとして入っていて、たまたまふらっと立ち寄ったことがきっかけでした。あの日私は運動をしてきた帰りで、汗だくでとてもきれいとは呼べない格好だったのですが、店員さんが丁寧に、でも丁寧すぎない、かつ圧のない絶妙な対応をしてくださったのを覚えています。

それまで私の中では、着物=特別な行事に着るもの、という認識だったので、YARDさんの着物はちょっと衝撃でした。特別な行事ではなくても着られる、でも気持ちは引き締まる。もしかすると、ありかもしれない。私の中であるアイデアがひらめきました。とある戦いにおける武装として、着物を着てみるのはどうだろう。

心を支える戦装束

当時、私は身内と面倒な話し合いをしなければならず悩んでいました。その少し前にその話し合いのテーマを安易に持ち出し、大喧嘩をした挙句に年甲斐もなくギャン泣きして、彼らとの関係性が180度変わってしまったトラウマ体験があったからです。されどその話し合いをしないことには前に進めない。次にその話し合いをするときには万全なメンタルで臨みたいが、いつにしようか…そんなときにYARDさんのお店に入って、着物という武装を思いつきました。

着物を着ているときは、自分の心を落ち着かせていられるかもしれない。なぜなら、着物を着た状態でギャン泣きするのは絶対に嫌だから。そんなみっともないことは断じて避けたい。そんな気持ちが働いて、感情的になるのを抑えられる気がしたんです。相手に対してというよりも自分に対しての武装ですね。自分の心をコントロールすることは、すごく難しいので。

少し前に親戚から長着と帯を譲り受けていたところでもあったので、これを自分で着られるようになったら話し合いに臨もうと決め、YARDさんの着物レッスンを受けたのでした。今考えると、これって自問自答ファッションのひとつなんじゃないかと思うんですよね。コンセプト(=自分の心を落ち着かせる装いをしたい)に沿って、目的に応じた制服を作る。自問自答ファッションも出会うべくして出会ったんだなあ。

着物の良いところ

個人的に着物は日本人体型を最も美しく見せてくれる装いではないかと思っています。以下ざっと思いつくメリット。

  • 小柄な体型や短い足でもきれいなシルエットが作れる(どうしても洋服は外国の方の方が似合うのですが日本人が戦えるフィールドはここです!)

  • 日本人の持つ髪質や肌質を綺麗に見せてくれる(ここまで黒髪が合う装いってないと思うんですよね)

  • 生地や糸など、制作過程が日本の風土に根付いていて日本の文化の良さを感じられる(職人さんのお話等伺うのもすごく楽しいです)

  • 着ているだけで好印象を与えられる(お着物素敵ですねとよく声をかけられます。きれいに着れていない日でも…笑)

  • エイジレスに着られる(体型が劇的に変わらなければ何歳になっても着られます。そしてトレンドもあまり選ばない。おばあちゃんになってまたファッション迷子になったらとりあえず着物を着ようと思っています)

  • 海外の人に受ける(海外の人に対しては羽織を羽織れば『鬼滅の刃』の禰豆子!と言うぐらいのガバガバ判定なので多少きれいに着こなせなくてもOK!)

真冬や真夏に着るのは厳しいので、着るのはそれ以外のシーズンですかね…最近では、春ぐらいからもう浴衣にしているという方もいるらしく、TPO関係ない日常着としてなら、寒さ・暑さに合わせて好きなように着て良いと思います。

(蛇足ですが着物警察について…巷にはいるようですが、私は幸いにもまだいわゆる『恐ろしい着物警察』に出会ったことはありません。出会ったとしても、悪意のない、着物仲間を見かけて嬉しい!みたいな方かもしれないので、出会う可能性に臆せずに参りましょう…悪意のある人は着物界隈でもそれ以外の界隈でもいるものです。出会ってしまったら事故にでも遭ったものと思っておいしいものでも食べて忘れてしまいましょう…)

THE YARDというお店

色々と書いてきましたが、ここまでで着物ってなんか良いな、と思ってくださった方には、ぜひYARDさんのインスタとか見ていただきたい…!着物だけじゃなく小物も取り扱っていて、ブレスレットとかリングとか、ヘアアクセサリー類も素敵です。

オンラインショップから。SIRI SIRIさんのバングル、上品だけどジュエリー感!が控えめで好き
インスタの写真。インスタアカウント持ってないので内容読めないが、Semenoさんの商品かな…?

アクセサリー作家さんとよくコラボをされていて、先日来店されていた、よくYARDさんにいらっしゃるというお客様で「ずっと追っているアクセサリー作家さんがいるのだが、最初このお店でも取り扱っていると思わなかったのでびっくりした」という方がその場に二人もいらっしゃって、同じ志(?)を持つ人は呼び寄せられるのだな…等と思ったりしました。

着物も試着チャレンジ

アクセサリーもですが、反物も、写真だけだと分からない良さがあるので、ぜひ実物を見ていただきたいです。洋服でも同じように、たとえば正絹の着物の、自然光の下で控えめに発光しているかのような色合い、ってなかなか写真では見えないので…(話それますが、この発光具合って生地の柄以上に重要だったり、購入を決定するポイントだったりしませんか…和装だけじゃなく)着物も試着チャレンジ!して良いのではないでしょうか。私も今後もしていきます〜!