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「しあわせ」って何ですか?

#人生を変えた出会い

病院の中は、人生(人間関係)の縮図があります。色んな思いと共にあります。

25歳の頃に病院へ勤務。当時は、入院請求書をご家族や 入院中のご本人の部屋へ行き 渡してました。もちろん、部屋へ集金へも。

Mさんの部屋へ請求書を持っていくたびに、集金日を言われ 当日は現金がTV台に置かれています。しかし、ある日 用意がない。

Mさん: 忘れていた。〇〇さん、〇〇〇〇〇を見て。そこから入院費の分を出してください。

私は返事をし、お札にご銭に・・・と数えている途中に Mさんが・・・

Mさん:〇〇さん、10円が一枚多いように感じるんだけど・・・数えなおして。

私:Mさん、お札や小銭の音で何を触っているか わかるんですか?

Mさん:各お札や各種小銭の音で わかりますよ。

私は目を大きく見開き、彼女を見つめました。そこで彼女の家族と彼女の全財産を知りました。

事務所へ戻り上司へ報告すると、「Mさんの財布を触ることをあなたも許されたのね。部屋への入室は限られているし、財布を触ることを許される人物も限られています。出世だわね。」「彼女の財産の話は本当。色々あったの。彼女の話してくれたことは、胸にとめておきなさい。」

私は、何とも言えない気持ちで帰っただけでなく、歳を重ねるごとに彼女の話してくれた言葉の重みを感じる。それから彼女に色々話しかけるようになりました。何より人生を変えてくれた人であり、お金の価値=お金の力を思い知ったことでした。

あなたは、下記の彼女の言葉をどのように思いますか?あなたのしあわせって何ですか?

Mさん: 〇〇さん、(全財産)驚いているようね。だけどね、たった一人の家族の夫は他界し、私は「全盲」。病院の近所を杖を突いて歩くくらいしかできない。買い物もね。お金があっても、入院費以外に使い道がない。私が欲しいのは家族や家族の愛情・温かさ。家族の温かさが一番よ。お金があるからと そう思うかもしれないけど、誰も見舞いにこないし寂しい。本当の幸せは、人のいること。家族の愛情、温かさ。お金なんて 全盲になると無力だわ。忘れないで。