さよならハッピーエンド
祖母の記憶が少しずつ無くなってきたこと、大切な祖父のことも思い出せなくなってきたこと、ただそこにあった愛情が一つも変わらないこと、なのに思い出して名前を口に出せないこと、わたしが過去にした大切な人への酷いこと、ある恋人たちが離れ離れになった事。
本当に色々な事柄を考えていた時に浮かんだタイトルです。
もしかしたら、どこか別のパラレルワールドのような世界では今でも男女は笑っているかもしれないし、祖母も祖父と未だに名前を呼びあってコタツで二人でテレビを見ていたかもしれない。
そこらへんの銀河ではそうだったかもしれない。
一つ口に出さなかったら、一つ口に出していたら、あの時もし許せていたら、優しくしていたら、ハッピーエンドの形も違ったのかもしれないね。
だから、どこかの世界での裏っかわではまだハッピーエンドに向かう途中だったのかもしれない。
私達は今現在、ハッピーエンドとは言えないお終いをどうにかハッピーエンドにしようとしているけど、どこかでは優しい愛おしい考えなくてもいいくらいのハッピーエンドを迎えていたのかもしれない。
恋人に言った酷いことも、男女が迎えた壮絶なバッドエンドも、祖母が忘れた記憶の全てもどこかでは違った形だったのかもね。
選択の積み重ねが作ったいまをこれからを、ハッピーエンドだと信じていないと私達はやりきれなくて壊れてしまいそうなんだよ。
選択する事は酷でそれでいて幸せになったりして、不幸になったりしてこんなに難しい事はない。
ただ私達は死ぬまで間違おうが、正解だろうが選択をして行きていく。
それがハッピーエンドになればいいんだよ。
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