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振り返りと浄化

推しのラジオ「石川界人のとまどいイルカ」でメールを読まれた。初めてのことだ。改めてタイトル書くとふざけたタイトルだが、2年以上も続いている番組だ。以前はスポンサーの名前の「エクステンドラジオ」だった。


読まれたコーナーは「2.5丁目の奇跡」という。自分の恋愛エピソードを投稿するもので、現実でも妄想でもいい。ごっちゃになっていてもOK。いつからか石川氏が「投稿ネタのどこからが妄想か」を当てるコーナーになっている。
過去別コーナーにメールを送ったことはあったが読まれたことがなかった。
以下内容。


学生時代、彼はバンドを組んでおり、私はその応援をすべく、写真を撮り、フリーペーパーを作ってライブ会場で配布することを、個人の趣味でやっていました。バンドのメンバーには感謝され、密かに彼のことが好きだった私はとても嬉しかったことを覚えています。

大学生のサークルのような仲間だったので、みんなで飲み会をしたり、旅行に行ったりと、思い出も増えてきたころ、友人と彼が付き合いだした、という話を耳にしました。私の想いは誰にも告げておらず、その友人と仲がよかったこともあって、誰にも何も言わないまま、いつのまにか仲間たちは疎遠になっていきました。

10数年経て、彼とSNSを通じて再会することができました。彼は歳こそとったものの昔と変わっておらず、豪快に笑うところが好きだったので、その姿を見て、昔の気持ちがうっすらと蘇ってきました。

それから何度かご飯を食べたり、一緒にライブに行ったり、私はまるで昔の時間を取り戻すかのように彼と仲を深めていきました。

ある時、彼が昔の話をしてきました。
旅行に行った時のこと、昔応援していたバンド活動のこと…
懐かしいね、なんて話をしながら彼が「あの時、本当は俺のこと好きだった?」と聞いてきました。
私はびっくりして「どうして?」と聞くと「なんとなく」と彼は言いました。

私は一瞬戸惑いましたが、間をおいて

「…そうだね、結構好きだったかも」と答えました。

すると彼は「今は?」と。

私は「…今は、昔よりも好きかもしれないな」と、思い切って答えました。

私は今その彼と、新しい思い出を増やしている最中です。

…というドラマチックな話だったらよかったのですが

実際は再会し、気持ちが蘇ったところで、彼が数年前に結婚したことを知りました。
再会の時があと数年早かったら、と悔やむ気持ちは正直ありましたが、彼が幸せそうだったので、私は過去のことも告げることなく、今もたまに連絡をとる友人としてお付き合いしています。

先日彼のことを夢で見てしまい、界人くんに読んでもらえたら、この想いも浄化できるかなと思い、送らせて頂きました。

渾身の作だったのだがメールをスタッフから手渡されたと思われる瞬間「…長いな!」と言われて「…ん?」と思った。私の投稿だった。長いなという自覚はあったので申し訳ない。ラノベ読むの大好きだと言うのでつい。
情緒不安定だったうえで一気に書き上げたメールだった。なにしろ情緒不安定だったので、読まれることが前提ではなく、ただぶちまけたいだけだったのだと思う。たぶんメンクリ通ってた頃か。もちろん途中からは嘘(妄想)である。

読まれた内容を聞いていてどこの乙女ゲーのシナリオかと思うくらいにこっ恥ずかしくなったが、パーソナリティである石川氏がイケボで私の創作した妄想セリフを読んでくれて、かつ心配された(騙されやすい人だと思われたようだ、間違ってはいないが)うえに、3B(バンドマン・美容師・バーテンダーは彼氏にするなというアレ)を間違え、バンドマン・美容師・ベーシスト(奇遇にも彼はベーシストだった)と言ったことが盛大にネタになり、番宣予告の写真にまでなったので、結果超オーライとして、このネタの振り返りを書こう。

自分のネタで推しがこんな写真撮ってくれたのか(おそらくチャラいイメージのベーシスト)と思うとゲラゲラ笑った。
現実だったらドラマチックすぎる展開だと言ったあとにボソッと「…いいなぁ」と言ったのも嬉しかった。創作を褒められたような気持ち。ありがとう界人くん。​


このネタに出てくる彼、年は2つ上で、大学は一緒ではなかった。なので音楽系のサークルが一緒、というわけではない。当時バイトしていた店で仲の良かった子が誘ってくれたライブで知った人だった。童貞だと周囲に暴露されていた。どうでもいいことはよく覚えている。
いわゆる「お調子者」キャラでムードメーカー、男女問わず好かれるタイプだと思う。バンドのフロントマンにはもってこいの人柄だった。
私はわかりやすい人間らしいので、周囲の友人は私がその彼のことを好きだったことに気付いていたと思う。みんなで「AIR JAM 2000」に行ったんだ。思い出しただけで若かったなぁとしみじみする…
友人と付き合っていたこと、某SNSを通じて再会したこと、一緒にご飯を食べた(複数人で)こと、再会後もライブに行ったことは事実だ。が、結婚を知ったのはSNSで発見した時点であり(これも石川氏ズバリ当てた)それから友人らと再会の手筈を整えた。この時点で結構ガッカリしていたのが本音。
ラジオでは石川氏はバンドマン=チャラいというイメージからマイナスの視点で見ていたようなのだが、これは彼の名誉もあるので少し訂正すると、今も昔もバンドが仕事の人ではない。プロを目指していたのかはわからないが。バンドの曲は全てオリジナルだった。
彼が結婚の経緯に至ったのはこれにも書いたのだが(今読むと文面がだいぶ病んでいるが)3人兄弟の末っ子で兄2人が未だ結婚しておらず親が嘆いており俺くらいしなくては…という義務感もあったようで、紹介を経て結婚に至った。まあその出会いも縁だし、私との再会がそれより遅かったことも縁。深く思うことはないのだが、タイミングが悪かったな…と思ったのは事実。
バンドは解散し、メンバー友人らは離散したので彼のことは記憶かは薄れていったが、不思議なことに曲は忘れずに頭に残っていた。ハイスタが好きだったのでもろにメロコア。ラジオ内で彼の音楽はどんなものだと思われていたのだろうか。シュッとしたスキニーパンツが似合うようなフェミニンな男子がやるキラキラしたものだと思われてたら申し訳ない、野郎がダイブモッシュ上等、と意気込むようなやつで、常にTシャツ短パンのような男だった。
今となっては私のほうがバンドマンだし、所帯持ちとわかっていながら軽率に食事やライブに誘う(そして来る)のも我ながらクソだなとは思う。嫁に嫌われているかもしれないが会ったこともないので気を遣うこともないかと思っている。

盛大なネタになったおかげで不穏な空気は浄化された。
そもそも結婚願望がないのであった。
恋愛願望はあるが、今その余裕がない…人生は難しい。

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