今までこんなに花の写真を見たことも、考えたこともないだろう。
前日譚を経た推しへの浪費ドキュメントの続き。

イラストを花屋さんに提出し、何度か確認のやりとり。そして支払い。
ペーパーフラワーは素材サンプルが届いたらお知らせしてくれるという。
イラストで伝えたイメージは、紫からピンクへのグラデーション、上からどんどん淡くなるという予定だった。
花の名前は詳しい方ではないし、季節の花を入れたいという気持ちは多くにあったけれど、そういう類のことはプロの方が詳しいので、特別指定はしなかった。あくまでも色と配置を重視。

ペーパーのサンプルが届いたと、画像を頂いた。
ご丁寧にイメージの色に近いものがなかったからと、濃淡のバリエーションをいくつか見せてくれた。別素材で色が近いものも提示してくれた。

2枚目のピンクと白（クリームみある）が好みだったが、紫は1枚目の色の方が好き。質感も1枚目のつるっとしたものより、2枚目の和紙っぽい皺みのある方が花の形にしたときに自然な気がした。様々な色や種類の花を入れてもらう予定だったので、あまり無機質な感じにはしたくなかった。でも素材違いを入れるのには抵抗があったので、2枚目のもので別の色はないか聞いてみた。すると

ヒット。自分的に左3枚の配置がドンズバで、トリコロール配置なのもすごくしっくりくるので、イラストのペーパーフラワーの配置を変えてもらうことにした。見ていたら4色とも入れたくなってしまったが、予算もあるし4個よりも3個の方がなんとなく数字もいいし、でも濃い紫は捨てがたかったので、実際の花で色をカバーしてもらうようにお願いした。
配置イメージは縦長でS字を描くような感じだったのだが、いかんせんイラストが下手なのでいまいち自信が持てない。でも実績のあるお花屋さんなのでそこはお任せすることにし、自分はパネル製作に取り掛かることに。

ペーパーが決まったので色味もなんとなくまとまってきて、いくつか決めていた案があったのだが、あっさり絞ることができた。
制作はIllustratorで。CCは色々なフォントも簡単にDLできて楽しい。絵は描けないのにイラレをいじるのが好きな素人なので、ここぞとばかりに色々いじりまくる。ボードサイズは初めからスクエアにすることを決めていたので、先方の指示がA3サイズまでだったので、A3短辺スクエアで制作。

ピンクを文字にするとペーパーフラワーのピンクが強いのと、強いピンクは印象が強すぎて花と統一感がなさそう…花にもピンク多そう…なので、青みの強い紫を文字にして、紫みのある淡いピンクで影入れ。影を入れるかどうかはちょっと悩んだので、友人らにデータ画像を送って忌憚なきご意見を頂いた。
フォントもいくつか試したが「Sonde!」の文字だけはどうしても手描きにしたかったので、ベジェ何度もやり直して決定。持っててよかったワコムのペンタブ…（元彼のプレゼント、めちゃめちゃ感謝してる）
角の花はイラストACさんで（いつも写真ACさんにお世話になっている）見つけたときに「花のイメージのまんま！」と感動して即決。
完成したデータを送付し、あとは当日を待つのみである。

当日。緊張しつつ会場に行くと、去年とは比にならないくらいの花が！
会場内ロビーだけでなく会場外ロビーにも。小さいアレンジも含めたらかなりの数。推しの人気が上がったこともあるのだろうけど、去年は本当に告知不足だったのかもしれない。
会場のシダックスホールは円形のホールなので、会場ロビー通路が丸くなっており、入り口から奥が見づらい。
私の出した花は一番奥、物販のすぐ隣にあった。

…絶句した。かわいすぎて。息止まるかと思った。
想像を遥かに超えており、自分のイメージは縦長だったのだけど、たぶんパネルのサイズに合わせて少しスクエアに寄せてくれたんだと思う。
足長なのがハートの形にも見えて（よく見ると花輪に近いのだが、多分逆光のせいもあってトップが見えづらい）ますますかわいかった…。
物販のすぐ隣なので、通りすがる人が「これかわいい」と言っているのを聞いて、マジでちょっと泣いた。嬉しすぎて。
その後もパネルをまじまじと眺めてくれる人や、話題にしてくれる人の姿を見ていたら、ただの自己満足だと思っていたことが、いつの間にか見る人を楽しませるものになっていたことに気付いて、もうこれサービス業の極みでは…？と自分の職業病の自己犠牲とドМ体質を実感していた。
そして何より、これをすべて制作してくれたハナユエさんに、最高に感謝した。一度もお店に行けなかったのにも関わらず、密なメールでの打ち合わせをして頂けたことも、こちらの希望を最大限且つ+αにまでしてくれたことも、そして仲介してくれたはなしごとさんにも感謝の気持ちでいっぱい。

一人でやったので結構なお金はかかったが（といっても私よりも大きなスタンドはたくさんあったので、みんなすごいな…）感無量でしかなかった。花の量や大きさにこだわるのではなく、自分ができる範囲で、自分の満足のいくものを作って推しに見てもらえるってこれ、最高に幸せじゃないですか？？？
もちろん花はただの気持ちの表れだし、マウントを取り合うものでもない。身も蓋もないことを言ってしまえば、推しの手に渡るわけでも、利益になるわけでもないので、なぜそんなにこだわるのかと言われれば返す言葉もない。
ただ、形あるファンレターの一つだと思ってもらえればいい。言葉にするのは得意じゃないけど、形で応援を伝えられるのであれば、それもひとつの粋ってことで良いのではないか。

余談だが、この花を作るにあたって制作側に参考にしたものとして提示した作品がこれ。

1枚目はこういうペーパーフラワーが出したい！という要望。2枚目は花の選択、色の組み合わせのイメージ（はなしごとさんの許可を頂き掲載しています）これとショボいイラストであれだけのものを作ってくれたのには感動しかない。
こんな立派な花は本当にたまにしか出せないので、今後ここまで熱が入ることはないと思うのだが、いい経験になったし、また来年もあるのならやりたいと思っている。
たまに有料noteをあげるのはその資金にするためもあるので、今後ともよろしくお願いします。
反省は、パネルが花にかかることを考慮しきれておらず、ギチギチになってしまったこと。余白を考えておくべきだったな…。ペーパーフラワーの配置はイラスト通りだったのだが、最初はバランスよく振り分けるつもりだった。が、絵描いてたらこうなってしまった。でも結果的にランダム配置がすげえいい感じに収まってる。なんだ私の適当な勘。すごくないか（自画自賛）

余談ついでに。イベントの最後に握手会があるのだが、5秒足らずくらいは話ができて「初めてお花出しました」と伝えたら、最上級の笑顔を頂いた。死ぬかと思った。
実際は「初めてのフラワースタンド」なのだが、さすがにその時間でそこまで頭は回らなかったです。

イベントの感想は後日まとめます。
今日は花への感謝を込めて眠る。