シャニマスのオタクだけどミリオンライブのアニメを観に行っていいか? 【#ミリアニネタバレ感想】
あ〜〜、なんだかアイドルがわんさか出てくるアニメが見てえな〜〜〜!!!
具体的には52人くらい出てくるアニメが、見た〜〜〜い!!!!!
おや……? このアニメは……
こ、この輝きは……!?!?
(以下、全12話ネタバレ全開)
人数が、多すぎる
待って!?
……アイドル、多すぎないか!?!?!?
いや確かにいっぱい出てくるアニメが見たいとは言ったけど、いざOPで39人(765AS以外の全員)が同時に踊ってるところ見ると圧が強くて初見の人間はビックリですよ。
僕は普段ユニット単位(2~5人)でお話を回してるシャニマスのオタクなので、いきなり原っぱで39人が一斉に踊ってると「フラッシュモブですか!?」って距離を取ってしまう。
でも、全12話を観終えた今はこのOPダンスも滅茶苦茶好きだ。
だって、曲がすんげぇ良いから。
……が、それはそれとして序盤で新人プロデューサーに社長が「35人まではオーディションが終わったね!」みたいなこと言い出した瞬間、内心では「35人!?!?!?!?」って吹っ飛びそうになってた。それはもう誇張し過ぎたアイドルマスターだろ。
しかもそこから更に4人増える。もうしっちゃかめっちゃかだよ。
大乱闘スマッシュブラザーズXですら参戦人数が35人だったことを考えると、新人アイドル39人でも大乱闘できちゃうんじゃないか?
なんなら、春日未来さんの上BってOPで天海春香さんに手を伸ばす時のアレじゃないか?
……などと、第一幕の段階では余裕をぶっこいた姿勢で笑っていた。
が、結論から書こう。
この後僕はMOIW2023で知り合ったミリオンライブのオタクと一緒に第二幕、第三幕と劇場へ通い、最後のライブで涙を流すことになる。
(この時知り合った)
この髪の青い子、とても可愛いですね……
まず、いきなりだが謝罪させてほしい。
僕はミリオンライブのアニメに対して、もっとふざけた感じのアニメだと思っていた。
だ、だって……インターネットで回ってくるミリオンライブのイメージってトンチキなやつばっかだったから…………
だから、最上静香さんの真面目なお話が始まった時そこそこ……いやかなり驚いた。そして同時に、劇場の座席に深く座り直した。
あえてこういう表現をするが、アニメミリオンライブは決してスケールの大きな話ではない。
別に地球の未来がかかっているわけでもないし、人の命が失われようとしているわけでもない。
もっと言ってしまえば、最初からアイドルであった765ASとは違い「アイドルになれるかもしれない」という場所から始まるミリオンスターズの物語の規模が、765ASよりも大きいはずはない。
ただ、アイドルになりたい39人が前に踏み出すだけの物語なのだ。
しかし、だからこそ最上静香さんが前に踏み出す姿勢は僕の胸を打つ。
アイドルになりたい、アイドルになるために親と衝突してしまった。その一つ一つは小規模なスケールの物語なのだろう。
だが、それの何が悪い?
最上静香さんにとっては、自分が自分でいるための大切な物語なのだ。
彼女のその真剣な眼差しが、これでもかというぐらいスクリーン越しに僕を刺してくる。
そうだ、頑張れ………………お前はアイドルに、なれる!!!!!!
…………と、気がつけば僕は完全に最上静香さんから目を離せなくなっていた。
僕の好きな言葉に「変わろうとしてるヤツってダサく見える」というのがある。
このアニメでは皆が皆アイドルという場所を通して何か変わろうとしていて、その変わった瞬間もダサい瞬間も、全てが彼女たちを繋いでいる。
それを大きく象徴するのが、最上静香さんのオーディションシーンなのではないかと思った。彼女が格好悪いところを見せるシーンも、そこから変わっていくシーンも、全てが魅力的で、愛おしい。
僕はアイマス信号機といえば黄色が好き寄りなタイプだと思っていたので、最上静香さんは正直ノーマークだった。危ない。
まったく…………危うくミリオンライブのせいで青髪好きに変えられそうになるところだった…………
この可愛い子は七尾百合子さんって言うんだ……そうなんだ……フゥン…………
……マズい、このままアニメミリオンライブで気になった子を挙げ続けていくと画面が100年後の獣電戦隊キョウリュウジャーぐらい寒色多めになってしまう。
でも正直、真壁瑞希さんも気になります。真顔が可愛いから。
あの輝きこそ、日曜朝の風格
ところで先ほども書いたが、このアニメのOPソング『Rat A Tat!!!』はマジでぶっ飛ぶくらい良い。僕は劇場でこのOPを見る度に魔人拳くらったプリンぐらい吹っ飛んでいるし、このOPが見られるならプリキュアと並んで1年ぶっ通しでも見たい。
いやしかし、1年はもちろん朝に放送なんてするはずがない。
だってアイドルマスターだよ?
オタクが「伊吹翼タソ、萌えですぞ~~~!!!」って話しながらコミュニケーションを取ってるアイドルマスターだよ?流石に朝放送はしないって。
……などと考えていた、当時の僕は浅かった。
そもそも、アニメミリオンライブがどうして僕の好きなタイプのアニメであるかを考えるべきだったのである。
アニメミリオンライブの監督、綿田慎也といえばあのプリティーリズムやアイカツを始めとした、所謂ケレン味の強いライブ作品で演出を務めてきたクリエイターであり(加えてシリーズ構成/脚本はアイカツで有名な加藤陽一だ)、それらが好物な僕にとって彼の監督するアイドルアニメはまさしくクリティカルな一撃にならないはずがなかった。
急に早口で語り出したな……と思うかもしれないが、僕は元来アイマスよりも先にこういった女児向けなどのアイドルアニメで育ってきたニチアサ類のオタクであるため、アイカツもプリティーシリーズもTVアニメを放映しなくなった2023年にこの血筋のアニメが放映される、その事実にまず身体が震え血沸き肉踊り、そして拳を突き上げずにはいられなかった。
加えて劇場に観に行った興奮も冷めやらぬ翌日、アニメミリオンライブの放送時間が日曜朝10時であることが発表され僕は確信する。
「これは間違いなく、日曜朝の風格を纏ったアニメだ」と。
個人的にニチアサで観たい番組に求める要素は色々あるのだが、その中でも一番大事なのは楽しく光っていることだと思う。
だって見たいじゃん、日曜日のまだ寝てたい朝の眠気を吹っ飛ばしてくれるほどキラキラしてて明るい番組。
その意味でもミリオンライブのアニメは(明るい作風もあいまって)滅茶苦茶キラキラしている。精神的にも物理的にも。
ちなみに僕が一番好きな女児向けアニメは、日曜朝10時台から放送していた『キラッとプリ⭐︎チャン』。名前だけでも覚えていってほしい。
変なヤツが滅茶苦茶いる
MOIWでも思ったことなのだが、アイマス全土を見渡した時にミリオンライブに対して抱く印象の9割が「色物アイドルが多い」だった。
その印象は全12話を経た今も変わらない……どころか余計に強くなっている気がするが、それは決して悪いという意味でもない。
というわけで手短に僕の心を掴んだ、狂ったメンバーを紹介しよう。
野々原茜
コイツはヤバい。
たった今作ったかのように異様なハイテンションと、距離感を間違えた張り切り方。
僕のコミュ障レーダーが言っている。コイツは間違いなく友達が少ない。
シャニマスにも、しっかりしているように見えて内弁慶気味でユニット外の人間と話す時は声量が蚊と同じになる福丸小糸というアイドルがいる。
野々原茜さんには福丸小糸と同じ部屋に二人きりで閉じ込められてほしい。
最初は野々原茜さんの方から話しかけようとするけど小糸が全く喋れないことに気付いてからだんだんスマホを見るようになって(ここまで2分)、残り58分をお互いずっとスマホの画面見て過ごしている様子をカメラで眺めたい。
追記:実際にミリシタを遊んでみたら学校やシアターでも意外としっかりコミュニケーションが取れているらしく、もしかしたらコイツは僕が思っているよりも凄い才能を秘めた女の子なのかもしれない。
松田亜利沙
コイツもヤバい。
なんか、一人だけ深夜アニメから出てきたのかな?ってノリで喋ってる。
CV.村川梨衣で白組制作のアニメといえば勿論オタクが大好きな『えとたま』であるが、松田亜利沙の演技タイプもそれとだいたい同じ。
もしアニメミリオンライブが途中から朝に放送できなくなることがあるとしたら、原因の2割はコイツがアイドルの浴場を覗こうとするシーンのせいかもしれない。残りの8割は第7話のせい。
でも同時に、コイツがいい奴なこともわかる。
特に周防桃子さんの子役時代の物語を本人の目の前で話したり、影響を受けたことを言えたりする度胸は凄い。人間、本物を目の前にすると言いたいことが言えなくなることだって多いのに。
きっと283プロのアイドルのことも認知してくれているのかなと思うし、彼女には七草にちかさんと会って喋ってみてほしい。
七草にちかさんは(最近はマシになってきているとはいえ)本人が自分の頑張りを上手く認められずに卑屈になることも多いので、近くに松田亜利沙さんのような人がいたら……などと思ってしまうのは、第三者の傲慢だろうか。
箱崎星梨花
この子は父親が凄い。
父親の存在感が凄すぎる。
なんならこの人が出てきた時ちょっと劇場がどよめいてたし。
でも娘がアイドルなんかやってるのを見た父親が心配するのは当たり前なので、僕は漫画を読んでいないにも関わらず既にこの人のことがかなり好きだ。
箱崎星梨花さん自身のことはまだよくわかっていない部分も多いが、13歳という年齢もあって劇場でも可愛がられている印象だった。親父さん、アンタの娘はいい事務所に入ったよ。
でも、それ以上に僕はこういう子が自分よりも年下の人間を見て頑張る様が一番好きだ。
なので、もし箱崎星梨花さんが283プロに来ることがあったら12歳の小宮果穂さんとお話してほしいと思う。
多分、箱崎星梨花さんと小宮果穂さんがいる間は大人の争いとか起こらないと思う。
徳川まつり殿
この方はなんか、ヤバいとか凄いじゃなくてとんでもない。
ミリオンライブのアニメを見ていても、基本的に39人みんな横並びで頑張っている様子が描かれているのだが、この徳川まつり殿だけは他より少し格の高い描写になっている。
実際のところ、春日未来さんたちがシアターにやってきた時から先輩として完璧なムーブをし続けてくれるわ、ソロライブはこの見た目でちょっとカッコいいわでずっと強キャラとしての立場を崩さない。
……この見た目で!?!?
いや、人の外見をとやかく言うのは本当に良くないことだ。本当に良くない。
いやこの見た目で格高いことある!?
仮面ライダーセイバーのタッセルおじさんに世界で一番似てるアイドルなのに!?
でも徳川まつり殿が283プロに遊びに来たら、意外と黛冬優子あたりと仲良くなれそう。冬優子は内心「(なんなのよこの女……!?)」って思ってるけど、まつり殿の在り方に対してはかなり好意を持って接してくれそうな気がする。
あと二人ともアンチに滅茶苦茶悪口書かれてそうだし。
さて、せっかくだから最後にまつり殿の印象をChatGPTにでも聞いてみるか……
滅茶苦茶おっさんみたいなことを言われた。
追加戦士顔の女、白石紬
僕は今を生きるオタクだ。
なので基本的には令和の新しいコンテンツの方が好きだし、古いオタクの死語みたいな表現は使わないように生きている。
……ところで、みんなは白石紬ってアイドルを知ってるかな?
白石紬タソ、萌え〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
突然だが、僕は女児向けアニメで追加戦士が主人公の家にお泊まりする回が大好きだ。
白石紬が春日家に泊まる展開になった時は興奮しすぎて劇場で叫び出しそうになるのを抑えながら考えていたものである。
━━そう、この白石紬という女。いくらなんでも追加戦士すぎるのである。
試しに最近のプリキュア追加戦士と並べてみよう。
うーん、これはどう見ても追加戦士だな……
個人的にお泊まり回で一番好きなシーンは、白石紬を交えた春日家の夕飯が唐揚げにお刺身と「他所の家の子が家に来た時に頑張って作った夕飯」感が滅茶苦茶出ているラインナップだった時。
……そんなお泊まり回に始まり、立て続けにポンコツっぷりを披露し続けた金沢の萌え萌え女こと白石紬。
だが僕は同時にこうも思っていた。
「コイツは間違いなく、魅せる人間だ」と。
その予感が当たったかどうかは、第三幕を観た諸兄姉らにはお分かりいただけているかと思う。
個人的に、第11、12話は春日未来さんが何度も口にしていたように「みんなでシアターを繋ぐ」物語だと感じている。
だが、同時にその輪の中に真の意味では白石紬や桜守歌織さんは入っていなかったようにも、思う。
そう、第12話のその時が来るまでは。
それまでアイドルを夢見ながらも、様々な側面に怯え、繋いでもらう側であった白石紬。
けれど、アイドルのステージはそんな彼女を繋いでもらうだけの、手を引かれるだけの人間でいさせない。
あの日、シアターを襲ったトラブルを前に彼女は真の意味でアイドルとして立つ。
それは自分をアイドルにしてもらうために出番を繋いでもらうのではない。
後に控える仲間たちにステージを繋ぐためにアイドル白石紬はその場に立つ。
彼女の初めて見せる表情と、『瑠璃色金魚と花菖蒲』。それらが座席の僕を焼き尽くした。
お前の大一番、最ッ高に熱かったぜ……!
「気付かれずに終わらせはしない」
ここまで散々名曲すぎると挙げ続けてきた『Rat A Tat!!!』でも特に印象に残る歌詞、それが「気付かれずに終わらせはしない」だ。
敢えてこういう言い方をするが、ブランド外から見てミリオンライブはミリオンスターズ39人の魅力を伝えづらい状態にあると思う。
それは765ASの後輩だからなのか、トンチキな絵ばかりが流れてくるからなのか、はたまたただ単に不運なだけなのか、詳しいことは外から見ている僕には全くわからない。
ただ、MOIW2023でミリオンライブに初めて触れた僕は今回のアニメを観なければ春日未来さんがシアターにお泊まりしてステージに布団を敷きたがる子であることも、最上静香さんがどんなに苦しい思いをしていても他人の笑顔を喜べる心の持ち主であることも、伊吹翼さんが本当は本気を知らないのではなく星井美希さんへの本気の気持ちを抱いていることも、知ることはなかった。
だから、僕は今回彼女たちについて気付けてよかったと心から思っているし、気付かずに終わりにしなくてよかったと思っている。
そして「気付かれずに終わらせはしない」という言葉は、アイドル自身というよりも僕はアイドルを応援する・送り出す側の視点の言葉選びだと思う。
僕はMOIW2023でミリオンライブを初めて知ったが、だからこそオーディオコメンタリーで横山奈緒役の渡部優衣さんが語っていた苦境と危機感のお話を忘れられずにいる。
オーディオコメンタリーの詳しい内容はもう外に出回ることはないと思うので知らない人には各自で探していただくとして、そこで語られた「ミリオンって正直全然知られてないじゃん?(意訳)」という話は、今でも僕の頭にずっと残っている。
誰にも知られていない、気付かれていないのではないか……そういった様々な苦労がミリオンライブにあったであろうこと、それに対する未練や執念があったこと、それらがここまで見事なテレビアニメとして結実していること……その凄さは僕なんかが想像できるものを遥かに超えているのだろうけど、それでも。
ミリオンスターズが皆であのシアターを作り上げ、踏み出してくれた姿を僕は美しいと思うし、尊いと思う。
そして、ここで終わらせないでほしいとも思った。
そう、やっぱり39人(+13人)もいるとなると、1クールどころか4クールぐらいかけて色んなお話を見たいと思うのがオタクの性だ。
いやもっと言うと、劇場ボイスドラマであったようなプロデューサー×2、事務員×2みたいな組み合わせのお話もめっちゃ見たい…………
……あと「白石紬が徹夜でモンハンした後に撮影にやってくる回」「野々原茜の祖母が田舎から会いに来る回」「周防桃子がプチトマトを嫌うがあまり具現化したプチトマトマンに追いかけられる回」も見たい…………
見たいよな?
人数の多さ、100万パワー
ところで冒頭で「最後のライブで涙を流すことになる」と書いたが、厳密にはそれは誤りだ。
なぜなら、12話の途中からずっと泣いていたから。
そして、僕が最も泣いたのはその12話の本当のラスト……Brand New Theater!が流れるシーンだ。
「人、多っ!」って若干引いていた第一幕の僕はもうそこにはいない。
春日未来さんがシアターへ向かって走っていく。多くの仲間たちがいる道を抜けて。
そこにいる39人は、もう「なんかすごい沢山いるアイドル」ではない。
そうだ、一人一人がシアターの大事な仲間で、ミリオンスターズになったのだ。
「サンキュー!ウェルカム!ドリーミング!」
「ウィーアー ミリオンスターズ!」
なぁ、こんな泣けることがあるか?
きっと、アニメとしては本当は登場するアイドルを10人前後に絞った方が正統派なアニメになったのかもしれない。
だが、これだけの人数があったからこそ、このBrand New Theater!は最高のエンディングとなったのである。
こんな味は、シャニマスには間違いなく存在しないものだ。だからこそ、これがいい。
ミリオンライブを知らない状態で劇場に足を運んで本当によかった。踏み出してみて本当によかった。
物語のテーマ性に一切嘘偽りのない体験をさせてくれて、ありがとう。
余談だが、第三幕は応援上映も行くことにした。だって、この最高のアニメを劇場で応援できるのは今しかないから。
そして一緒に行くオタクにはゲッサンミリオンなる漫画を貸してもらう約束もした。
感情のままに書いていたら〆る言葉を見失ってしまったが、どうかこれからもミリオンスターズの皆が笑って過ごしてくれたら嬉しい。
そして2期があるなら、周防桃子さんが具現化したプチトマトマンに追いかけ回される回を絶対にやってほしい。
ちなみに、ミリオンライブの上映中にしつこいくらい予告が流れているシャニマスのアニメ上映(TV放送は4月から)も存在する。
ミリオンライブのアニメくらい面白くなっているかどうかは、正直オタクとしても断言はできないのだが……もしシャニマスへ踏み出すのを躊躇っていた人がいたら、この機に飛び込んでみてほしい。
追記:ミリオンライブ第三幕の応援上映、この世の全てがあるので絶対に行った方がいいです。
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