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コロナ禍のカメラマン日誌~念願の機材更新篇~

大変ご無沙汰しております。
すっかり季節はずっしり気持ちどんよりな
冬の季節から、間もなく私の住む街にも
桜の便りが届こうとしています。

何だか私の住む街は、この2年程色々な事が起き、
身も心も何だか荒んでいたなぁ…と時々振り返りますが、やはり雪が融けて、青空とアスファルトが見えた時、スカッとテンションが上がります。

そう、そんな弊社にもこの春ある出来事がありました。

ずっと予約していた、カメラ機材がようやく届いたのです!!!!!

かれこれ一年ほど前、
とある機材販売メーカーサイトに…
SONY NXCAM シリーズ生産停止。
メンテナンスも2022年春で終了…
という、零細プロダクションには、
稲妻が走る衝撃情報が入るのです。

そんな弊社も、大きなENGカメラなど
導入出来るだけの資金力もなく、
NXCAM はお手軽に購入でき、
バッテリーも収録メディアも手軽で、
今では、東京のバラエティー番組のロケは
ほぼこのNX5JやNX5Rという、
カメラで撮影をしています。

弊社は、報道や情報番組のロケ、イベントの中継や収録などに多様していた主力選手でしたので、壊したら終わり…という強迫観念の中で使っていました。

しかし、今の世の中何があるかわかりません。
コロナ禍になり、うちは正直経営的に機材を新調するような余裕はありませんでした。

何とかだましだましながらも、うちのNX5Jくんは
どんな現場でも頑張って働いてくれました。

ただ、導入から約8年…大きなトラブルはありませんが、もしもがあったら、顔向けは出来ません…

何度も、経理担当の奥さんへ
熱くプレゼンする日々が過ぎて行きます。

ところが昨年秋、ヘロヘロに毎日現場に出ている
僕を見た奥さんが「仕事道具だし、そろそろ頑張ったからいいんじゃない?」とありがたいお言葉を頂いた訳です。

すぐ、メーカーや販売店に注文をすると、
予想もしなかった返事が来たのでした…
「半導体不足により納期は未定です。」

これぞ奈落に落ちてしまう答えに、
ウキウキモードの僕の希望は
絶望的な思いに変わるのです。

でもロケは止まりません。
一回一回のロケでNXCAM を大切に使うのでした。

それから半年。
丁度東日本大震災から11年がたった3月11日。
あるメーカーから着信が来たのです。
電話は営業担当者さんからでした。
「半導体不足で入荷未定でしたZ190ようやく入荷、致しました!」
構想から2年、コロナ禍や財政難などから、後回しであった機材を更新が出来ずいましたが、これを逃したら終わりと思い、購入と相成りました。

僕が独立し、初めてカメラを買ったのは、
今では懐かしいDVCAMのカメラPD150という、
アポ無しロケやサイコロで全国を旅するあの番組が使用したのをきっかけに各番組で大活躍する名器からスタートし、HDVというテープのカメラZ5J、
そしてSDカードで収録出来る、NXCAM  NX5J
今年導入することの出来た、XDCAM  Z190と
4台のカメラが支えてくれています。

僕はどのカメラも壊さず、未だに大事に使っていますが、それにはある同業者からの苦い言葉があったのです…

当時大手のお仕事をされていた同業者の方が、
「お前のカメラ何使ってるの?」と質問され、
僕は迷いなく「Z5Jです!」と答えるや否や、
「そんなカメラおもちゃじゃん」というお言葉。
その言葉は徐々に僕の心に響くのです。

そう言われた時の悔しさったらありませんでした。
当時そのカメラを使い、ドキュメンタリー番組の
取材をしたり、僕にとっては大事な仲間な訳ですから。

あまりに悔しくて、当時信頼して相談できた
先輩に話すと…
「俺だってZ5Jで野球撮影してるわ」
「いいか、機材じゃないの、撮りたいマインドなのよ」
というきっと慰めの言葉をかけてくれたのですが、
それがいい機材じゃなくても、撮りたい気持ちを
持てばいいのよ。
といい意味で諭してくれた言葉が
今でもずっしり残っています。

いまや、テレビカメラは古いという
風潮すらこの業界には感じます。
GoPro、オズモ、一眼レフにシネマカメラ…
あまりにも付いていけないのが情けないのですが、
テレビカメラマンの意地にかけて小手先では撮れない、撮影が出来るように精進して、経営が大変な中でも機材更新させてくれた奥さんに感謝しながら頑張ろうと思います。

さぁ、合言葉は!
「機材は大切に!!!そしてご安全に!!!」



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