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夏を振り返ろう~1分50秒のVTRが出来るまで~

早いもので今日から9月に突入してしまいました。
正直憂鬱です。
何が憂鬱って、これから来る季節、秋~冬の季節は、地方に住むカメラマンにとって天気予報との格闘がやってくるからです。
これはまたの機会に書くとしまして…

今年の夏も残念ながら、感染症のお陰で
楽しい思い出を作れなかったという方も多いと思います。
我が家も今年結婚10年目でホントならパーッと奥さんを労わりたいところでしたが、旅も出来ず切ない思いをさせたかなと感じずにはいれません。

でも、私が住んでいる北海道のマチも、
夏には大きな花火大会があります。
しかし、去年も今年も2年連続花火大会は、
人が集まるからやむなく中止…
さすがに夏がそんなに好きでない僕でもガッカリしました…

浴衣を着て友達と。
家族でお菓子を食べながら花火を。
なんて思い出を作る準備をしていた人を思うと、
「何て悪いヤツなんだ」と得体の知れないアイツに怒り心頭になるのです。

昨年、ひょんなキッカケからいつもお仕事を頂いてる同業者の方から、
7月のとある日に5分間だけ花火が上がるから、それを収録して動画配信するんで一緒にやりません???というお誘いを頂いたのです。

普段は違う会社で仕事をしている先輩から声をかけて頂き最初はノウハウも人も機材も全くない中、やる?やらない?と揺れた案件でした。
でも、僕には頼れる「Hくん」というフリーで映像を作る仕事をしている仲間がいた事を思い出し、「一緒にやらない???」とお願いし、その日からオジさんたちは秘密の「サプライズ花火班」として汗水を垂らす事になりました。

理想は高く、「テレ東の隅田川花火大会!」「長岡の花火大会!」と思うものの、機材も人も限りなく無く、連日の見通しの良いポジション探し。
ビルの上や、その町が象徴される場所、そして決して人が行かないであろう山の上などいわゆる「ロケハン」に走り、どこから撮ればいいのかと駆け回ったのです。が、回りすぎた故、逆に決めることが出来ない事態に。
それだけ今住んでる街は景色もいいし、眺めはいいのだと実感するのでした。

↑2020年7月に初めて撮影した花火です

結局カメラの台数とカメラマンの兼ね合いで苦渋の思いで、ポジションを決め当日5分の花火のために10台のカメラが花火を狙いました。


ヘルメットが必要なビルの上、
人っ子一人いない高台、
クマが潜んでいるであろう山の上
大体基本僕の担当です。


↑昨年2020年8月に行われた花火の様子。


リハもなし、打ち上げポイントしかわからず、
どう上がるかは始まってみないと分かりません。本当に胃が痛い現場で逃げ出そうと何度も妄想しました。

でも打ちあがると、
不思議とその苦労は忘れてしまうのも、
この仕事の七不思議のひとつです。

打ち上げが終わると、
それぞれが持ち場から収録した素材を持ち込み、
Hくんはすぐ編集を始め、納期の深夜0時までに
画を選び、ベスポジで撮影した素材を繋いでいきます。
僕にはない感性でバシバシっと繋ぎます。
編集できるって羨ましいなぁと思うのです。
何とか深夜0時を過ぎたころ、
クライアントさんにOKを頂いて、無事完パケ納品!

正直、最近あまり明るい話題が少ないマチで
そこに住む人達にちょっとでいいから元気になって欲しい。

このマチでもうちょい頑張るか!と思える
気持ちが出たら本当に嬉しいもんです。

小さな映像屋が集まって、
作り上げた1分50秒の映像です。

↑今年8月に行われた花火の様子。

来年は、VTRではなく、
生で花火が見れる世の中になる事を願って…
夏よ、ありがとう!!!!!

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