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小さくたっていいじゃない!?日本の養殖業界のリアル

小さくて何が悪い!

意外と面白いのが日本の養殖業界。魚の養殖事業者は規模の小さい事業者がほんとに多いです。特に山間部にあるため面が取りづらく、1尾あたりの単価もそこまで上げづらい内水面の生産者は特に売上1000万くらいのところが多い傾向にあります。

「小さくてもいいじゃない!」

わかります。そうですよね。別に小さくてもいいです。僕だって売上ゼロですし笑。それはそうなんです。

投資には袖が必要

だけど、考えてみてください。売上1000万で利益率が5%だと50万しか利益が残らないんですよ。

「50万でシステム開発して」

生産者さんと会話していると時々平気でこんなオーダー言ってくるんですけど、要件を聞いてみると「2000~3000万くらいないと開発できないね!」みたいなことはよくあります。でも生産者の人たちはこれ、本気で言っているんですよ。だってそれしか振れる袖がないから。

しかも、災害や病気で大量死が起こると一瞬で赤字になるのが養殖事業の難しいところなんです。令和の虎でもいたでしょ、そういう人…機械のメンテナンスも必要だし、稚魚や餌がないと魚は育てられません。リスクにも備えていけない。だから結局現状維持のためのコストしか払えないんです

規模拡大すりゃいいじゃん!

規模を増やし、効率化し、損益分岐点を下げれば、事業も安定するかもしれません。実際にノルウェーは大手が大規模にやってうまくいっていたりします。日本でいうところの携帯キャリアみたいなもんです。docomo、ソフトバンク、au、楽天の寡占市場。雑ですが、あのイメージで勝手に考えてます。

でも日本の養殖ってそう単純な構造になっていなくて、生簀数を増やすには漁協の許可が必要です。養殖に向いている漁場も限られています。波が高いと無理ですし、かといって海水交換が悪いとDOが下がり、斃死を招きやすくなります。

面が増えなければ規模は拡大できません。単価を上げるといっても限界があります。それはECの支援をしていても感じます。結局手数料や送料が高くて手間もかかるので人件費まで加味すると、意外と手残りが悪いという…

変わらないことを正当化する人々

事業を成長させるためには本来投資が必要です。人材の採用もそうだし、システム投資もそうです。設備投資もそうです。

でもその筋が攻めづらい構造になっているのが日本の養殖業界のリアルなところだと僕は捉えています。だから経営体としても、家族経営になるところが多くなります。20年前の使いづらいクソみたいな業務システムを我慢して使う。周りもそういう事業者が多いから、何も変えないことが当たり前になるんです。

僕は水産業の畑とは違うところから参入したので、最初かなり驚きました。「今どきFAXじゃないと受発注すらできないなんてマジか!」と正直思いましたよ笑 

でも気づけばそれが常識になってしまいます。変わらない人々、変えない人々が大半なので、多数決で決めるとそういう人たちの業務フローが基準であり続ける。なまじ横のつながりが強いので、出る杭は打たれる構造になりがちです。かくして日本の水産業にはなんとなく閉鎖的で閉塞的な雰囲気が漂う、と…笑

少量多品種 ー豊かな海があるからこその悩み

魚が飼える水温は魚種によって違います。ノルウェーはサーモンだけだし、東南アジアも温かい海域で育てられるナマズやティラピアが主体です。でも日本は南北に長いので、豊かな漁場にもアクセスできます。だから北と南でとれる魚も違うし、養殖できる魚種も違います。

さらに漁場の条件によっても育て方が違いますし、かかりやすい病気も違います。使っている餌も違います。だからみんな思っちゃうんです。

「養殖業は特殊だから」
「養殖は個別性が高いんだ。一般化なんてできないよ」
「ターゲットの魚種絞った方がいいよ」
「他社のやり方なんて参考にならない」
「自分さえ上手く行っていればそれでいい」
「事例共有?何の意味があるんだ?どうせ素人の集まりだろ」

こんなこと1億8247万回くらい言われましたよ、まじで笑 その度に思うんですよ。だからこの業界はこれまで変わってこられなかったんだ、と。「俺のやり方は正しい」って全員言っていて、そして全員違うことをやっていたりします笑

ここだけの話ですが、そういう人と話すと「この人は青峰君なんだな」と思うようになりました。

「オレに勝てんのはオレだけだ」by 青峰大輝(黒子のバスケ)

圧倒的に優秀だし、負けない。だから他人には興味もない。自分こそが唯一にして最強。
「オレに勝てんのはオレだけだ」
そう言ってる時の青峰くんはバスケがつまらなさそうでした。

ITベンダーから見放された中小規模の養殖産業

こうなってくると状況は厳しくなります。やる気のある個社だけでは投資規模が合わないし、協同出資もまとまりづらい。日本の養殖市場だけだと市場規模も限られます。

だから大手のシステムベンダーはこの領域でわざわざシステム開発なんてやらないんです。物凄く乱暴な言い方ですが、「おいしくないから捨てちゃいました!」っていうのが本音なんじゃないかなと思います。

結果どうなるかというと、予算のある大手だけが独自にシステム開発し、大手だけが成長します。話題のRASなら勝手に魚が育つと勝手に期待して、そして勝手に撤退するんです。でも最初の話題性だけで人気が集まるので、設備投資に巨額の資金が集まったりします。他方、世界でも養殖産業はどんどん成長しています。産業はそういうところで日々動いています。

でも日本の中小企業だけが何も変わらない。

ずっと同じことをやっている。何も投資しないんだから、当たり前です。そしていつか淘汰されるんです…

このままでいいのか

僕らの国が海外に誇れるのは美しい自然とおいしい食だと思います。この国に住んでいることの一番の豊かさはおいしい魚が日常的に食べられることだと思うんですよ。

だからこそ僕は問いたい。

僕らの国の養殖業はそんなことを続けていて守れるのか。同じことをただただ一生続けていく。それで本当にいいのか。

自分の子どもにおいしい魚が食べられる未来を残したいんです。この国にいるならおいしい魚を食べてほしい

でも今のままじゃ日本の養殖業も水産業も守れないと思いました。知識もないし、経験もないし、人脈もない。でも放っておけないと思ったので、3000万もらって開発するのはやめました。開発費も、人件費も、すべてのリスクを僕らが背負って、僕らが最高だと思えるものを作ることに決めました。

多くの人に頭を下げたし、力を借してもらっています。テレビを見るのもやめました。ゲームもアニメもマンガも全部やめました。この1年、寝る時間の1分ですら削ってきました。報酬もありません。

銀行口座からは毎月お金がどんどん減っていきます。売上が立たないのはこんなにも不安なものなのかと、もう毎日本当に胃がキリキリ傷みます。自分もエンジニアも人生と魂を賭けてサービスを作っています。

どんな事業にも本質的なエッセンスはある

魚種が違っても漁場が違っても、共有すべき精神や考え方は必ずあるはずです。こうすれば上手くいく、これをやらないとまず上手くいかない。そういうものは体系化できるはずなんです。無理しなくてもビジネスが上手くいくような好循環が回る業務フローを組み立て、浸透させることは難しくても、無理なことではないと思います。

本質的に重要なことはどんな事業にもいつの時代にも必ずあります。どれだけAIが進化しても、それは変わらないと僕は思っています。すべては一般化できないかもしれない。だけど、中枢のコアの部分は汎用化できるはずだと信じています。

カスタマイズした機能を提供することはできません。同じシステムをいろんな生産者に使ってもらいます。そうすることでシステム開発の本来の投資コストよりも格段に低いコストでシステムが導入できるようにします。それが日本の養殖業の課題を解くために一番適した解なんじゃないかと考えているからそうするんです。

売上を上げることに目がいきがちなのはわかります。でもコストは限られています。おいしい魚を利益が残る形で安定的に生産できるようになる。すべての出発点はそこにあります。薄っぺらいブランディングを考える前にもっとやるべきことがあると思います。生産者の生産管理の領域はずっと放置されてきました。

でも、もうそろそろ変わってもいいと思います。

魚と本気で向き合う人たちの力になりたいです。サービスが彼らに届き、愛される日がくるまで絶対にやめません。魂込めてます。養殖を本気でやりたい人にはこれ以上ない最高のサービスだと自負しています。これからも進化させていきます。無料でお試しいただけるのでぜひ!

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現時点ではまだサービスは正式リリースしていません。クローズドでβ版(といいつつほぼほぼα版になりそう)をこれから数社の生産者さんに使っていただく予定です。リリースはおそらく8月頃かなと思います。

正式リリースまでの期間限定でモニター会員になっていただける生産者の方を募集しています!リリース前にご予約いただいた方は生産管理が圧倒的に変わるという期待と新鮮な感動・発見、日本の養殖業の未来への高揚感を世界の誰よりも速く無料で体験できます!笑 無料なので、契約はしなくても構わないです!損はさせません。

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生産管理を極めることでこんなに儲かった
生産管理を定期的に見直すことで新しい発見が得られた

サービスに期待していただいた方と本気で養殖業と向かい合って、成功事例を一緒に作りたいと思っています。僕たちと一緒にやりたいと熱量高く思ってくださる方の力が必要です。業界の最先端を思い切り走ってください!縁の下で一緒に悩み一緒に考えます。

もし少しでも興味をもっていただける方は是非、資料請求でも無料トライアル(正式リリース後からですが)でも構いませんので、お気軽にお問合せください!Twitterもやってますので、DMいただくとかでも大丈夫です^^


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