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育つぶ~『登山は、息子くんにたくさん教えてくれる』

すっかり逞しくなったものだ。

先をどんどん進んでいく息子くんの後ろ姿を見て思う。
妻も同じことを思っていたようだ。


今回で3度目の筑波山。
ちょっと早い夏の陽気に恵まれて、最高の登山日和。

妻とパパは、新調した登山用シューズ。
息子くんは東京メトロと書かれた軍手。
みんなワクワクしながら今日を待っていた。


いつでも先頭を行かないと気が済まない息子くんは、
登山道をどんどん進んでいく。
丸太の階段は登りやすいんだろうな。

最初からそんなに飛ばしたら疲れちゃうぞ。


登山はペースが速過ぎても、遅すぎても疲れてしまうそうです。
そんなアドバイスも、どこまで聞こえているのか分からないけど。


今日は天気が良かったので、たくさんの人が筑波山に訪れていた。
下山してくる人とすれ違う。

「こんにちは~」

ばあちゃんの挨拶につられるように挨拶する息子くん。
ちゃんと大きな声で言えたね。

登山が気持ちいいのは、この挨拶のおかげかもしれない。

勤めている会社は、社員間で元気に挨拶をし合っているとは、お世辞にも言えない。
息子くんは普段保育園で先生たちに挨拶してるだろうが、
見知らぬ人と大きな声でする挨拶の気持ち良さを、肌で感じてくれてただろうか。


そろそろへばってきたのか、

「(頂上は)まだぁ?」

と言い始めた。
じゃ、ちょっと休憩でもしようかと、ベンチに座る。

汗もかいてるからのども乾くよね。
美味しそうに飲んでたなぁ。

喉を潤したら、次はおかし。
これが、まだこれから山を登るモチベーションになってるんだろうな。
ばあちゃん、妻、パパみんなにも分けてくれました。
本当は全部ひとりで食べたかったんだろうけど、ありがとう。


出発して約2時間後、とうとう頂上に到着。
空が見えたら最後は大はりきり。
走るように登っていった息子くん。

登頂の記念撮影の後は、待ちに待ってたお弁当タイム。
息子くんは、おにぎりを3つも食べました。


ばあちゃんと、パパは歩いて山を下りますが、妻と息子くんはケーブルカーで下山。
まぁ、よく頑張って頂上まで登ったからね。

パパも山下りはそれほど経験がなかったから、
山下りでいろんな発見があった。

とにかく山下りは山登りとまったく違う。
使う筋肉も、意識の置きどころも、すべて違う。
下に行けば行くほど気温も高くなるから、汗かきっぱなし。


麓でソフトクリームを美味しそうに食べて待ってた息子くん。
あんなにお弁当食べたのに、まだ食べてるのかー。
これはもう別腹とかいう次元じゃないぞ。

帰宅して、お風呂で汗を流しながら、
今日は何が一番楽しかった?と尋ねると

「ケーブルカー」

あぁ、やっぱり電車好きはそこにいくかぁ~。

その後で、付け加えてた。

「お弁当~」

はいはい。ちゃんとばあちゃんに伝えておくよ。


でも、山登りは息子くんにいろいろと教えてくれる。
そして、息子くんはそれをちゃんと感じとってくれているはずだ。

これからも山登りに行ってくれるといいな。




ある父親とひとり息子の毎日を描いています。 息子の行動や発言に気づきを覚えたことをテーマに、 父親として子育てに取り組む姿を見ていただければ嬉しいです。