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景気後退に合わせた米国株


2023年11月5日現在、着実に
米国の景気後退は近づいています。

利下げが始まれば、
株価の急落は避けられません。

株価の下落が起きない可能性もありますが
株式投資で予想をする場合、
一般論でなくてはなりません。

マーケットを出し抜くことは
不可能だからです。

99%の予想は外れて
突如、起きるからこそ
株価は急落するのです。

株価の急落が予想されているのであれば、
投資家が事前に株を手仕舞い
暴落は起きません。

なぜ予想が難しいかというと
マーケットは過去の傾向を
織り込み
進化しながら
株価を形成しているからです。

株価の先行性は、
私たちが思っている以上に凄いものです。

株の値動きは経済指標や
1人1人の経済活動の影響を受けますが
株価自体が
私たちの生活や経済指標にも
影響を与えるため
未来を予測して動く株価が
例え、本来間違った動きをしても
その値動きが世の中の在り方を変化させてしまいます。

本来、あるべき未来を歪めてしまうほど
力があるのがマーケットです。

市場の動きを予測する場合
それは一般論ではなくてはならないのは、

あまり多くの予想が可能であり
無限に多数の予測が出来てしまう為
狙いを絞ることが不可能になります。

マーケットの先行きを予測する場合
一般論という限定的な考えと
分散投資が鍵になります。

一般論とは過去の傾向であり
それに備えて分散投資することが
正しい投資法と言えます。

分散投資をすることで
仮に予想が外れても
そこまで大きな損害を受けないからです。


マクドナルド【MCD】

これから米国は
スタグフレーションに陥る
可能性が高いことから
投資妙味がなくなると言われています。

そこで注目されるのが
新興国株鉱業株ですが
どちらも安定的とは言いがたい
投資対象です。

景気後退期に強い米国株に
分散投資をする必要があります。

ドル安、利下げ、景気後退で
注目されるのが
ディフェンシブセクターと言われる
バリュー株です。

その中でも人気化しやすいのが
海外売上構成比が大きい
大型株です。

2000年代のドットコムバブル期では
IT株に資金が集中流入した為
MCD(マクドナルド)は
1999年11月12日高値49.56ドル(天井)
かなり早くピークアウトしています。

1999年3月5日終値47.16ドル(ピーク)
1999年4月8日終値46.88ドル(ピーク)

天井をつける約半年前の
3月、4月にほぼ天井を打つていたと言えます。

天井をつけるまでの半年間はレンジ相場でした。

S&P500株価指数
2000年3月24日高値1527.30ドル(天井)

MCDS&P500よりも約5カ月早く
天井をつけています。

S&P500株価指数
下落トレンド入りしたのが
2000年9月5日150710ドル(下落開始)

MCDが下落トレンド入りしたのは
1999年12月7日44.69ドル(下落開始)

MCDのほうがS&P500よりも
約10ヵ月先に下落を開始しています。

ここからが注目ですが
大底をつけるタイミング”と
その後の“株価の伸び”です。

MCDの大底は
2003年3月12日12.38ドル(大底)

天井からの下落率:300.3%
天井からの下落幅:37.18ドル

S&P500株価指数の大底は
2002年10月10日安値776.80ドル(大底)

天井からの下落率:96.61%
天井からの下落幅:750.5ドル

景気後退に強いと言われる
ディフェンシブ銘柄の方が
下落幅が大きい
ということがわかります。

為替を見てみると
2000年1月4日1ドル101.46円(上昇開始)
2002年1月31日高値1ドル135.18円(天井)
2002年4月3日1ドル132.79円(下落開始)
2003年3月12日1ドル117.30円(MCD大底)
2005年1月17日1ドル102.07円(大底)

MCDが買われはじめたのは
天井の1ドル135円~大底102円の間でした。

小麦先物価格を見ます
1996年3月20日高値750ドル(瞬間的な高値)
1998年10月26日299.75ドル(年後半ピーク)
1999年3月29日294.25ドル(年内最高値)
2000年5月23日281.25ドル(年内最高値)
2001年10月30日295.50ドル(年内最高値)
2002年9月11日416ドル(年内最高値)
2002年10月10日365.75ドル(S&P500大底)
2003年3月12日306.50ドル(MCD大底)
2003年5月1日275.50ドル(年内最安値)

2002年は欧州で干ばつが発生して
小麦価格が高騰していました。

1998年~2001年の小麦のピーク価格が
280~290ドル代で推移していたことを
考慮すると

2002年の最高値416ドルは1.5倍近く
なっています。

薄利多売のファーストフードにとって
いくら売上が良くても
原価高による決算の落ち込みは
避けられません。

投資家は小麦価格上昇を嫌気して
底打ちが遅れたのです。

かなり売り込まれたMCDでしたが
2008年8月11日65.95ドル(ピーク)
2009年3月5日50.86ドル(底打ち)
2010年3月16日66.07(高値更新)
2012年1月20日101.74ドル(ピーク)

MCDの大底は
2003年3月12日12.38ドル(大底)

2008年天井までの上昇率:432.71%
2008年天井までの上昇幅:53.57ドル

S&P500株価指数と比較します。
S&P500株価指数
2007年10月9日1565.15ドル(天井)
2009年3月9日676.53ドル(大底)
2013年4月9日1568.61ドル(高値更新)
2015年5月21日2130.82ドル(ピーク)

S&P500株価指数の大底は
2002年10月10日安値776.80ドル(大底)

2007年天井までの上昇率:101.48%
2007年天井までの上昇幅:788.35ドル

MCD5倍近い上昇を見せましたが
S&P5002倍程度と大きな差が出ました。

MCDは2008年から始まった下落局面で
底打ち:2009年3月5日50.86ドル
ピークから下落率:29.66%

に対して

S&P500株価指数
底打ち:2009年3月9日676.53ドル
ピークから下落率:131.34%

S&P500は半値以下になっているのに対して
MCDは1/3程度しか下げていません。

2000年代初頭はハイテク株に
注目が集まりましたが
その終焉共に新興国に
投資資金が流入してドル安となり
ディフェンシブセクターである
MCDが大きく買われたと言えます。


P&G【PG】

プロクター&ギャンブル社は
一般消費財メーカーの巨人です。

2023年6月30日の決算データでは
アメリカ国内売上:47.20%
海外売上:52.80%

海外売上が50%程度ありますので
米国がドル安となり
不景気になっても
海外通貨高となる為
決算が悪くなりにくい傾向にあります。

PG(プロクター&ギャンブル)の
2000年代の株価を見てみると
1998年9月17日32.38ドル(上昇開始)
1999年4月13日51.04ドル(ピーク)
1999年6月14日41.83ドル(底打ち)
1999年7月29日42.73ドル(上昇開始)
2000年1月11日58.42ドル(天井)
2000年3月10日26.67ドル(大底)
2001年4月25日28.18ドル(上昇開始)
2007年12月12日74.67ドル(天井)
2008年9月12日73.15ドル(ピーク)
2009年3月9日44.18ドル(大底)
2010年5月6日安値39.37ドル(短期的な暴落)
2014年12月26日93.46ドル(天井)

S&P500とMCDと比較してみると
大底をつけるタイミングが
PGはとても早いことがわかります。

PG2000年3月10日
S&P500株価
2002年10月10日
MCD
(マクドナルド):2003年3月12日

PGが本格的に上昇し始めたのが
2001年4月25日28.18ドル(上昇開始)
大底を打ってから
1年のレンジ相場を経てからの
上昇開始ですが、

これを考慮しても
景気後退に強い銘柄と言えます。


キャタピラー【CAT】

重機メーカー世界最大手である
キャタピラーは景気後退期に
強い銘柄です。

全体売り上げの41%が米国国内
59%海外です。(2022/12/31データ)

2000年代のCATの株価を見てみると
1999年4月29日32.75ドル(天井)

MCD(マクドナルド)と比較すると
1999年11月12日高値49.56ドル(天井)

約半年程度早いです。

S&P500株価指数の天井
2000年3月24日高値1527.30ドル(天井)

と比較すると
11カ月、約1年早く天井をつけています。

CATが大底をつけたタイミングは
2000年10月18日14.91ドル(大底)

とても早い時期に大底つけて
上昇に転じています。

PGの大底
2000年3月10日26.67ドル(大底)

よりかは遅いです。

PG(P&G)の景気後退前、景気後退期の
底堅さが良くわかります。

2001年2月から景気後退入り
しているのに対して
CATの大底は
2000年10月18日14.91ドル(大底)

2007年12月からの景気後退期では
CAT
2009年3月2日22.17ドル(大底)
で大底をつけています。

PG2009年3月9日44.18ドル(大底)
MCD2009年3月5日50.86ドル(底打ち)

2009年景気後退期の
底打ちタイミングは
各銘柄に差があまりないです。

バリュー株全体に言えることですが
NASDAQをはじめとするグロース株
本格的に上昇しはじめると
低迷、レンジ相場になる傾向があります。

2000年のドットコムバブル期では
NASDAQ
1999年10月20日2788.13ドル(上昇開始)
2000年3月10日5048.62ドル(天井)

上昇幅:2260.49ドル
上昇率:81.07%

に対して

CAT
1999年4月29日32.75ドル(天井)
1999年8月27日30.81ドル(下落開始)
1999年12月22日22.03ドル(底打ち)
2000年1月7日26.66ドル(ピーク)
2000年3月7日16.91ドル(底打ち)
2000年4月12日21.72ドル(ピーク)
2000年10月18日14.91ドル(大底)

CAT
1999年8月27日30.81ドル(下落開始)
から下落を開始して
1999年12月22日22.03ドル(底打ち)
まで下降していたにも関わらず

NASDAQ
1999年10月20日2788.13ドル(上昇開始)
から上昇を開始して
2000年3月10日5048.62ドル(天井)
まで上昇を継続しました。

CAT
2000年3月7日16.91ドル(底打ち)
に2回目の底打ちをしていたので
天井を迎えていたNASDAQ
2000年3月10日5048.62ドル(天井)
とは対照的です。

市場はグロース株が上がり始めると
インカムゲイン(配当益)よりも
キャピタルゲイン(株の値上がり益)
のほうがリターンが大きいことを
しっているので
グロース株、デフェンシブセクターは
上値が重くなり、売られるのです。

逆にNASDAQ
ドットコムバブル崩壊で
大きなダメージを受けて
低迷した時期

2001年4月4日1638.80ドル(底打ち)
2001年5月22日2313.85ドル(ピーク)
2001年9月21日1423.19ドル(底打ち)
2002年1月8日2055.74ドル(ピーク)
2002年10月9日1114.11ドル(大底)
2004年1月26日2153.83ドル(ピーク)
2004年12月30日2178.34ドル(ピーク)
2005年8月2日2218.15ドル(ピーク)
2006年4月19日2370.88ドル(ピーク)

底打ちして1回目のピーク
2001年5月22日2313.85ドル(ピーク)
これを更新できたピークは
2006年4月19日2370.88ドル(ピーク)
です。

約5年間NASDAQは低迷しました。

それに対して

CAT
1999年4月29日32.75ドル(天井)
2000年10月18日14.91ドル(大底)
2001年5月22日28.10ドル(ピーク)
2001年9月20日20.85ドル(底打ち)
2002年3月15日29.89ドル(ピーク)
2002年10月9日16.93ドル(底打ち)
2004年1月26日42.51ドル(ピーク)
2004年8月5日34.81ドル(底打ち)
2004年12月28日49.23ドル(ピーク)

1999年4月29日32.75ドル(天井)
につけた天井の株価を
2004年1月26日42.51ドル(ピーク)
で更新しています。

NASDAQ
2000年3月10日5048.62ドル(天井)
の株価を更新したのは
2015年7月17日5210.14ドル(ピーク)

CAT約5年で高値を更新したのに対して
NASDAQ約15年かかっています。

いかに2000年のドットコムバブルが
異常だったかが良くわかります。

2011年まで順調に伸長していたCAT
2011年4月29日115.41ドル(ピーク)
2012年2月23日116.20ドル(ピーク)
2014年7月16日111.40ドル(ピーク)
2018年1月22日170.89ドル(ピーク)

1番目、2番目、3番目のピークで
111~116ドル代で
上値が抑えられているのがわかります。

NASDAQを見てみると
2011年4月29日2873.54ドル(ピーク)
2012年3月26日3122.57ドル(ピーク)
2012年9月14日3183.95ドル(ピーク)
2014年3月5日4357.97ドル(ピーク)
2014年12月29日4806.91ドル(ピーク)
2015年7月17日5210.14ドル(ピーク)
2016年9月22日5339.52ドル(ピーク)
2017年12月18日6994.76ドル(ピーク)
2018年8月29日8109.69ドル(ピーク)

低迷したCATに対して
今度はNASDAQが伸長しています。

このように市場にはサイクルがあります。

どこかのセクターが縮小すれば
他のセクターが拡大します。

長期でパフォーマンスを比較した場合
CATは約18年間で
2000年10月18日14.91ドル(大底)
2018年1月22日170.89ドル(ピーク)

CATの上昇幅:155.98ドル
CATの上昇率:1046.14%

NASDAQは16年間で
2002年10月9日1114.11ドル(大底)
2018年8月29日8109.69ドル(ピーク)

NASDAQの上昇幅:6995.58ドル
NASDAQの上昇率:627.89%

長期で見た場合
CATのパフォーマンスの方が
優れています。

ハイテクセクターに
追い風が起きれば
バリュー株セクターから
資金が流出しますので
ハイテクセクター全くダメとは思いません。

分散投資が基本ということが
よくわかります。


コカ・コーラ【KO】

The Coca Cola Companyは
コカ・コーラで有名な清涼飲料水の大手であり
増配を続けるバリュー株の筆頭です。

全体売り上げの36.5%が米国国内
63.5%海外です。(2022/12/31データ)

2000年代のKOの株価を見てみると
1998年7月14日43.97ドル(天井)

他と比較すると、
かなり早く天井をつけています。

NASDAQ2000年3月10日5048.62ドル(天井)
CAT1999年4月29日32.75ドル(天井)
PG2000年1月11日58.42ドル(天井)
MCD1999年11月12日高値49.56ドル(天井)
S&P500株価指数2000年3月24日高値1527.30ドル(天井)

海外売上構成比が大きい分
ドル安に強いイメージを
持ってしまいますが
必ずしもそうではないです。

1995年~1998年のドル円相場を見てみると
1995年4月18日1ドル80.65円
1998年8月11日1ドル147.26円

この期間は急激にドル高円安に振れています。

KOの株価を見てみると
1995年4月18日14.59ドル(上昇途中)
1998年7月14日43.97ドル(天井)

比較してわかる通り
概ね為替相場と連動しています。

為替相場
2007年6月22日1ドル123.87円
2011年10月28日1ドル75.82円

この期間はドル安円高に振れています。

KOの株価を見てみると
2008年1月10日32.78ドル(天井)
2009年3月5日18.93ドル(大底)
2009年12月11日29.55ドル(ピーク)
2010年12月31日32.88ドル(ピーク)
2011年9月8日35.59ドル(ピーク)

1995~1998年と違い、
2007~2011年の期間では
為替と株価の連動は見られません。

KOの大底以降を見てみると
2003年3月10日18.54ドル(大底)
2004年4月19日26.50ドル(ピーク)
2004年10月25日19.32ドル(底打ち)
2005年5月19日22.62ドル(ピーク)
2006年1月20日20.05ドル(底打ち)
2008年1月10日32.78ドル(天井)

KO
1998年7月14日43.97ドル(天井)
につけた天井を
2008年1月10日32.78ドル(天井)
の10年後のピークで高値更新できていません。

この点で他のデフェンシブ銘柄と
異質なことがわかります。

1995年~1998年までは
空前のコーラ株バブル
KOのマーケットシェアが急拡大し
大きく買われたと言えます。

その後の低迷は
KOが大きく買われすぎた為
レンジ相場となり
下落の要因は
徐々に顧客の思考が
健康志向”にシフトしていった為
長く低迷し、
マーケットの変化に対応するのに
時間がかかった為です。

2000年代に入り特徴的なのが
ボトル入りミネラルウォーター
の台頭です。

顧客の需要変化が
KOの成長を妨げたといえます。


ファイザー【PFE】

コロナ過で大きく成長したのが
医薬品会社世界シェア1位を誇る
ファイザー(PFE)です。

現在はコロナの終息から
大きく売られて下落しています。

これは2000年代にも見られました。

PFEが天井をつけたのは
1999年4月12日47.44ドル(天井)
この後はレンジ相場で
2009年3月2日11.05ドル(大底)
かなり長く下落し続けました。

天井をつけたタイミングを比較すると
KO1998年7月14日43.97ドル(天井)
NASDAQ2000年3月10日5048.62ドル(天井)
CAT1999年4月29日32.75ドル(天井)
PG2000年1月11日58.42ドル(天井)
MCD1999年11月12日高値49.56ドル(天井)
S&P500株価指数2000年3月24日高値1527.30ドル(天井)

CATと同時期につけています。

大底をつけたタイミングは
他と比較にならないほど遠く
2000年代は長く低迷しました。

同じヘルスケア系である
ジョンソン&ジョンソン(JNJ)も
この時期にレンジ相場となり
顕著な成長が見られなかった点から
医薬品株全体が低成長に陥ったと言えます。

医薬品小型株は大きく成長しました。

当時は1株2ドル程度だった
デンマークの製薬会社
ノボ・ノルディスク(NVO)
を見てみると

2000年9月26日2.25ドル(ピーク)
2001年8月6日2.31ドル(天井)
2002年8月5日1.12ドル(大底)
2005年4月21日2.99ドル(ピーク)
2008年4月8日7.30ドル(天井)
2009年4月15日4.20ドル(大底)
2015年8月3日30.11ドル(ピーク)

PFE
2009年3月2日11.05ドル(大底)
2016年7月29日34.97ドル(ピーク)

と比較しても
NVO
2002年8月5日1.12ドル(大底)
から
2015年8月3日30.11ドル(ピーク)
まで
13年間で約30倍になっているのに対して

PFEは2009年から巻き返したものの
2009年3月2日11.05ドル(大底)
2016年7月29日34.97ドル(ピーク)

7年間で3倍程度のパフォーマンスになっています。

医薬品小型株全てが成長したわけではなく
低成長に終わった銘柄も少なくありません。

小型株はギャンブル性が強いと言えます。

小型株は当たれば大きく成長する
チャンスがある半面、
配当性は優れません。

大型株は低成長に陥る反面
判定して高配当出し続けます。

ここでも分散投資の重要性が
よくわかります。

医薬品は突然のパンデミックや
インフルエンザの大流行
新薬開発の成功で
株価が急騰するチャンスがあるため
低迷しても持ち続けるスタンスが必要です。

これを考慮した場合、
いつ起きるかわからないチャンスを
待つことを前提とするわけなので
高配当の大型株のほうが
投資妙味があるといえます。

医薬小型株
パッセージ・バイオ(PASG):0.60ドル(急落中)【CNS障害治療】
プロジニー(PGNY):30.18ドル(急落中)【不妊治療】
アラコス(ALLK):1.79ドル(急落中)【肥満症治療】


アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド【ADM】

穀物メジャーである
アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド(ADM)
は穀物価格に連動することで有名で
先物と違い配当も得られるため
長く保有し高騰した時に売り抜けることができます。

穀物価格はボラティリティが大きいため
豊作では急落し
不作では高騰する為
豊作で安くなった時に買い集めるのが基本です。

MCD(マクドナルド)は小麦価格に影響を受けるため
マクドナルドを小麦価格高騰に伴う
株価の下落時に買い集め

ADMを穀物価格下落時に買い集める
この時にMCDの一部を売り
ADMに資金を移すことで
投資資金の安定を図る事ができます。

逆に小麦の不作により
ADMが高騰した場合
MCDに資金を移すことでも
資金の安定をはかれます。

2000年初頭のADMの株価を見てみると
1997年9月25日19.85ドル(天井)
2000年9月25日7.92ドル(大底)


天井をつけたタイミングを比較すると
PFE1999年4月12日47.44ドル(天井)
KO1998年7月14日43.97ドル(天井)
NASDAQ2000年3月10日5048.62ドル(天井)
CAT1999年4月29日32.75ドル(天井)
PG2000年1月11日58.42ドル(天井)
MCD1999年11月12日高値49.56ドル(天井)
S&P500株価指数2000年3月24日高値1527.30ドル(天井)

穀物先物に影響されるため
株式相場が過熱する前に
天井をつけて早々に下落しているのが
わかります。

大底をつけたタイミングを比較すると
MCD2003年3月12日12.38ドル(大底)
S&P5002002年10月10日安値776.80ドル(大底)
CAT2000年10月18日14.91ドル(大底)
PG2000年3月10日26.67ドル(大底)
KO2003年3月10日18.54ドル(大底)
PFE2009年3月2日11.05ドル(大底)

ここでもPGが最も早く底打ちして
ディフェンシブ銘柄の中でも
優等生であることがわかります。

PGは大底を打っても
その後はしばらくレンジ相場と
なったため、

投資妙味はADMにあったと言えます。

大底を打った後のADMを見てみると
2000年9月25日7.92ドル(大底)
2001年2月8日15.20ドル(ピーク)
2001年12月4日15.60ドル(ピーク)
2002年11月8日14.28ドル(ピーク)
2004年2月18日17.59ドル(ピーク)
2005年3月4日25.32ドル(ピーク)
2006年5月11日45.25ドル(ピーク)
2008年4月21日48.18ドル(天井)

これをMCD(マクドナルド)と比較します。
2003年3月12日12.38ドル(大底)
2004年3月5日29.85ドル(ピーク)
2005年12月14日35.50ドル(ピーク)
2006年2月8日36.36ドル(ピーク)
2007年12月11日63.13ドル(ピーク)
2008年8月11日65.95ドル(天井)

ADMが1番目、2番目、3番目と
15ドル付近で上値を抑えられている最中も
MCDは大底に向けて下落していました。

ADMが4番目のピークで
15ドルのレジスタンスを突破する頃には
MCDも大底から反発して
1番目のピークをつけています。

ADMは穀物価格に影響を受けるものの
完全に連動する訳ではないです。

小麦先物価格
1996年3月20日高値750ドル(瞬間的な高値)
1998年10月26日299.75ドル(年後半ピーク)
1999年3月29日294.25ドル(年内最高値)
2000年5月23日281.25ドル(年内最高値)
2001年10月30日295.50ドル(年内最高値)
2002年9月11日416ドル(年内最高値)
2002年10月10日365.75ドル(S&P500大底)
2003年3月12日306.50ドル(MCD大底)
2003年5月1日275.50ドル(年内最安値)

小麦価格は干ばつの影響を受けて
高騰したのですが
小麦先物:2002年9月11日416ドル

ADM
2002年11月8日14.28ドル(ピーク)
そこまで上昇していません。

先のウクライナ侵攻時の
小麦価格の高騰を受けて
ADMは上昇しています。

小麦先物価格
2022年2月17日798ドル(上昇開始)
2022年3月7日1425.25ドル(天井)
2022年4月1日984.50ドル(底打ち)
2022年5月17日1277.50ドル(ピーク)
2022年8月18日731.50ドル(底打ち)

ADM
2022年1月25日68.37ドル(上昇開始)
2022年4月20日98.22ドル(天井)
2022年7月14日71.70ドル(底打ち)
2022年11月22日97.67ドル(ピーク)
2023年6月1日70.55ドル(底打ち)

ADMは小麦価格が急上昇し始める
1ヵ月前から上昇しはじめて
小麦価格が天井を打った
1ヵ月後にピークをつけています。

小麦先物価格
2012年7月20日943.88ドル(天井)
2016年8月31日361ドル(大底)

4年かけて高騰していた
小麦価格が下落している
最中でも

ADM
2012年11月15日24.48ドル(底打ち)
2014年12月3日53.71ドル(天井)
2015年5月27日53.17ドル(ピーク)
2016年1月19日30.51ドル(底打ち)

小麦価格が下落している最中でも
上昇した理由は
ADMのポートフォリオが
多様であることです。

ADMの強みは大豆綿花トウモロコシとされ
小麦以外にも多種多様な農作物を扱うことで
株価の安定が図られています。

小麦価格が上昇しても
ADMは上昇しないリスクがありますが
今までの傾向からみると
小麦価格の上昇に反応して
株価も上昇しています。

2002年の干ばつ時の
小麦価格の高騰には
そこまで反応していないことも
確かです。

新興国台頭のヘッジとして
ADMは役割を担っています。

新興国経済が成長すると
今まで農作物の輸出で
利益をあげていましたが
経済が成長すると
製造業が盛んになるため
農家が減ります。

農作物の輸出量が減る為
穀物市場全体が値上がるのです。

ADMは世界人口が増加し
新興国の伸びしろがある限り
株価が上がり続けるのです。


まとめ

ディフェンシブ銘柄と言っても
全てのバリュー株が景気低迷期に
強い訳ではないです。

MCD(マクドナルド)やKO(コーラ)
は顧客の健康志向と原料価格に
左右されるため、マーケットの変化に
順応するために一定の低迷期間があります。

底打ちが早く、下落幅も小さいPG
底堅さはあるものの上昇するまでの
レンジ相場が長い傾向にあります。
その間も配当を出し続けるため
資金の逃がし場所としては最適です。

CATはハイテク株がブームになると
弱くなる傾向がありますが
NASDAQが弱い場面になると
とても高いパフォーマンス見せるため
高値で買ってしまっても
長期で持ち続ければ
株価はおのずと上昇します。

ヘルスケアの巨人であるPFE
売られはじめると大きく下がる傾向があります。
株価が低迷しても配当を出し続けるので
キャピタルゲインを狙う銘柄ではなく
インカムゲインを狙う銘柄です。
底を当てるのが難しい銘柄であり
安値で買ったつもりが
さらに下がり続けるという
シチュエーションになりやすいです。

景気後退期で株価が急落した際は
ADMが最も有望である可能性が高いです。

天井をつけたタイミング比較
ADM1997年9月25日19.85ドル(天井)
PFE1999年4月12日47.44ドル(天井)
KO1998年7月14日43.97ドル(天井)
NASDAQ2000年3月10日5048.62ドル(天井)
CAT1999年4月29日32.75ドル(天井)
PG2000年1月11日58.42ドル(天井)
MCD1999年11月12日高値49.56ドル(天井)
S&P500株価指数2000年3月24日高値1527.30ドル(天井)

大底のタイミング比較
ADM2000年9月25日7.92ドル(大底)
MCD2003年3月12日12.38ドル(大底)
S&P5002002年10月10日安値776.80ドル(大底)
CAT2000年10月18日14.91ドル(大底)
PG2000年3月10日26.67ドル(大底)
KO2003年3月10日18.54ドル(大底)
PFE2009年3月2日11.05ドル(大底)
NASDAQ2002年10月9日1114.11ドル(大底)


読んで頂きありがとうござました。


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