動物愛護活動をされている方へ。ゲームフィッシングという動物虐待行為の残酷性。

[2023.10.18 修正]

(1)はじめに

動物愛護活動をされている皆様へ。
日頃から動物たちの命を守っていただき有難うございます。

本稿は、私が大変問題視している動物虐待(虐殺)行為である“ゲームフィッシング”の実態ついてのご紹介をし、動物を愛する多くの方々に問題意識を持っていただきたいという趣旨で記しました。

私は、人が普通の生活を送るだけでも他の動物に多くの迷惑をかけているのだから、少しでも動物達の保護に貢献ができないかと考えており、全ての動物虐待行為を食い止めたい思っております。

そして、看過してはならない動物虐待行為として、をはじめとして鳥類、更にはなどの様々な生き物に対して被害をもたらし、環境汚染を引き起こしている“ゲームフィッシング”という魚釣りに注目をしています。

(2)残虐行為であるゲームフィッシングとは
ご存知の方もいるかと思われますが、魚釣りは①キャッチ&イート(釣り上げて食べる)、②キャッチ&リリース(釣り上げた魚を海や川、陸等に捨てる)に大別され、いずれも娯楽として魚に対する虐殺をする行為として非難されるべきものであると思っておりますが、特に、②のキャッチ&リリース(釣り上げた魚を海や川、陸等に捨てる)については、純然たる娯楽目的で魚を虐殺する行為である点で、全く正当化することができない、極めて悪質性が高い動物虐待(虐殺)行為であると考えております。なお、食料を確保する等の理由はなく、純然たる「娯楽(ゲーム)」として行われることが、"ゲームフィッシング"と呼ばれる所以です。

ゲームフィッシングにより衰弱した魚と、それを誇らしげに掲げる釣り人

ゲームフィッシングのプロセスを分析すると、
①針で魚の顔面等の体表に穴をあけ、
②水の中で必死に逃げる魚を引きずり回して衰弱させ、
③呼吸のできない陸地に引っ張り上げ、
④熱いアスファルトのうえで大やけどをさせながら、
⑤写真を撮ったり魚の大きさを測ったりして長期間呼吸ができない状態にした後、
⑥重傷を負って衰弱した魚を川や海、陸などに捨てる、
というものです。

ゲームフィッシングの被害を受けた魚の生存率は低くて3割程度、高くて6割程度と言われ、また、受傷率は100%です(針で顔面に穴をあけて衰弱させて火傷をさせるので)。

キャッチ&リリースを繰り返された魚です。顔が変形しています。

(3)ゲームフィッシングで“エサ”として命を消費される甲殻類や虫たち
これだけでも残酷ですが、魚を釣るためには餌として生きている虫(イソメ、ゴカイ)やカニ、エビなどが使われることが多く(マルキュー等の釣り餌製造業者が作り、上州屋等の釣具販売店で売っています)、それらの命も犠牲になります。なお、イソメ、ゴカイは、体長が長いので、4つや5つに切り刻まれて針に括り付けられます。また、釣りに使わなかった虫やカニやエビの多くは、釣り人により捨てられるなどして処分されます。
また、虫などだけでなく、小さな魚も“エサ”として遊び道具にされることがあります。

釣り針を括り付けられ“エサ”にされた小アジ

(4)ゲームフィッシングを支える巨大な動物虐待ビジネス
キャッチ&リリースを行う"ゲームフィッシング"は、ダイワ、シマノ等の釣り具メーカーや上州屋等の釣具販売店等といった、巨大な動物虐待ビジネス業者が下支えをしており、様々な手口でゲームフィッシングを勧奨しております。また、例えば、ダイワに所属する大野ゆうきという釣りプロのたった1人でさえ、年間1トンの魚を娯楽目的で虐待(虐殺)していることを誇示している等、業者自体のみならずその取り巻きも多くの魚の命を一時の娯楽目的で奪っており、生命軽視の姿勢を明白にしています。

釣り人に捨てられたフグ達

(5)釣り人による釣具の放置と環境破壊
釣り人達が水辺に放置するルアー等の釣具についても大きな問題となっています。
猫や犬、野鳥が釣り糸に絡まったり、釣り針をのみ込んだりするケースが相次いで報告されるなど、キャッチ&リリースによる直接的な魚の被害に加え、他の動物達にも深刻な被害が出ているのです。

目にルアーが刺さってしまったカモメ
口に釣り針が刺さった猫
前足にルアーが刺さった猫
足にルアーが刺さったウミネコ

野鳥の保護活動などに取り組む日本鳥類保護連盟が、東京湾に面した葛西海浜公園で1日に回収した釣り糸は、長さ1261メートルにも及びました。
このような釣糸は、ナイロンやフロロカーボン等で作られ、耐久性が高いため、プラスチックごみの中でも自然界で分解されにくく、米海洋大気局(NOAA)は、自然界で分解されるまでに要する時間がレジ袋は1~20年なのに対し、釣り糸は600年と推定しています。

1日で回収された釣り糸

(6)ゲームフィッシングの主なフィールド
ゲームフィッシングの主なフィールドは、市街地沿いの運河、河川、ダム、池などの水辺です。例えば、東京でしたら、荒川、隅田川、旧江戸川や、東京湾の河口などが虐殺行為の主なフィールドになっています。

東京のゲームフィッシングの主なフィールド

市街地沿いの水辺がゲームフィッシングの主なフィールドになっている理由としては、東京などの都心部付近では、釣りの主なターゲットである、クロダイ(チヌ)やスズキ(シーバス)が多く生息しているのですが、地方の綺麗な海を泳ぐ魚と違い、どれも重油や生活排水の影響で強い臭いがあり、食べることが難しいためです。そこで、釣り人の虐待行為により遊ばれ尽くされた魚は、海や川に捨てられます。また、釣り人の主なターゲットとなる魚以外にもボラやハゼ、ウグイ等の他の多くの魚も釣りあげられますが、これらも匂いがきついか味が悪いか小骨が多い等の理由で、同様に捨てられます。
多くの魚たちが、釣り人達の一時の娯楽のために、日々虐殺の被害に遭っています。

(7)私たちにできること
ゲームフィッシングは、娯楽の目的で多くの魚たちを殺し、周辺環境を汚して猫や鳥などの他の様々な動物達にも怪我を負わせる、大変残虐な行為です。
私は、動物を愛する一人として、ゲームフィッシングを容認するわけにはいきませんし、これを容認することが、動物の命を軽視する社会風土の醸成に繋がり兼ねないと考えております。

そこで、私は、動物を愛する方々をはじめ、特にゲームフィッシングが横行する東京の地方議員の方々などに対して、ゲームフィッシングの残虐性をお知らせするとともに、ダイワ、シマノ、上州屋といった動物虐待ビジネスを行う企業への抗議文や抗議メールの発信、河川や運河を管理する自治体へのゲームフィッシング禁止の意見出しを行っています。

釣り人により堤防に捨てられたフグ達
足にルアーが刺さった鳩
釣糸で足を負傷したハクセキレイ
鼻に釣り針が刺さった猫
前足に釣り針が刺さった猫
口に釣り針が刺さった猫

(8)おわりに
以上の通り、娯楽目的で魚や虫を虐殺し、水辺に住む鳥や猫等の動物にも危害を与え、深刻な環境破壊をもたらすゲームフィッシングを容認してはならないと考えております。
是非とも、ゲームフィッシングの禁止活動にご興味を持っていただき、これからも動物を保護する活動にご協力いただけると幸いに思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?