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LINEをしない私たち

LINEでのやり取りは正直得意じゃない。

それは恋人とのLINEについても言えることで、私としては事務連絡以外は基本的にLINEでする必要はないと考えている。

と言うのも、昨年度までは私はその頃学生だった彼の下宿に週2というハイペースで泊まりに行っていたので、会っていない時間にわざわざ連絡を取る必要がなかった。世の中には毎日のようにLINEで連絡を取るカップルも少なくないというのは知っている。なんなら恐らく私の妹とその恋人はまさに一日中連絡を取り合うタイプのカップルだ。こういうタイプが主流なのかもしれない。しかし少なくとも私たちとしてはお互いに、週2お泊りデート生活の当時は「これだけ実際に会ってるんだからLINEはいいっしょ」という認識だった。気楽だ。連絡を取りたい頻度の価値観の一致は、恋人同士が上手くいく条件として地味にでかいのではないかと思う。

今年度から、大学院を卒業した恋人が私の2年遅れで就職し、諸々の生活環境の変化により週2お泊り生活は終焉を迎えた。とは言え幸いなことに、お互いに週末は会うのに十分な時間を確保できる環境を得て、週に1回デートする生活に落ち着いて半年が経つ。週末のデートの日時、場所については調整が必要なので、平日のどこかの夜、仕事終わりに電話で雑談がてら調整するというのが恒例になった。結果的には、週1で電話、週1でデートするというスタイル。やはり他愛もないLINEは基本的にしない方向で進んでいる。

これは私としてはとてもありがたい話である。最初に書いた通り私はLINEが苦手だ。返答に困るLINEが来て「そうなんだ」という返信しか思いつかないものの、本当にそう返せば「つまらんやつ!」と思われるだろうしもっと気の利いた返答はないかと考えるものの、結局何も思いつかず「そうなんだ」と返すた経験は数知れず。それから一人の時間が好きすぎて、誰かとLINEのやり取りが続いている時間を拘束時間と認識してしまい、苛立ちを覚えると共に自分の器の小ささに悲しみを覚える。また、相手から返信が来たときに、基本的にスマホ依存なので正直すぐ返信に気が付くのだが、それに対して即返信するのもなんだか暇人みたいに思われそうなので、あえて数分経ってから既読をつけ返信するというまどろっこしいことをしてしまうのもめんどくさいやら自分が小心者であることが身に染みて情けないやら。何はともあれできるだけ雑談目的のLINEは回避したいのだ。

そうは言っても、なんやかんやの成り行きで恋人と雑談LINEをする機会はたまにある。例により私は「へえ」「そうなんだ」「なるほどね」の会話続ける気ゼロ返信の三段活用を駆使してしまう。(心を許している恋人相手であるがために気を遣わないことにためらいがない点で厄介。)そしてだいたいちょっと面倒くさくなって切りのいいとこで既読スルーで終わらせるか、「じゃあお風呂入ってくるわ」で一方的に切り上げる。決して恋人のことを面倒に思っているのではない。恋人のことは大好きだし対面で話すのはめちゃくちゃ楽しいが、相手を問わずLINEへの拒否反応がすごいだけだ。

そういう適当LINEを送られても、恋人は多分、何も気にしていないのではないかと思う。というか多分、私が他人からのLINEの内容に異常なほど一喜一憂してしまいがちなだけで、私以外の心の広い人たちはそんなに返答を気にしていない。

とは言え、恋人とのLINEでちょっとそっけない返答をしてしまった時は、夜寝るまで心のどこかでそのことが引っかかっている。こういう時に本や他人のブログ、noteを読んだり、ドラマや映画を見たりすると、「みんな頑張ってるんだなあ」という温かい気持ちになる。そして恋人とのトーク画面をもう一度開いて「今日もお疲れ様。お休みなさい。」と送信してから眠りにつきたい気持ちになるのだ。つくづくエンタメというのは強い力を持っているものだと思う。

あと2ヶ月もすれば同棲生活が待っているので、恋人とLINEでやり取りをすることなどそれこそ「帰りに卵とトイレットペーパー買ってきて」ぐらいの感じになるのだろうか。何にせよ、私としてはなお喜ばしいことだ。これからは毎日顔を見て、LINEも電話もいらないくらいたくさんお喋りをしよう。

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