ドブベトンは運だけじゃない 〜鳳凰オフ優勝構築記事&ドブベトン考察、対策〜

まえがき

この記事では、鳳凰オフで優勝したドブベトン構築について紹介していきたいと思います。また、ドブベトンをある程度回した上でのドブベトンの本質的な面も考察していきたいと思います。
なお、この記事では全てオープンチームシート制について書いていきます。クローズド制ではまた違う事が言える可能性がありますのでお気をつけてください。
ドブべトンに対峙した時の勝ち方なども一応書きましたので、ドブべトンを使わない方も良ければ見ていってください。
以外常態


構築の概要


レンタルコード:3GG4XV
ドーブル+アローラベトベトンで、ドーブルのむらっけをアローラベトベトンでコピーする。
実績:第6回鳳凰オフ優勝、
SDで回した時は1000から始めて25勝2敗で瞬間50位くらいまで行きました(そっから3連敗してどうしようもなくなった・・・)

構築経緯


最初はどりゃねねさんの並びで確定枠3体のベトベトンドーブルカラミンゴ以外をテツノブジン合体寿司にしていた。

元画像:https://twitter.com/NeneVgc/status/1736320662040633748

しかし、ブジンがすぐ死んでベトベトンが十分に育ち切らないままカラミンゴが登場することが多く、カラミンゴがあまり活かせないことと、寿司の立ち回りの幅が狭い事が気になった。そこで、ブジン→クレセ、シャリタツ→ガエンに変えてみたところ、少し良くなった。しかし、水ウーラが受からないガエンを出すことが極端に少なく、クレセもベトベトンが小さくなるを積んでいる時の無力感が目立ったため、クレセの役割を引き継いだままよりサポート性能を上げたヤバソチャを採用。ガエンの枠はまだ可能性がありそうなスカーフキバに適当に入れ替えた。

個体紹介


ベトベトン


食べ残し
かがくのちから
H252 B124 D132+ 水テラ 
ちいさくなる/はたきおとす/まもる/みがわり
耐える攻撃
雫ウーラの水流
ハバカミの眼鏡フェアテラムンフォ

この構築の主役。こいつがどれだけ避けるかで試合が半分決まる。
持ち物は食べ残し。ヘドロにしたいがテラス考えると流石に立ち回りが狭まらない方がいい。
テラスタルは、水ウーラの存在が重くて水半減の水にした。草だとトルネが重い。ただ、ハバカミのフェアリーを半減出来ないのがとてもきつかった(少し不利な択になる)ので、ランドが環境から減ったらフェアリー半減テラもありなのかもしれない。
技構成については上記の4つでほぼ確定している。まもるについてはムラっけチャンスを作るために必須だ。身代わりは中間択として使えるだけでなく、威嚇、急所ケアなどもできる。ちいさくなるは言わずもがなで、叩き落とすについては相手の食べ残しを持った耐久ミラーに強くなり、火力もそげるから抜かす理由がない。
悪タイプが入ってるため、いたずら挑発アンコを無視出来るのが地味に活きた。思ったより柔らかいから過信は禁物。

ドーブル



ムラっけ
H252 S252+ 霊テラ 
↑多分猫やグラスラ喰らいやすいためB252の方がいい。レンタルでは直しておく。
きのこのほうし/このゆびとまれ/ねこだまし/つのドリル
耐える攻撃
なし
耐えない攻撃
ゴリラの猫+グラスラ(Bが上がらない時)

この構築のもう片方の主役。こいつがどれだけ動けるかが後々重要になってくる。
持ち物は襷。安心感が違う。
テラスタルは、草・霊・悪の選択だ。霊のメリットは猫や神速にリスクをつけれることで、草のメリットは胞子や猫+グラスラで飛ばそうとしてくるゴリラに強く出れて、水ウーラのテラス水流を耐えること、怒りの粉や胞子無効、悪のメリットはいたずら挑発を無視できることだ。鳳凰オフではガエンやエンテイが多いと予想し、僕は霊にした。環境によって変わっていく枠だと思う。
技構成は諸説あるが、個人的に胞子と一撃技は確定だと思う。胞子はあるだけで相手の動きを制限出来るから強く、一撃技は例えば滅びや吠える持ちのような明らかな不利構築に当たった際に活きる。残りは守る、この指、猫、ワイガ、挑発から選択だと思っている。守るだと行動の選択肢がかなり増えるが、個人的には展開が読みやすくなる猫とこの指が好みだ。
追記:書いてて気が付いたことだが、猫と択を増やせる守ると変えた方がいい。あと、猫はそこまで打つ機会がない。
意外とSがあり、実数値137なので素早さにあまり振ってないエンテイくらいなら抜ける。また、Sが上昇したらスカーフウーラなども抜ける。

カラミンゴ


白いハーブ
きょうえん
H92 A132 B4 D116 S164+ 鋼テラ
アクロバット/インファイト/ワイドガード/みきり
耐える攻撃
ムラっけ次第
カミの眼鏡シャドボ耐え
耐えない攻撃
ウーラの水流
Sは+1で準速スカーフランド抜き

詰めの駒。ベトベトンはやはりピーキーでAが下がったりするから、そこを補う。
持ち物はメンハ。アクロバットの火力2倍+ベトベトンで失った何かを取り戻すために。たまに発動しなくて萎える時があるけどその時はインファで能動的に発動できる。
テラスタルは鋼か水か草。ウーラを重く見るなら水か草だが、それ以外に対して明らかに鋼が強かった。相性ひっくり返せるので最高。
技構成はほぼこの4つで確定。火力を出すためにインファ・アクロバット。甘えたカミのマジシャ拘りや、必中全体技の対策にワイガ、狙われやすいため守る。
こいつが出る時はもう試合が終盤な事が多いため、TOD負けしないよう迅速に敵を倒すことを気をつける。

ヤバソチャ


ゴツメ
おもてなし
H252 B84 C92+ D76 S4 水テラ
シャカシャカほう/まもる/じこあんじ/いかりのこな
耐える攻撃
トルネのこがらし

最強のサポート役。水ウーラに対して有効。
持ち物はゴツメ。怒りの粉と合わせて相手の物理攻撃を抑制する。
テラスタルは水。本来の役割対象である水ウーラに依然強く出れて、耐性を変えられるのは強力。
技構成については、シャカシャカ砲は火力出せるし場持ちも良いから確定、守るは同じく場持ちを良くするため確定、怒りの粉もサポートするのと役割であるため確定。暗示については、ヤバソチャは圧力がないため相手が悠長な行動をしてきた時のために採用。ベトベトンにとって不利なCアップをメリットに変えれるから採用しているが、変則的な選出に対応出来るよう瞑想の方がいいかもしれない。シャドボは欲しいが枠が足りなかった。
基本的にすぐ死ぬから、割り切りが必要。

追記:せっかくならカミのマジシャも半減できるバレルがよかったかも?特性を胞子にしたらさらに強そう。
でもおもてなしの回復が大きかったシーンもあったし難しいところ。

ヘイラッシャ


光の粉
てんねん
H252 B68+ D188 鋼テラ
ヘビーボンバー/あくび/じわれ/まもる
耐える攻撃
等倍ならだいたい全部

ヤバソチャが出しにくい相手や寿司に出す。ワンチャンつかめるのが魅力。
持ち物は食べ残しベトンに取られていたため泣く泣く粉に。
テラスタルは鋼。ハバカミに対して強く出たかった。
技構成は上記4つ。ベトベトンと並べた時のことを考えてヘイト向けられつつ生き残るような技構成にした。
なるべく味方がどちらも生き残るように立ち回る。

イダイナキバ

BOXにあるから入れた。1回も出してないしなんの牽制にもなってなかっただろうし弱い。一応ハバカミには強いんだと思うけど取り巻きに弱すぎる。ありえないほど地面打点が刺さってない限り入れない。暁熊にすらH252振られてるだけで25%でしか倒せなくなる。

ドゲザン入りにはわんちゃん投げるかも?

基本選出(前編)


VSスタン

初手ドブベトン
裏カラミンゴ+@1
@1は刺さりそうな方だが、高火力相手には初手で受けるダメージを回復できるようヤバソチャを出すようにしている。また、積まれたらうざいポケモンか寿司がいる場合にはヘイラッシャを出す。

VS無理構築(吠える持ち、滅びパなど)

1戦目は基本選出
2戦目は初手ドブラッシャ
裏カラミンゴ+@1
3戦目は気分

立ち回り


初手

まずはテラスするかを考え、テラス後の盤面を見る。
余裕がありそうならベトベトン身代わり+ドーブル猫騙しor胞子
相手が単体打点で余裕が無さそうならベトベトン身代わり+ドーブルこの指
相手が範囲打点で余裕が無さそうならベトベトン守る+ドーブル胞子
相手に猫騙し持ちがいるならベトベトン身代わり+ドーブル猫騙し(猫騙し持ち方向へ)
相手に猫騙し持ちがいてドーブルが霊テラスを切るならベトベトン守る+ドーブル胞子

ヤバソチャ選出

ドーブルができるだけ遅延して小さくなるor身代わりがある状態でヤバソチャを出せると良い。
余裕があれば自己暗示をしてヤバソチャがアタッカーになるのもよし、余裕が無ければ大人しく守る→怒りの粉を決めてベトンが動く隙を作る。後は倒されてからカラミンゴで暴れて勝ち。

ヘイラッシャ選出

この選出の時はTODになりやすい。あくびを打ちつつ暇が出来たら地割れを押すことを意識する。また、試合を決めれそうな展開になったら大人しくヘイラッシャを引いてカラミンゴを出すのもあり。

VS寿司

ヘイラッシャを大事に動かすこと、ベトベトンを殺さないことを第一に考える。相手が寿司を見せていない場合はヘイラッシャを一度引き、カラミンゴを出すことも考える。寿司が合体してきたらあとはあくびを打って地割れ連打。

VS無理構築

つのドリル、地割れの試行回数を増やすことを意識する。余裕があればきょうえんと暗示を上手く使ってムラっけサイクルを回す。

意識しておくべきこと


ドーブルがすぐ倒れた方がやりやすいように思えるが、実は違う。ドーブルは自分の叩き落とすでも倒せるため、ドーブルが倒れる前に如何に活躍出来るかが重要になってくる。イメージとしては、ドーブルを盾に身代わりを張る感じで動かす。

この構築はTODになりやすいため、相手を倒せるタイミングで、裏から来るポケモンに破壊されない場合は倒しに行くべき。遅延のターンと攻撃のターンを見極めるように。

カラミンゴが場に出てくるまでに、なるべくむらっけを3回、ちいさくなるを2回積んでいる状態を作る。そのために、できる限りドーブルで1回ちいさくなり、ヤバソチャで1回ちいさくなるを積めると理想。

必ずしも基本選出の通りに動く必要はない。ドーブルの運が良ければべトンを即カラミンゴにバックさせたりとある程度は考えた方がよい。

無理構築に当たった時はサイクルをいかに回すかを考える。




ーーーーーーー構築記事終わりーーーーーーー




ドブベトンの勝ち方


ここからは、ドブべトンについて考察を深めてゆく。
本題に入る前に、前提として、ドブべトンとはむらっけドーブルちいさくなるベトベトンきょうえんカラミンゴ+@3のことを指す。カラミンゴ抜きの構築を使う人もいるらしいが、それはドブべトンの強みが半分失われているためここでは扱わない。

まずはドブべトンの勝ち方について。

基本的に、ドブべトンはべトンが積み切ってからカラミンゴでコピーして殴り合いで相手を倒して勝つ。
よって、ドブべトン側はべトンが積み切った状態でカラミンゴでコピーする盤面に持っていくよう試合を展開し、敵側はそれを阻止すればよいと分かる。

ドブベトン側の意識すること


では、ドブべトン側はどうすればその盤面に持ち込めるだろうか。ベトベトンは、ターンが経過するほど強くなるため、後半では死ににくくなる。逆に言うと、序盤をドーブルとベトベトンとかいう明らかに種族値が低いポケモンで凌がなければいけない。そこで必要なのは、択に勝つことである。

例として、眼鏡カミ+雫水ウーラ対面を考えてみる。

このとき、すぐに思いつくカミウーラ側がとる行動は以下の通りである。

  1. テラスムンフォをべトン方向+水流をドーブル方向

  2. マジシャ+水流

  3. テラスマジシャ+水流

  4. マジシャ+見切り

実際には交代などさらに多くの択があるが、とりあえずこのどれかを選ぶとする。

これに対して、ドブべトン側は

  1. この指+身代わり

  2. 胞子をカミ方向+水テラ守る

  3. 猫をカミ方向+水テラ身代わり

という行動がすぐ思いつく。他の行動は一旦置いておいて、これらの相性を検討していく。

まず、相手が1のテラスムンフォをべトン方向+水流をドーブル方向を選んだ時、こちらは3の猫をカミ方向+水テラ身代わりが最善手になる。次のターンにこの指でべトンが自由に動けるからだ。
1のこの指+身代わりは身代わりを残せるのでまあ悪くはない。
2の胞子をカミ方向+水テラ守るはべトンは生き残るが、得るものが少なくこの先凌げるか心もとない。

次に、相手が2のマジシャ+水流を選んだ場合について考える。
1のこの指+身代わりだと、少しダメージを喰らうが身代わりが残せるためまずまずだ。
2の胞子をカミ方向+水テラ守るでは、水流の方向によって最善手になるか微妙な手になるか変わってくる。
3の猫をカミ方向+水テラ身代わりも水流の方向によって変わり、ドーブル方向だと1と同じになるが、べトン方向だと次のターンは一気に苦しくなる。

相手が3のテラスマジシャ+水流を選んだ場合はどうか。
これは、相手が2のマジシャ+水流を選んだ時と比べて1のこの指+身代わり価値が少し減り、3の猫をカミ方向+水テラ身代わりでどちらに水流を打たれてもやや盤面が良くなる。

最後に、相手が4のマジシャ+見切りを選んだ場合を見ていく。
自分が1のこの指+身代わりを選ぶと、次のターンにウーラの水流がべトンに入ってしまうのでべトンがかなり削れてしまってあまり良くない。
2の胞子をカミ方向+水テラ守るだと、次のターンにカミを眠らせた状態でべトンが自由に動けるので、成功といえる。
3の猫をカミ方向+水テラ身代わりは1を選んだ時と同じことになる。

ここまで、色々複雑になったのを整理して表にする。


表を見れば分かるように、どれを選んでも必ず何かしらは裏目になり、一度裏目を引いたら一般的な構築を使うときよりもかなりゲームが苦しくなる。このことから、僕に言わせればドブべトンは運ゲーというよりむしろ択ゲーなのである。

この、ドブべトンは択ゲーであるという認識を持つだけで勝率はかなり変わると思う。

ただし、常に忘れてはいけないのが種族値の分あくまで不利な択をドブべトン側は背負わされているということである。

だから、ドブべトン側は相手より盤面を理解し、相手より多くの択を把握できていなければ長期的には勝率が低くなるだろう。
僕は鳳凰オフの予選でトナメに進んだ人以外には全勝し、進んだ人には全敗したのである程度この認識は合ってると思う。

ドブべトンとの戦い方


では、ここからはドブべトンに対峙した時の勝ち方について考察していく。

特殊な技やポケモンを持っていない場合

もしドブべトンに有利な技が無い場合、上述の通りドブべトンとはこちら側が有利な択ゲーをしていくことである。
ここで意識するべきことは、択負けした時のリスクを減らすことである。なぜかというと、択勝ちしてももともと種族値分有利だった差が広がるだけで、それより択負けした時のリスクを見た方が負けから遠ざかることができるからだ。

その時に重要な基準となってくるのが、何を一番のリスクかとみなすかということだ。

その一番避けるべきことは、ドーブルが眠らせてきたターンにドーブルを倒すことだ。また具体例を出して説明する。

例えば、カミ+ガエンで、
カミがマジシャでドーブルの襷をはがす→ドーブルがカミを眠らせる→ガエンのフレドラでドーブルを倒す→べトンが身代わりを貼る
というターンがあったとすると、次のターンで確定眠りのカミ+ガエン サポート役+べトンの盤面ができる。
これは、ターンを容易に稼がれてしまうので良くない。

ドブべトンに当たった時は、とりあえずドーブルに眠らされない行動を意識してみるといい。そのうえで、相手が動きにくいように高火力のポケモンで圧を出していくのが重要だ。

ドブべトンに有利な技やポケモンがいる場合


ドブべトンに有利な技やポケモンとは何か挙げていくと、

悪戯心以外の挑発(ベトベトンが積めなくなる)
ハイボ持ち(身代わり貫通めんどい)
剣舞入りドゲザン持ちドドゲザン(押し切られる)
天然ヘイラッシャ
暁熊
聖剣
黒い霧
吠える、吹き飛ばし
滅びの歌

などがある。これらは使うタイミングが重要で、序盤だとまだ相手のドブべトンへの依存度が比較的低いためあまり活かせないため、ドーブルが死んだあたりから圧力を見せていくべきだ。それまでは場に出しても良いがくれぐれも機能停止されないように大切に扱う必要がある。また、たいていの場合相手は何かしらメタを入れてるためそれを見極め障害を取り除いたうえで通すと勝ちやすい。
ただし、挑発だけは序盤から使うべきで、べトンの遅延を封じて速やかにべトンの処理ができるメリットが大きい。また、それを見せられたドーブルはこの指しかできなくなる。


あとがき


まず、素敵なイラストを使わせてくださったNoFaceさん、歯茎、ハムに感謝申しあげます。
また、むらっけベトベトンについての構築記事を書き残してくれた方にも感謝の念に堪えません。白いハーブアクロバットカラミンゴやべトンの技構成など様々な点を参考にしました。

参考になるかは分かりませんが、鳳凰オフの配信のアーカイブがあるので時間があれば見ていってください(関係のない方の試合も混ざっています)。
1戦目がvsNoFaceさん(不利構築)、2戦目がvsくさーしーさん(五分の構築)となっております。

https://www.youtube.com/watch?v=eIE7HX2HL3A&t=9168s

ここまで読んで疑問に思った点などありましたら、X(@shirasu075pok)のDMに送っていただけると幸いです。最後になりますが、拙い文でしたがここまで読んでいただきありがとうございました。


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