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vol.3 数々の失敗と挫折を経て行き着いた終着駅、スピリチュアル系ビジネスとそのコツ

サウザーの白熱教室 遠隔ヒーラー結良
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※試聴版。オリジナル版(58:36)は購入後に視聴可能。

第三話(全四話)

サル山職場からの脱却を目指して副業に打ち込む結良くん。結良くんは「アマゾン川」で漁をする漁師であった。このときはまだ、遠隔ヒーラーの要素はカケラもなく、利益を抜ける商品をリサーチし、電脳せどりに精を出す毎日であった。

しかしながら十分な差益を抜ける商品を探すことは簡単なことではなく、毎日5時間、必死にノートを取りながら、価格差のある商品を探し続けた。そんな中で、とうとう十分な差益を稼げる商材を発見した。ようやく、毎日5時間のリサーチが報われるときが来た。結良くんの努力は、無駄ではなかったのだ。しかしこのとき、まだ若かった結良くんは、商売の基本を深く理解してはいなかった。

「自分が儲かっていれば、何でもいい」

サル山からの脱却に一生懸命になりすぎるがゆえ気付かぬうちに、闇の道へ足を踏み入れてしまっていた。商売の基本、それは顧客を大切にするということ。顧客のケアを軽視した結果、アマゾン川の管理者から「アカウント閉鎖」という最も重い量刑を課せられてしまう。自前の集客経路を持っていない者にとって、商売をするには通販サイトの軒を借りる他ない。アマゾン川の片隅で漁をしていた結良くんは、アマゾン川から出入り禁止を通告されたのだ。

当初はこの措置に激昂し、絶望した結良くんであったが「商売」そのものについて考えを巡らせる機会を得た。「アカウント閉鎖」という強烈なフィードバックにより、結良くんは商売とは、お金を払ってくれる顧客を大切にすることが基本なのだと、その身を以って学んだのである。

かくして、暗黒騎士から転生し、まっとうな商売をしていこうと誓い聖騎士(パラディン)となった結良くんは、新たなアカウントで、アマゾン川に降り立ち再スタートをした。新たな商売は中国製品のOEM販売。これまた尋常ならざるリサーチ活動の結果、良い商材を発掘して、再び稼いでいく。かつての過ちを繰り返さぬよう、顧客を大切にして誠意を持って取り組んでいく中で、確かな手応えを感じていた。結良くんは名実ともに、パラディンになれたのである。暗黒騎士の鎧は、倉庫にしまって久しくなっていた。

商売が軌道に乗ってきたころ、パラディン結良くんはふとしたことで、ちょっとしたケアレスミスをしてしまう。それはほんの些細なことで、それ自体には違法性はまったく、ない。倉庫にしまっていた暗黒騎士の鎧が、見つかってしまったのだ。いかに現在がパラディンといえども、かつて暗黒騎士であった過去は許されない―――結良くんは再び、アマゾン川の管理人から通告を受ける。

再びのアカウント閉鎖ーーー

しかも叩き出されるだけではなく、売掛金の没収と、大量の在庫返品。情状酌量の余地なしの、無慈悲な裁きであった。かくして結良くんは一度ならず二度も、アマゾン川からレッドカードの一発退場、しかも多大な罰金つきの措置を受けてしまう。この衝撃は相当なもので、さすがに結良くんも自暴自棄になってしまう。コンサルも解約し、外注もすべて打ち切った。

もはや、打つ手なしなのか―――

しかし結良くんはあきらめなかった。アマゾン川は出入り禁止になったけれども、まだ「フリマ市場」が残っていた。ただ、フリマ市場は激戦区であった。プレイヤーが多すぎて競争は熾烈を極めていたのである。たとえ儲かる商材を発見しても、すぐに他プレイヤーに察知され、値下げ合戦が始まる。常に発掘し続けなくてはならないこのフリマ戦場に、さしもの結良くんも疲れを感じ始める。

やはり、物販はだめなのか―――

結良くんは荒涼としたフリマの砂漠を彷徨い続けた。満身創痍でボロボロ、疲れ果てた。希望も失いかけていた。そんな中で、小さな、不思議な光を見つける。

「遠隔…ヒーリング…?」

そう、本オーディオのメインテーマである遠隔ヒーリングとの出会いだった。評価の数が多く、しかもユーザーのほとんどが満足している。それなのに、写真や説明文のクオリティはそこそこであった。通常、フリマ市場においては写真と説明文が重視され、結良くんも気合を入れて作り込んでいた。しかし、遠隔ヒーリングは、その部分に全然気合が感じられないのに、ユーザーは満足している…しかも、どうやら結構稼いでいるようだ。

研究が始まった。

3,333円で売られている遠隔ヒーリング商品を買ってみた。送られてきたのはA4の紙1枚のみであった。それには遠隔ヒーリングの説明が書いてあった。

「…なにこれ?」

そんな想いからスタートした。しかし研究に研究を重ねると、この商材がいかに優れた商材であるか、わかってきた。優れた商材とはつまり、儲かる商材ということである。結良くんの心に希望の火が灯る。

ここで、転売・OEM物販での経験と苦労が活きてきた。これまで、利益率の低い商材、すぐに過当競争になる市場、値下げ合戦による消耗ーーーそれらを身を以て体験していたからこそ「遠隔ヒーリング」という商材の完成度に気付けた。既に自分でビジネスに取り組んでいたからこそ、遠隔ヒーリングの利益構造をすぐに理解して、ラーニングすることができたのである。転売暗黒騎士も、中国OEMパラディンも、全てはこの商材への布石、尊い犠牲だった。

「これなら、いけるかもしれない」

悪夢とも思えた夜が朝日に切り裂かれる中、遠隔ヒーラー結良は走り出した。

つづく。

著・ヤコバシ


【オーディオブックの正しい使い方を伝授する】
1.集中して聴かない。オーディオを聴くための時間をわざわざ取らない。スキマ時間や作業時間に『ながら』で聴くのが正しい使い方である。
2.ぼけーっと繰り返し聴く。聴き返すたびに毎回聴こえ方が違うぞ、とか、刺さる言葉が違うぞ、と思ったならそれは良い聴き方。一回で全部吸収してやろう、と言うのは悪い聴き方。
3.PCのnote.muサイトからMP3ファイルをダウンロードする。itunesその他で、スマホに同期する。電車や車での移動中、家事の最中に聴くのが良いと思う。ストリーミング再生で聴くのはあんまりおすすめしないかな。

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