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エピソード3 アナキンさんの結婚と離婚に関する『我が闘争』および、ストリートナンパで地蔵せずに声掛けする方法

アナキン・アウトレイジ サウザーの白熱教室
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※試聴版。オリジナル版(58:21)は購入後に視聴可能。

エピソード3(全6本)

副題を考えたとき、いくつか案が思い浮かんだ。「シスの復讐」になぞらえるならば「アナキンの復讐」「元嫁への復讐」か…うーん、しっくりこない。しかも「復讐」という単語も、適切ではないと感じる。そこまで後ろ暗いテーマでもない。そんなことを考えながら今一度、Vol.3の内容を振り返ると、シンプルで適切な副題が浮かんできた。

エピソード3「コンピの復習」

とうとう離婚への決心を固め、具体的行動に移していくアナキンさん。自分の両親への報告と、義両親との話し合いが始まる。

そして恋愛工学の徒ならば藤沢数希先生の著作『損する結婚 儲かる離婚』は外せないだろう。そう「コンピ」は見逃せない。コンピ、つまり「婚姻費用」とは、収入が多いほうが、低い配偶者に収入を分かち合うという概念であり、たいていの場合は男性が女性に支払う月々の生活費のようなものだ。アナキンさんの年収から試算すると、結構ゴツい金額になることがわかった。離婚を延ばされれば延ばされるほど、コンピは笑えない額になる状況だった。

コンピは、収入が少ないほうが「ください」と請求すれば、逃れることはできない。弁護士を付けられたら、最大金額を月々支払うことは避けられない。離婚を先延ばしにする戦略を取られて「儲かる離婚」を体現されてしまう。アナキンさんはまさに「損する結婚」一歩手前の状況であったが、この難局を知恵で乗り切った。

まず、話し合いの中で嫁が婚姻費用の存在を知らないことを見切る。弁護士を使わないことも見切り「生活費は3万円でいい?」と打診。嫁はこれを受諾し、月々の支払いを3万円に固定化できた。これはお金の流出を最小限に抑える好手であった。この後、嫁は予想通りに離婚届の提出を先延ばしにする。いわゆる牛歩戦術を取ってくるのだが、このとき婚費を最小限に抑えていたことが非常に大きかった。

先述の婚姻費用という概念もそうなのだが「結婚」は非常に高度な法律行為である。当然「離婚」という契約解除もまた、非常に法的な知識を必要とする。たとえ離婚届にサインをさせ押印し役所に提出したとしても「不受理届」を提出されたら、その離婚届は無効となる。

また、離婚を申し出たものが「有責配偶者」と見做された場合にも無効となる。この有責配偶者にならないためにアナキンさんは「悪意の遺棄」とならぬよう義両親に嫁の引取りを要請し、生活費を支給して対策した。これらのことからもわかるように、結婚は高度な法律行為である。本作で「コンピの復習」をしよう。

離婚というゴールに、損傷少なくたどり着くためには、法律の理解が必須だ。知らなかったばっかりに損をしてしまうことがある。そう、アナキンさんの元嫁のように…。逆に、アナキンさんはしっかり情報収集し、知識武装をしていたために損失を最小限にすることができた。その一方で元嫁があまり武装していなかったことがアナキンさんにとっては幸運だった。

しかしこれは、元嫁が無知だったとか、迂闊だったとか、そういう話でもない。市井の一般人は『損する結婚 得する離婚』という書籍の存在も知らないし、婚姻費用という概念も知らない。それが「普通」であろう。つまり元嫁は「普通の人」だったのである。言い方は悪いが情報弱者であった。対するアナキンさんは金融日記というメルマガで学び、婚姻費用の存在もあらかじめ知っていた。そして未知のことは自ら調べることもできる情報強者であった。

情報の格差により得をしたり損をすることは、ビジネスの世界では珍しいことではない。ただ知っていただけで拾える利益もあるし、知らなかっただけで損失を出してしまうこともある。だから我々は常に情報収集と勉強を続けていかなくてはならないのだ。本件は、知識武装の勝利と言える。

そしてついにアナキンさんは嫁に離婚届にサインさせることに成功する。しかし、嫁はそれを「提出すること」を渋る。これを強行に提出しても先述の「不受理届」があることを考慮すると、強引にも動けない。ここから、アナキンさんが命を賭して戦うフェーズに入るのだが、その詳細はオーディオ本編で確かめてほしい。理屈が通用しない人間を動かすには、どうすればよいのだろうか。

最後に、もしこれから離婚を検討する人がいるとしたら法律の専門家である弁護士を間に挟むことが最善の一手となることを追記しておく。アナキンさんは弁護士を使わずに自分で勉強して取り組んだのであるが、大変な労力と精神力を使う結果となった。まさに暗闇で殴り合うような状況だったという。この心労を考慮するならば、弁護士を立ててスパッと終わらせたほうが、弁護士費用がかかったとしてもスッキリ終結させることができるだろう。

かくして檻から開放されたアナキンさんの眼前には、雲ひとつない地平線が拡がっていた。

次巻のVol.4からはアナキンさんのナンパについて伺っていく。

つづく。

著・ヤコバシ

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