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4月19日(水):スポーツコンテンツと利用者の定着

昨日は「スポーツくじ」に端を発して「スポーツの楽しみ方もいろいろ」と題して様々な見方や楽しみ方に触れました。

本日もそこから派生した話をもう少しばかり。

昨今は各種スポーツのコンテンツとしての魅力が非常に高まっており、主要な大会では放映権なども高騰しています。

日本でも動画配信サイトではスポーツコンテンツを重要な位置づけに据えているし、それによって利用者数の増減にも目に見える違いが出ている状況です。

例えば昨年のサッカーW杯を全試合無料生放送したABEMAでは、その際にアプリの利用者数が1,000万人を突破しました。

また記憶に新しい野球のWBCを配信したアマゾン・プライムでは日本の決勝戦の視聴数が過去最高を更新した通りです。

これを見ても1つの大会、1つのコンテンツだけでも多くのユーザーを取り込むだけの影響力があることを示しているし、他方では利便性の高い視聴環境があったことで熱狂を後押しした面もあったでしょう。

一方で課題を挙げるとすれば宴の後の定着で、一過性の盛り上がりで終わらせないための長期視聴への移行だと思います。

ABEMAでは必ずしもW杯後の利用者の定着が図られているわけではないし、スポーツコンテンツ配信大手のDAZNでも試合がある週末以外のコンテンツの充実、それによる利用者の定着は会員増に向けた課題といえます。

最近になってUーNEXTではスポーツ配信サービスの「SPOTVNOW(スポティービーナウ)」の配信でサッカーのプレミアリーグや野球のMLBのコンテンツを取り扱い、ユーザー数を伸ばそうとしていますが、同社ではスポーツ配信を第4の柱と位置付けて、他の映画・ドラマ・アニメとあわせたトータルのバランスで勝負をしようとしていて、そうしたことは1つの考え方だと思います。

また有料チャンネルのWOWOWではスポーツを軸にしたコミュニティ化に活路を見出すようなアプローチをしていて、一例ではサッカーの欧州選手権「EURO2020」に際し、退会を終えてからの継続視聴を意図して「アフターパーティー」などを実施していました。

内容としては大会全体のベストマッチやゴール、各ポジションの選手など視聴者が選ぶ各種のランキング、ハイライトを一緒に振り返る、といった趣向で盛況を博したそうです。

また先のEURO2020からコミュニティサービスの「サッカーアリーナ」を立ち上げ、大会期間中は毎晩、元選手やサッカーファンの芸能人などを招き、試合の振り返りや視聴者からの質問に答えるトークライブも配信するなどしています。

WOWOWではそれまでコンテンツの試合を放映する一方通行だったものの、今後は視聴者が共感したり、参加するなどインタラクティブなサービスを作る方向性を示唆しました。

試合だけに頼らない魅力ある場を作り、ユーザーである視聴者とのエンゲージメントを図るためのコミュニティというのもひとつの考え方でしょう。

動画配信の領域ではスポーツコンテンツを軸にした集客と、その後の継続に向けた周辺価値や創意工夫がポイントになっていきそうです。

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