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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論568」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第16号(2005.1.25発行)「アリーナ」6~※名称等は当時、一部文章省略

ザ・ビッグスポーツ
株式会社ザ・ビッグスポーツは現在、アリーナ付帯クラブを2店舗、屋外の多目的コート付帯クラブを3店舗持っている。
同社では1998年以来、屋外の多目的コートを付帯させてきており、ゲーム性のあるスポーツを提供することで差別化を図ることに取り組んでいる。

同社の多目的コートで提供されるスポーツは、バスケット、バレー、フットサル、テニス、ソフトテニスの5種類が中心。
屋内のアリーナではこれに卓球が加わる。
こうした種目は適切な時間帯に設定すれば20~30名の参加者がすぐ集まり、底堅い人気のあるプログラムとなっている。
同社ではこうしたスポーツプログラムの場合、スタッフが1人付いて、そのスタッフが中心となってクラスを運営している。
屋外コートは天気や季節によって利用が難しい場合もあるが、その際の対応も含めてスタッフ向けに運営マニュアルが整備されている。

同社にとって、多目的コートに新たな可能性を見出すきっかけとなったのが「くずは」店の出店に際して屋内アリーナを付帯したことである。
くずは店は「姿勢改善」をメインコンセプトとし、会員種別は12,000円のレギュラー会員1種類という、オンリーワンを志向するクラブ。
メンバーの平均年齢は49歳と高い。
このクラブにアリーナが付帯されたのは、実はザ・ビッグスポーツの意向ではなかった。
同物件は同社が開発段階の途中で継承したが、継承時、既に設計内容の変更ができず、アリーナが付帯されることが決まっていたのだった。
同社には多目的コートの運営ノウハウがあったため、ある程度、活用できることは見えていたが、アリーナプログラムは通常、若年層に人気があるため、中高齢層が中心顧客のクラブでアリーナがどこまで活用できるかは読めなかった。
また、同社で他に屋内アリーナを付帯するクラブもあったが、そのアリーナでは子ども向けのスクールを提供する場として活用していたため、中高齢層にターゲットしたアリーナ運営は全く新しい試みになると思われた。

しかし、そうした心配をよそに現在くずは店のアリーナはフル稼働している状況だ。
現在、特に人気が高いのが、「姿勢改善」のグループプログラムと、ソフトテニスである。
グループプログラムをアリーナで提供し始めたきっかけは、姿勢改善プログラムの人気が高くスタジオに入りきれなかったから。
より大きなスペースがあるアリーナに移したところ「のびのびできる」と好評だったため、以来、アリーナにスタジオとしての機能も付加させて稼働を高めている。

スポーツプログラムとしてはソフトテニスの人気がこのクラブで特に顕著で、2人1組で対戦するゲームであることから、同プログラムに参加している人が知人を連れてきて、一緒に参加するケースが多い。
クラブがプロモーションをしているわけではないものの、参加者が増え続けているという。

同社営業本部長のO氏は、くずは店での経験をもとに、今後は屋外多目的コートでもグループエクササイズを提供することを考えている。
「最近、ストレッチやヨガといったプログラムも人気が出てきていて、こうしたマインド&ボディ系のプログラムは屋内でやるよりも屋外で行う方が、気分が開放されて気持ちがいいはず。こうした屋外向けのグループプログラムも開発していきたいと思っています。」と話している。

同社はまた、スイミングスクールを付設するクラブのアリーナや多目的コートでは、子ども向けの新しいスクールプログラムも開発を進めていく予定。
これまでに劇団ひまわりと組んで提供する演劇のクラスや、エクササイズをしながら英語が学べる英語教室のクラスといった取り組みが既に進められている。
同社では今後オープンするクラブにも多目的コートを付帯していく予定である。

~ここまで~

アリーナを付帯するクラブに属していた経験から、スタジオ機能としての有効性が最も高いと以前、触れましたが、それを証明する内容であると思います。

それらのクラブでも人気が高かったのが、調整系プログラムでありマット使用で100名以上集まると、スペースが満杯になる状況でした。
やはりこの辺りは、業界人の常識としてスタジオで行うものと限定的に考えていた視野が、スタジオに入り切れなかったことで、広がった事例です。

また日本では部活動では行われていますが、ソフトテニスは一般的にマイナースポーツですので、盛況だったのは意外です。
ただこれも、部活動経験者が卒業後にやれる場所がないことで、口コミで広がった事例と言えます。
今回、マイナースポーツのメッカになる場所としての活用も1つの方法であることを改めて認識しました。

お読みいただきありがとうございました。

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