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2月20日(火):カスタマーハラスメント対策の確認事項④

先月のパワーハラスメント対策に続き、この数日間はカスタマーハラスメント対策について触れています。

一昨日は厚労省が定めたカスタマーハラスメントの企業対策マニュアルをもとに定義に触れ、昨日は悪質クレームにみられる特徴的な行為の例ごとにその解釈を説明しました。

ポイントとしては顧客等からの①「要求の内容が妥当性を欠く場合」や②「要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当な場合」、そして③「要求内容の妥当性に照らして不相当とされる場合があるケース」はカスタマーハラスメントに該当する、との捉え方です。

ただ、今回連載している1回目でも記した通りパワハラがパワハラ防止法によって法整備がなされて問題行為へ直接的に罰して抑止しやすくなったのに対して、カスタマーハラスメントは現時点では法整備にまでは至っていません。

ここがパワハラとカスハラの大きな違いで、労働環境を整えていくにはこれからの法整備などが期待されるところです。

だから現時点では「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」に関しては、現状の法規に照らして対応していく必要があります。

そのためカスタマーハラスメントに関連する法律を少しだけでも知っておくほうが、いざという時の対処に役立つ面もあるでしょう。

以下、代表的なものを記載しておきます。

威力業務妨害罪(刑法234条)
3年以下の懲役/50万円以下の罰金
強い勢いをもって相手の意思を制圧し、相手の業務を妨害
例:大声を出して騒ぐ、カウンターを叩く、犯罪予告、爆破予告など

偽計業務妨害罪(刑法233条)
3年以下の懲役/50万円以下の罰金
虚偽の風説を流し、信用を毀損し、業務を妨害するもの
例:作り話をばら撒く、他人名義で大量発注、宿泊予約して無断キャンセルなど

脅迫罪(刑法222条)
2年以下の懲役/30万円以下の罰金
生命、身体、自由、名誉、財産に対し、害を加えることを告知して脅す
例:「死ね」、「殺す」、「痛い目にあわせるぞ」といった発言など

不退去罪(刑法130条)
3年以下の懲役/10万円以下の罰金
要求を受けたにもかかわらず、人の住居・建造物等から退去しない
※「お引き取りください」との意思表示が必要

恐喝罪(刑法249条)
10年以下の懲役
暴力や脅迫により、人に畏怖を感じさせ金銭や財産を脅し取ること
例:カツアゲなど

強要罪(刑法223条)
3年以下の懲役
権利の行使を妨害し、義務なきことを強要すること
例:土下座の強要、解雇の強要、「●●しないと、●●するぞ」等の脅しによる特定行為の強要など

以上、参考までに。

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