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「アバター近藤が解説する業界史~逆タイムマシン経営論849」

皆さん こんにちは アバター近藤です。
「逆タイムマシン経営論」として、業界唯一の経営情報誌であるフィットネスビジネス誌のバックナンバーを引用しながら、それぞれの年のトピックスや記事について、示唆することは何かをアバター近藤なりに解説していきます。
「歴史に学ぶ」とは良く使われる言葉ではありますが、フィットネス業界史について、詳細に検証した文献は恐らくないと思いますので、これから良い歴史を作るために何かしらのお役立てになれば大変うれしく思います。

~Fitness Business通巻第42号(2009.5.25発行)「スタッフからの声掛けが会員定着に有効ー英レジャー・データベース・カンパニー調査報告」2~※名称等は当時、一部文章省略

2009年3月にサンフランシスコで行われたIHRSAコンベンション特別セッションにおいて、ポール・ベッドフォード氏(レジャー・データベース・カンパニー)が、イギリスで行われた会員定着に関する調査研究の結果について発表した。
この調査からは会員の年齢や性別、会費設定といった条件よりも、「スタッフが1回でも声を掛けること」が会員定着に大きく貢献することが分かり、クラブにおけるコミュニケーションの重要性が改めて浮き彫りとなった。

「話しかけること」で会員は定着する

入会初期のクラブ利用回数が定着率に影響することは、日本でも周知の事実だが、今回の調査でもその相関関係が改めて検証され、数字で示された。
「それでは、会員のクラブ利用回数をスタッフがコントロールすることができるか?そう問われたら、私はイエスと答えます」。
そうベッドフォード氏は語った。
その方法は、「会員に話しかけること」である。

調査によると、1回も話かけられていない会員の月間平均退会率は12.3%で、平均在籍期間は4.9ヶ月。
1回以上話しかけられた会員の月間平均退会率は3.99%。
平均在籍期間は14.5ヶ月。
年間会費収入に換算すると、1人当たり200ドル以上の開きが出る計算だ。
また、調査からは1回話しかけることで翌月の来館の可能性が20%、2~3回で50%、4回以上では80%増えることが明らかになり、さらにスタッフに話しかけられたことがあると認識している会員が多いほど、クラブの評価が高くなることも分かった。

「隠された」退会理由

「退会理由を聞くと会員からは色々な回答が返ってくるが、実はスタッフから話しかけられないという理由が潜んでいるのではないか」とベッドフォード氏が指摘する通り、退会理由にコミュニケーションが挙がってくることは少ないため、見逃されがちで、さらに会員によってはそれを自覚していない場合もある。
また、クラブ側が「自分たちは会員に積極的に話しかけている」と認識していても、会員の認識は必ずしもそうではないため、コミュニケーションの方法や質にも工夫が必要だろう。

各社で会員維持志向のクラブ作りを目指す動きが強まるなか、現場での働きかけが会員定着への確かな方法の一つであることが今回の調査で改めて明らかになった。

~ここまで~

当社小型クラブは、スクール制・少人数制という仕組みで、毎回レッスンを提供しているため、参加時、1回も話しかけられないケースは基本的にありません。

ただそれでも、様々な理由はあるにせよ、利用回数が減っていき、休会そして退会に至ってしまう方は、一定数いらっします。

もちろんその率は1%程度と記事の指標よりも良い数値ではありますが、我々は今後、規定利用回数における充足率(利用率)を100%に近づけたいと考えておりますので、一層のコミュニケーションの進化・深化が重要になってくると思います。

お読みいただきありがとうございました。

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