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アルバム「PARASITE INVISIBLE」をリリースし、『ONEMAN TOUR 2021 オールレザー感謝祭』で全国を駆け巡ったRAZOR !! アルバムに収録されている楽曲を通して見えてくるバンド、音楽、社会に対しての思い。 Vo.猟牙、Gt.衍龍を迎え、ツアー名古屋公演直後に行ったオリジナルインタビュー!!

 
  

 
☆ 本日は、ONEMAN TOUR 2021 オールレザー感謝祭の名古屋公演の翌日に収録させていただいてますが、5月から始まったツアーも折り返しになり、今どんな思いでこのツアーをまわっていますか。

猟牙 「PARASITE INVISIBLE」を出して、久しぶりにこの規模のツアーなので最初ちょっと硬く考えてた部分があるんですよね。やっぱり今はライブの環境も以前みたいな状況ではないし、デカい声で叫びあったりとか、ぶつかり合ったり出来ない中で、久しぶりに行く土地とかもあるのでちょっと硬くなっちゃうかなって危惧してた部分もあるんですよ。どうにかその硬い部分を解して今までのライブを越えるライブを作れるかっていう課題があったんですけど、ツアーのスタートが松山でIZAの生誕祭だったのもあって、多少お祭りムードでスタートできたのが自分的にはいい意味で解れた気持ちで挑めたっていうのがあったし、やりながら掴んできたものも沢山あって今までみたいにやれない分こっちからこういうアプローチしかけたり、こういう言葉を伝えたら、ファンの人に届いて熱くなれるかなって考えながら、それが板についてきたというか、覚醒しはじめてきてて、そういう状態で昨日の名古屋のライブを迎えられたんで、今すごくライブめちゃくちゃ楽しいなっていう状況になれてますね。
☆ 昨日のライブを拝見させていただきましたが、規制された中でも楽しんでることが伝わってきましたし、その場から動けなかったり、声を出せなくてもメンバーと魂でぶつかり合ったり心を通わせているなと思いました。セットリストを含めてこれまでのRAZORのライブとはまた違った新たな印象を受けました。
猟牙 今まではある程度、時間制限もなくアンコールとかもゆっくりやってたりしてたんですけど、今回は限られた時間の中でどれだけ爪跡を残せるかっていうのがあるんで、より気合が凝縮されてるというかヌルいことやってられないなっていう気持ちがとにかく入ってて、それがファンの人にも届いて相乗効果でいいライブ作れてるんじゃないかなって気がしてます。
衍龍 今こういう世の中なんで、ライブの作り方に関しては今までやってきたものが一回全部ぶっ壊れてもう”無い”に等しいなって思ってます。だからこそ新しい挑戦をするちょうどいいタイミングだなって思ってて、ライブの作り方もさっきおっしゃってたように違う形に見えてるのは、それが伝わってるんだなって思いましたね。
☆ 昨日のライブは見所が沢山ありましたが、個人的には終盤で猟牙さんが「未来なんか考えるな!今が全てだ!」って叫ばれてましたが、まさに魂の叫びだなって思いました。
猟牙 もちろん先々のスケジュール決まってるじゃないですか。それを全部完走しなきゃいけないんですけど、以前だったら本数が多いツアーだと喉のこととか考えてどこかセーブしてライブをやってた自分がいたんですよ。ちゃんとしたクオリティのものを届けたいからそれはそれで違うベクトルの熱さをもってやってたんですけど、今ってライブが簡単に以前ほどやれなくなったし、勿論素晴らしい未来を描きたいんですけど、それを見るよりも今目の前のことを全力でやって、それをどんどん培って気づいたら少しづつあの時描いてた未来になってたらいいかなと。
衍龍 それはより強く思うよね。
猟牙 そうそう。大阪のライブとかも一回中止になって振り替え公演が決まったんですけど、またヤバい事態になってしばらくライブが出来なくなってしまうかもしれないとか考えるとあまり先のことは考えずに”今日のライブ死ぬ気でやりましょうよ”って。それでまたそういうのを積み重ねていけばきっと思ってた以上の未来にいけるのかもしれないなっていう考えになりましたね。
 今は久しぶりの全国ツアーということですが、これまでライブが中止になったりとか今規制無しではライブが出来ない状況の中で、RAZORのように常にライブの熱量が高いバンドもストレスが大きかったと思いますが、ライブが出来なくなったコロナ禍当初を振り返っていかがですか。
衍龍 本当に自分が思ってた世界が一回失くなっちゃって、ぶっちゃけいろいろ悩みましたし、ライブ出来ない時期にいろいろ思いましたけど、でも結局自分のやりたいことがバンドにあってライブに費やしたいっていう気持ちがあったので今を我慢して、今後の世の中が良くなっていくことを願いながら全力でやるしかないなって。ストレスもめちゃめちゃありましたし、今もそうですけど正直不安もめちゃめちゃありましたし、でもステージに立つ側としてそれをやっぱ伝える側じゃないですか僕らって。自分がナヨナヨしてたら意味ないなと思って、ファンの子もそれで不安になっちゃうのはちょっと違うなって思ったんでその部分は張らないといけないし、でもやっぱロボットじゃないんで保てない時はやっぱメンタルやられますね。そういうときは本当に。
猟牙 人生考えちゃいますよね。今までって常にライブやって、バンドやってずっと決まってる状態というか日々音楽とかバンドに対してどっか脳がいかれてる状態で突き進んできてるんですよ。多分ミュージシャンってそうだと思うんですけど、それが一回遮断されたわけじゃないですか。で、ふと冷静になった時にこのコロナってもしかして何ともならない系なのか?って。
衍龍 ぶっちゃけなめてたよね。
猟牙 うん。そのうち落ち着くでしょみたいな。でも”今までの世界終わった”みたいな。”俺らバンドで飯食えなくなる”みたいな。
衍龍 そうだよね。人生考えちゃうよね。
猟牙 それは多分みんなそうだと思うんですけど。でもそこでRAZORは止まらずにいこうって、お世話になってる制作の人とか事務所がじゃあ無観客ですぐライブやろうとか結構やれることをやろうって俺らに言ってきてくれたんですよ。状況は変わっちゃたんですけど、音楽を続けるうえでの目標を常に作ってもらってたなって気がしてしてますね。
衍龍 バンドで打ち合わせしながら、その中でやれることはやろうってね。
猟牙 うん。だからファンの人の前でライブやるにはちょっと時間かかりましたけど、そこにいくまである程度リリースも出来るならしようみたいな話もあったんで思いっきり腐らずにすんだんですよね。例えば配信で音楽を届けるなら、それをどう見せるかとか目標が常にあったからストレスは正直ありましたけどバンドをこの状況でどう盛り上げていこうかっていう気持ちは消えずにすんだんだと思います。
 それはすごくありがたい環境ですね。
猟牙 そうなんですよね。もちろん賛否両論ありましたよ。無観客でも会場に行くために外に出ることすら良くないって言われてるなかで無観客やるのはいかがなものかだの、スタジオ入ったら密じゃんとかありましたけど、勿論今もあると思し、今でもライブ来れない人は沢山いるし、だけどもうこれは初めての事だからいろいろな意見があるかもしれないけど、それが間違いかも正解かも分からないけど、僕らはとりあえず歩くしかないねって。今回の事でバンドの存続がピンチにはなったわけじゃないですか俺らだけじゃなくて。このツアーやってて思うんですけど、とある土地とかはチケットが売れた枚数に対して半分近く来なかったりとかっていう状況とかもあったんですよ。
衍龍 来たくても来れない状況だからね。
猟牙 それは仕方がないとはいえ、もういよいよ来るところまできたなって、ヤバイピンチだなってなったんですよ。ただそれによって、今まで築き上げたものが無くなってゼロに戻ったのかなって思ったんですよね。それからちょっとバンド始めた当時の我武者らな精神が出てきたんです。前までは少しづつライブハウス規模大きくして、いい景色を少しづつ見れるようになってきてたんですけど、それが無くなってチケットが売れてても半分しか来なかったりとか、こういう状況になって油断もなくなってハングリー精神が強く芽ばえてきたというか。
衍龍 逆にコロナのおかげって言ったらあれですけどコロナがまんえいして気づかされた部分はいっぱいありますね。初心に戻れた。
猟牙 この状況下でもなんとか来てくれる人とかいて、まずはこの人たちをとことん大事に熱い時間を作ろうって。そこからスタートだなっていうところに落ち着いた。パンク精神みたいなのが芽生えてきたかもしれないですね。
 今ライブに来ることが正しいとか悪いとかじゃなくて、その中でも来た人は少なくとも後悔してないんだろうなっていうのはライブを観ていても思います。
猟牙 そう。リスク背負って来てくれた人たちに対して、後悔させたくないって思いもすごいあります。来てよかったって。でもそれぐらいの危機感に陥ったからこそ、ライブで今みたいな暑苦しいこと言っちゃうぐらいになっちゃってるのかもしれないですね。本当にいつどうなるか分かんねぇし人生いつどうなるかわかんない状況になっちゃたから今本気でやろうって、これを続けようって。


 最新作「PARASITE INVISIBLE」のお話をお伺いしたいと思います。これまでの作品同様、熱量の高い作品ではありますが、個人的にはこれまでの作品とはまた違ったヒステリックさというか、まさにタイトルにもある”見えないものと戦う苛立ち”みたいなものを随所に感じる作品だなと感じました。
猟牙 今回、音に関しては衍龍の曲が増えたりとか今までとちょっと毛色が違う部分はフレーズとかに関してだったり結構あると思うんですよね。「未来楽園」とか「スーサイダー」は剣と作ったやつなんですごい剣節が出てたりするんですけど「To PROCEED」とか「瓦礫」とかね。あとは「踊る焼却炉」はIZAの曲だったり。新しい一面という部分では誰かの曲が多いとかじゃなくてみんなの曲がそれぞれ入ってるから以前と違う聴こえ方をするのかな。

 一曲づつお伺いしたいと思いますが、まずは最初の「DOOM」ですね。これ直訳すると”破滅”ですね。”破滅”から始めるアルバムってすごいですね。猟牙 これは剣に「地下をうごめくような、核戦争で終わった世界みたいなイメージのを作ってくれない」って作ってくれた曲で映画のバイオハザードが始まりそうな。
衍龍 そうだね。
猟牙 一旦、破滅的になったのは事実なんで。
衍龍 じゃあそこから始めようって。笑

 そして「To PROCEED」ですね。宣戦布告的な楽曲ですね。
猟牙 これは衍龍の曲なんですけど衍龍から歌詞のリクエストがあって、こういうことを歌ってくれって言われてそれを念頭に歌詞を書きましたね。
 どんなことがあってもとにかく前に進んで行く気持ちが伝わってきました。
衍龍 そうですね。意思表明ですよね。
猟牙 「To PROCEED」に関してはその時、溜まってた鬱憤を歌詞に叩き付けたというか、コロナの恐ろしさもそうだけどコロナが怖いっていう事を理由になんか人が戦いあったり憎しみ合ったりなんか”うざってぇ”世界だなとか。人間って”うざってぇな”とか思ったりもしながら俺もそんな人間だしなとか、そういうモヤモヤしたものに対して本音に近いものをぶちまけましたね。

 続いては「未来楽園」ですね。RAZORの曲はこの曲もそうですが、”あなた”っていう存在に向けた曲も多く発表されているイメージです。
猟牙 「未来楽園」に関しては最初、剣の家で剣が曲を作っていくなかですごく幻想的な曲だなって。こんな世の中で自死しちゃったりした人もいるじゃないですか。生きることに希望を失う人も沢山いたり。そういうのを考えてたら本当に愛してる人が死に向かおうとしたらどうしようとかすごい考えたりして。そこに一緒に向かっていく、じゃあ一緒にいこうよって。そういう愛を描いたラブソングになるんですかね。
衍龍 タイトルが「未来楽園」だから、今が最悪な状態じゃないんだよっていうね。
猟牙 生きることをやめる人を咎めるのではなく、それもひとつの次へのステップかもねっていう考え方の主人公がいて、じゃあ一緒に行きましょうと。
☆ これまでに発表した”あなた”という言葉が使われた曲には、ファンに向けたものをあると思います。このコロナ禍でもファンの方の存在に沢山支えられたと思いますが、お二人にとってあらためてファンはどんな存在ですか。
衍龍 これは最初から思ってたことなんですけどメンバーの一人ですよね。やっぱりライブは俺ら5人だけじゃ作れないし、ファンがいて初めてRAZORが成り立ってると思うんで本当にそれぞれが6人目のメンバーとは思ってますね。今でもライブやりながらそれは感じてます。
猟牙 ちょっと大げさに言ってしまうと戦友みたいな感じですよね。重く捉えないで欲しいんですけど、音楽は娯楽だし別に共に戦おうぜってそんな重いモチベーションでいなくても別にいいと思うんですよ。ただ音楽が好きとか、なんとなくRAZORが好き、歌詞が好き、別になんでもよくて。ライトな気持ちで来る人も沢山いると思うんですよね。それでもすごく熱い気持ちで応援してくれる人もいっぱいいて、バンドの楽しみ方、音楽の楽しみ方、それも十人十色じゃないですか。結局俺も音楽好きだったから分かるんですけど、好きなアーティストの活動とか曲って結構人生の楽しみだったりしたんですよね。それがあるから楽しく生きれてたし、音楽を聴くのが楽しみで生きてきた人生だったので、そういう意味でそこに対して俺らの活動に対してお金を払って応援してくれて、ライブ来るのにもお金とかすごい掛かるじゃないですか、今特にチケット代も高いし。それでも楽しみで俺らのライブに来てくれてる俺らからしたらそれってすごく気持ちの面でも現実的な面でも支えられてるわけじゃないですか。じゃあ俺らに何ができるかって言ったらそれは音楽という形で返す。だからただのファンというよりも俺は勝手にこの状況下の中でも一緒に戦ってくれてるやつらだなって感じちゃってて。”別に私はそんなつもりないですよ、好きだから行ってるだけです。”っていう人もいると思うんですよ。でも中には今のRAZORを絶対熱く盛り上げたい、支えたいっていう人も沢山いて、そういうの全部ひっくるめて俺は戦友になるかな、気持ち的には。

 続いて「スーサイダー」ですが、すごくスピード感があってノリのいい曲なんですけど、実はすごく歌詞が繊細だったり、昨日のライブでは本編の最後の曲を飾った曲になったり、凄く意味のある曲に感じました。この曲にはどんなメッセージが込められていますか。
猟牙 「未来楽園」の後の「スーサイダー」という流れで、さっきの話にも繋がるんですけどコロナ禍になって生きていくのも大変になって生きていくことをやめようとする人も沢山でてきて、実際身近ではないですけど自殺しちゃう人がいたりとか。語弊があると難しいんですけど、俺はまだ死ぬの怖い人なんですよ。だけど自殺する人ってそれだけ真剣に生きて、現実と戦って向き合ってるからそれに疲れてしまったり、真剣に生きた結果死を選んだりする人もいると思うんですよね。そういう人って俺はある意味かっこいいなとも思ってしまう自分がいて、その勇気は凄いって。小さい子でも大人でも自殺を選んでしまう人がいるけど、それだけすごい悩んだり、もがいたりして生きたんだよなって。それは凄いかっこいいことだなと思って。でもこの歌詞にはもう一個の意味合いがあって、今回のコロナになっていろいろものが、ぶち壊れて今まで自分が自信として持ってたものとか、プライドとかが全部じゃないですけど崩れたものも沢山あったんですよね。そこで思ったのは、”今までの俺は死んだな”、”次のステップに頭切り替えて向かわなきゃいけないんだ”、”未来に向かわなきゃいけないんだ”って。今までの自分にさよならしよう。今までの自分を殺そう。そういう意味も含まれてるんですよね。そういうふたつの意味でとれる歌詞なので、そこは聴く人がいろいろな捉え方してくれたら面白いなと思ってます。細かい苛立ちとか、そういうものは全部歌詞にぶちまけたんで。


 すごく深い歌詞ですね。そして「踊る焼却炉」です。この曲はかなりぶっ飛んでますね。
猟牙 これはIZAの曲なんですけど、衍龍が入れたい入れたいって。笑
衍龍 今までの自分を殺した結果これになっちゃった。笑
一同 笑
衍龍 これは結成して一年目ぐらいの時にIZAのバースデーでIZAが自分のバースデーだから自分の作った曲を一曲やりたいって、それからずっとライブでやってなかったんですよね。それでその時のライブ音源が僕のケータイの中に入っててたまたま流れたんですよね。それで久々に聴いたら”めっちゃかっこいいじゃん!”って思って勝手にデモおこしてこれやろうよって。今回の「PARASITE INVISIBLE」に入れようよってなって、”いいじゃん”って猟牙も言ってくれて、元々メロとかも全然違ったんですけど、それをまた変えて今の形になったんですよね。
 ”人類憎い”という歌詞もインパクトありますね。
猟牙 これは現代のTwitterとかSNSとかネットニュースに色々上がったりしているものに対していろいろ人が文句を言い合ったり人を貶し合ったりする時代じゃないですか。俺そういうネチネチしてるのあんまり好きじゃなくて。
衍龍 分かる。
猟牙 だけどネットでそういう言い合うのがある種ひとつの娯楽みたいに成立してるってのがあると思うんですよ。だからそれを面白可笑しく馬鹿にしてやろうと思って書いた歌詞です。まぁ分かんないですけどね。もし俺が今の時代もっと若く生まれてて、あまり人にものを言える性格じゃなかったりしたら、そういう場所があったらもしかしたら俺もめちゃくちゃ好き勝手言ってるんじゃねぇかなとか、芸能人とかスキャンダルとかに対して言いまくってるかもしれんけど。だからそういう人の気持ちが分からなくもないんですよ。そうなっちゃう理由は分かるんすけど。なんか本音で言うとイケ好かねぇなっていうのがあるんで。楽しみながら書く分にはいいんですけど実際韓国のほうとかでもSNSとかネットの社会が酷いらしくて自殺してる人とかもいるじゃないですか芸能人とかもそうですけど。
衍龍 確かにね。ちょうど出す頃に一人そういうので自殺しちゃったり。
猟牙 うん。だからお前ら好き勝手言うけど発言に責任持てるの?って。人傷つけてて自分にそれ返ってくるよって。なんか説教おやじみたいな気持ちで書いてしまいました。
衍龍 うん。いいと思う。歌詞ってもともと根本はさ、そういう思った気持ちを訴えるものだからね。すごいかっこいいなと思うね。
猟牙 だから曲が馬鹿みたいにすごい楽しい分、歌詞はそういう思いぶちまけてやろうと思って。それでもライブで盛り上がってるのもまたカオスでおもろいなと思うんですけど。
衍龍 だから自分も気づかぬうちにSNSとかで書いちゃったりしてた人たちが気づいてくれたらいいよねっていう意味も入ってますよねこれは。
猟牙 それは最高。
衍龍 自分何やってたんだろうみたいな。こんな世界じゃなくてもっと希望のある世界に生きようっていう。
猟牙 安全圏から、矢面に立って戦ってる人たちを腐してるんじゃねーよって。お前もステージ上がれよって。堂々と戦えよって。
衍龍 本当に矢面に立ってる人に矢を撃ってるよね。


 そしてアルバムの最後はMVにもなっている「瓦礫」です。この曲も全体的にグッととくる歌詞で、曲はこれまで通り聴きやすい曲ではあるのですが、歌詞がのることで、また新しい境地に入ったなと新鮮さも感じました。
猟牙 これはNIKKYが最初作ったんだね。
衍龍 NIKKYがデモ作ってきて、ちょうどその時、僕も同時進行で曲作ってたんですけど、デモ送られてきた時に”これめっちゃいいな”と思って、その段階でギターのリフとかも打ち込みで入ってたんですよね。これ生のギター入れたらもっと良くなるなって思って、とりあえずNIKKYが持ってきたデモ通りに入れたんですけど、”これこうしたらもっとかっこよくなるな”っていろいろトラックの中に今までの自分のルーツを入れたり、今まで全然ソロみたなものは弾いてこなかったんですけど弾いてたら楽しくなっちゃって、曲を犯しまくっちゃったんですよね、ギター的に関しては。笑
それで、NIKKYと相談しながらふたりでトラック作ってメンバーに投げて。
猟牙 俺、それ聴いた時にギターのリードのフレーズがめちゃくちゃかっこいいなって思って、これはセンスいいなって。そこから歌詞の情景がなんとなくぼんやり出てきて、そこからはもう歌詞がどんどん降りてきて、それも今の時代この状況下の中だから生まれてきた歌詞ですよね。昔から戦争なんてあるし、人は争うものなんですけど、今回コロナっていう事態に陥った時にまたそのコロナがきっかけでいろいな戦いが生まれ始めて大変だなとも思いつつ、でも無垢な子供とかはそんな時代の中で生きたりしてて、争うことも大事かもしれないけど目の前とか隣に実はもっと大事なことがあるんじゃないのとか。そういうことを凄く考えながら自分でも歌詞を書きながら改めて考えさせられるというか、俺もこれまで生きてきて気づいたら自分の生き方とか当たり前になってきたかもしれないけど、気づいたら大事なもの見落としてない?とか思ったりもしたので、この状況下の中で色々考えさせられたものをこの短い曲に詰め込みました。
衍龍 最初、歌録りしながら作ってる時さ人間のピュアなところが出てるよね。本来ある我々人間の素っていうか元々誰しもが持ってる気持ちが結構メインになってるなと思って。
猟牙 結局何があっても人間を歌うことになっちゃうんですよね。
 このアルバムは聴く人のいろいろ勇気になりそうな作品ですね。
猟牙 それだったら嬉しいっすね。


 今の状況の中でやはりまだ様々な理由でライブに来れない方もいらっしゃる中でそういった方達に届けたいメッセージはありますか。
衍龍 音源出した時もそうですけど現地に来れない人たちも気持ちは絶対繋がってると思うんですよね。ライブに来れなくてもCD聴いてもらってる人もいると思うし。僕らRAZORはずっといると思うんで、君から逃げはしないし、どこか行ったりもしないし、僕らは僕らでRAZORっていう世界を保ってるんでこの状況がいつよくなるかは分かんないですけど、また良くなったら会えた時の喜びも倍増するんじゃないかなと思ってて配信とかもしてるんで、映像でも今の俺らの熱量を感じてもらえればなって思います。
猟牙 俺らはやれる限りライブはやってるんで、その分死ぬ気で応援してください。君らと再会できた時には昔よりかっこよくなってんじゃん、待ってて良かったってきっと言わせられるように頑張ってたいし。あとはすごくポジティブな事を言ってしまうと、今こんな危険なこんな世界になっちゃったのを直接会えないかもしれないけど、今一緒に生きてるわけでお互いを思い合ってサバイブしましょうと。この時代を楽しみながら生きましょう。だからどうか生きて待っていてくださいって感じですかね。きっと再会した時にやっぱりRAZORが存在しててくれてありがとうって言わせてやるよと言いたいですよね。そうなるために頑張ります。

 では最後に全ての読者の皆様にメッセージを今一番伝えたい事と共にお願いします。
猟牙 今ツアーまわってて、やっぱりライブが大好きだという事に立ち帰れたんで、会えない人もいるとは思いますけど我々は長年バンドやってきましたけど、それでもなんとかワクワクして生きているので、これから次どんな曲出すんだろうとか、この曲好みじゃないかもとか、この曲大好きとか賛否両論あっていいんだけど全部含めて今の時代で音楽をやってる生き様を出してるだけなので、それも全て楽しんでほしいなと思います。だからいろいろなRAZORを見せていくと思うんですけど、これからも全てに期待しててください。
衍龍 今一番伝えたい事。どうかfiveStarsは一生、在ってください。


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