ラビット・ホール

ラビット・ホールの観劇記録ってよりかは、ラビット・ホールに関連する事柄についての私の気持ちの記録?みたいになっています。

ラビット・ホールみてきました。大千秋楽。好きでした。とても。やっぱり私会話劇好きだなあ…(しみじみ)。とても上質な会話劇だった。これぞ芝居の醍醐味を感じた。

何かが物語の中で起こるわけじゃない。説明もない。心がざわざわする。役者がみんな上手い。間がいい。観に来てよかった。

内容はとてもしんどかったです。演じる役者のみなさん大変でしんどかっただろうな…。息子を亡くした悲しみ。お互い悲しいのに、悲しさを唯一共有出来る相手なのに、噛み合わないふたり。悲しみの受け止め方も未来への考え方もそれぞれ違う。

みんながみんな、その出来事に対して自分に罪悪感を持っている。気を使う。気を使いすぎて変な感じになる。誰も悪くない。本当に?誰かのせいにした方が楽?自分のせいにしたほうが楽?色んなことが台詞のウラでぐちゃぐちゃしてた。

1幕は妻が「異常」に見えて、2幕は夫が「異常」にみえた。いや、あえて異常という言葉をえらんだけれど、異常ではない。あれが彼らの普通。日常。
突然大切な人を亡くすこと。私は幸い、それを経験したことがない。でも、知り合いがほんとうに突然、それも衝撃的な形で亡くなった経験をしてから、突然誰かがいなくなること、被害者になること、そしてなにかのきっかけで自分が加害者になること、何かが変わることに対してリアルに想像し、恐怖を感じることもある。

この作品を見て何を感じるかは受け取り手次第。その人の経験や年齢、立場によって本当に異なるんだと思う。物語として良い話ではない、ざわざわした話。ラストもどう解釈したらいいかわからない。ふたりで生きていく希望?それとも?
そんな物語だったけど、でもなぜか見終わったあとスッキリしてる。清々しい気持ち。なぜだろう。これも舞台ならではの感覚。

さて、時間軸を戻します。
成河さんのことがすきであり、なおかつ、7orderのファンもやっている私はこの作品の情報解禁でとても複雑な気持ちでした。嬉しい。顕嵐くんがこんな骨太な、がちな、舞台に出てくれるのは嬉しい。だがしかし、この子の演技は大丈夫なのか??浮かないか??と心配な親心…いや、ファン心。しかもメンバーみてみてよ!やばくないか??
成河さんのファンの方は目が肥えてる人が多い…ってかこういう作品は演劇好きがみるので、余計に心配になる。私自身もちゃんと作品として楽しみたいので、もし、せぶんのこと知らない立場だったら、「え?アイドル?」ってなる。絶対なる。

それに、なんとなくだけど、せぶんの中でこういう感じの「役者」を担うのは顕嵐くんじゃないと思ってたから(彼はグループの顔であって、もっと商業的なものに出るイメージ)それも不思議で。

そんなこんなで、勝手にめちゃくちゃ心配してましたが、結果としては、良かった。とても。浮いてなかった。あの役者陣の中で。ああいうお芝居できるんだ。できるようになったんだ。びっくりした。役柄としても異質な立場だった。幼くて、危なかしくて、良かった。私は胸がいっぱいです。
こういう、THE会話劇に出てくれることにも、そこでちゃんと役者として板の上に立ってることにも。

こんな素人が偉そうに言ってるけど、うん。でも偉そうになるけど言いたかった。

顕嵐ちゃんはいい役者になる。なって欲しい。と思う。せぶんは役者気質が多いから(だから好きなんだけど)これをきっかけに、色々期待してしまう。期待していい、そんな気がした。

演劇好きとして、素敵な芝居が見られました。ありがとう、ラビット・ホール。そして、7orderのファンとしても、ありがとう、ラビット・ホール。


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