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セルフ・メンタルコーチング(その18) 自己効力感の高め方:成長実感

今回は、自己効力感を高めるための7つの方法の6つめ、「成長実感」について紹介します。

本稿の「その12:7つのアプローチ」に書いたとおり、自己効力感の高め方として一般に言われているのは前回までの5つ、すなわち、
1 直接達成体験(過去の成功体験を活用する)
2 代理体験(他者の成功体験を活用する)
3 言語的説得(他者からの応援の言葉を活用する)
4 生理的・情緒的喚起(体調や気分を盛り上げる)
5 想像的体験(未来のワクワクイメージを活用する)
です。

今回ご紹介する「成長実感」と次回の「スモールステップ」は、私がメンタルコーチングを学んだ一般社団法人フィールド・フローの柘植陽一郎氏が提唱している考え方です。
スポーツチームやアスリートに対するメンタルコーチングを実践する中で、現場の感覚から掴んだ考え方なので、とても実践的です。

「成長実感」は上記1の「直接的体験」と似ていますが、もっと身近な直近の体験にフォーカスを当てます。

たとえば、1日の終わりにその日の自分自身のパフォーマンスを振り返ります。
「今日は全然いいことがなかったな」とか、「今日は何もできなかったな」と感じたとしても、本当にそうなのか、考えてみます。

この時に効果的なのが「スケーリング」を使った振り返りの手法です。
次のように行います。

Step1 その日の自分のパフォーマンスに10点満点で点数をつける
Step2 まず、「できたこと」「よかったこと」を挙げてみる
Step3 次に、「どうすればさらに1点や2点上げられたか」を考える
Step4 最後に、「それを踏まえて明日どんなチャレンジをするか」決める

たとえば、Step1で6点だったとします。
Step2では6点の内容を考えます。すると、達成できたことに自信を持つことができます。
Step3では、10点を目指す必要はありません。7点や8点にするためにはどうすればよかったかというように考えます。そうすると、Step4のチャレンジ項目も自然に導き出すことができるのです。

「いいことがなかった」「何もできなかった」と思える日でも、0点ということはほとんどなく、1点や2点はつくものです。その1点や2点の内容を考えて認めることで、「こんな日であっても、自分でできたことはあるんだな」と認めることができます。それはそれで自分の成長だと認めることで、次へのチャレンジ意欲が湧いてくるというわけです。

いかがでしょうか?
どんな小さなことでも、自分の成長を素直に認めることがその後に向けた小さな自信を生み出すことになります。それが積み重なることで、大きな自己効力感が養われます。

次回は7つのステップの最終項目、「スモールステップ」について解説します。
どうぞお楽しみに!

株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/



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