視野・視座・視点について

ネットでの揉め事をみていると、多くは視野・視座・視点のミスマッチがきっかけのように思える。大学時代、所属していた武山政直先生のゼミで、最初のワークショップのテーマが「視野・視座・視点」のお話だった。


「視野」とは、視界の広さ。

「視座」とは、どの座標からモノを見ているか。

「視点」とは、どのポイントに対して注視しているか。


物事を観察するときは、自分がどういった「視野・視座・視点」から判断をしているのか、この3つの違いを意識しましょうね…といったオリエンテーションだっただった気がする(20年近く前のことなので、細部はうろ覚え)。

それまでは、曖昧に(というか意識をしていなかった)3要素の違いは、その後のモノの見方を大きく変えたように思える。


こういう話は、写真を例にすると、しっくりくる。そう思って、写真フォルダをひっくり返してみた。

密林の中で撮ったような写真だが… 実際には


背景のグリーンはテントの屋根だったりする。そして多摩動物園だ。

ボケの強いレンズで斜め下から見上げて撮ることで、背景の雑多なものを切り取っている。視界に映り込むモノ、範囲を定義するのが「視野」。レンズの広角/望遠などもそう。


一方で、この写真をとった位置から、回り込んで見ると、こんなに雑多な場所だということがわかる。このポジショニングでは、自然感を出すことが難しそうだ。この観測位置の違いが「視座」

一歩引けば、ガラス戸である。正直この視座では、モノがゴチャゴチャしていてよろしくはないが…


背景をレンズ解放のボケで吹っ飛ばし、主題に一点集中させてみるとこうなる。見るものの主役を定めるのが「視点」。


視野は、自分がどの範囲までを影響範囲に置いているか。
視座は、自分がどのポジションから判断しているか。
視点は、自分が主題と考えているものは何か。

そういう風に考えると、色々なことに普遍化できそうに思える。他人と意見が相違するときは、まず3種類の要素のどれがズレているのかをチェックしたい。共通した足場を、築きやすくなると思う。

ネットの争い(現実もだが)は、SNSの140字に限定された、狭い視野で、お互いの視座と視点を確認せずに、弾を撃ち合うことで争いになる傾向があると思う。視野・視座・視点が違えば、同じ事象がまったく違うように認識されているからだ。目で見える写真でさえ、これほど違いがでるのだから、目に見えない言葉や思想ならばなおさらだ。

今の時代ならさらに「解像度」の視点を足してもよいかもしれない。視野、視座、視点、解像度。

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深津 貴之 (fladdict)

piece of cake CXO。THE GUILD代表。ユーザーの行動を設計するデザイナです。 UXデザインやUIデザイン、noteのカイゼン報告などについて書いていきます。

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