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13年前の自分からのメッセージ

13年前の自分のブログより抜粋(一部読みやすい様に、句読点や言い回しをアップデート)。まだ、ほとんどのエンジニアや企業がブログなど書いていなかったころのお話。

当時の自分は、まだイキリ大学生であり、はてな100傑の座を争って、ハンドアクス片手に、はてなの荒野で闘争に明け暮れていた。fladdict.netのブログは数万ブクマとかつけてた。そんなころのお話だ。


〜前略〜

いつも思うのだけど、僕みたいな業界の辺境の住人にとって、コードや技術は隠すよりも、オープンにするメリットのほうが絶対に大きい。

サービスをパッケージ販売できる体力があるならばともかく、サイトレベルでのウェブ製作業では、技術の独占にメリットは殆どないように思える。

なぜならば、技術を独占したところで、1社が全ての顧客を独占不可能な世界だからだ。

だからゲームのルールは「いかに1つの最先端技術を持つか」ということではなく「いかに多くの技術で上位陣に属せるか」が重要なんだと思う。


この2-6-2の法則に基づいた椅子取りゲームでは、オープンソースあるいは情報公開は、極めて強力な武器となりえるんじゃないだろうか、個人にも企業にとっても。


まず個人にとってのオープンソースとかブログとは何か。

それはポートフォリオであり、面接であり、己の能力と生き様をそのままプレゼンテーションの装置として機能する。

リファラーやTBは、業界内のリテラシーの高い人間の位置を教えてくれるし、記事を書き続けることで人との繋がりも生まれていく。

転職活動をする場合、相手が読者ならば、自己へのコンセンサスがある状態から交渉を始めるアドバンテージを得られる。

それだけのものを、金も人脈も後ろ盾のない人間が手に入れる唯一の手段が、情報の開示なのだと思う。


で、ウェブ製作会社のほうはどうかというと、これもオープンソースとブログによるメリットは大きい(と勝手に思っている)。

こちらは人材発掘という面に於いてだ。例としてわかりやすいのは、上位2割の会社の中で最もオープンな企業のバスキュールだと思う。

〜中略〜

制作会社側が高度な情報や技術をブログ上で公開すれば、優秀でしかも意識の高い人材は自然とそのブログに集まり、コメントを残し、TBを残していく。

企業はブログを通じて彼らに対し、社風を企業のスタンスを、入社前に求めることすらプレゼンテーションできる。

そういった人的資源の確保に比べれば、高速なルーチンやら、スニペットの流出など些細なことなはずだ。


そもそも、8ball以降のflashの拡大、そして産業の「あちら側」へのシフトによって、今後は映像、プログラム、ゲーム、印刷あらゆる分野からの流入が予想されると同時に、flashの複雑化によってフェードアウトする方々が大量発生する戦国時代が始まる気がする。まずないと思うが.NETがブラウザで動作するようになって、flash使い全滅というアホな結末も、もしかしたらあるかもしれない。そういうことを考えるとビジュアル・プレゼンテーションというレベルとは分けて考えて、技術や方法論レベルの知の共有化は必要なのではないかと思う。

〜後略〜


まだ企業がオウンドメディアなど誰ももっていなかった時代。あのころイキっていた未来が、いつのまにか現実になっていた。flash絶滅も考慮して備えていたのもよかった。10年単位でブログを書いていると、過去の思考や施策の答え合わせができるのは面白い。

そして、今は13年前にくると信じていた、情報発信の方向を拡張するためのプラットフォームに携わっている。



いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。