読書日記 「観察の練習」

著者の菅さんから、「観察の練習」をご恵投いただきました。

本書は、映像作家であり多摩美術大学の先生でもある菅俊一さんが、日々の生活で発見した「観察の気づき」をまとめた本である。

日常におけるモノの配置、水や空気の流れ、光の反射…etc。著者は、日常生活のちょっとしたシーンの違和感を見過ごさず、さまざまな気づきや疑問を提起する。

モノの配置はそこを通る人々の行動ログであり、水や空気の流れは地形や構造を可視化し、光の反射は光源の存在を示す手がかりだ。著者の気づきのメモは、日常の中で我々が見落としている、膨大なデータの存在を示唆する。こう言った情報を、私たちは無意識のうちに捨て去って、日常を過ごしている。

本書のほとんどは、日常の中の素朴な疑問や発見である。残念ながら、それらの発見が、直接あなたの人生や仕事に役立つ可能性はほとんどない。

しかし、日常の何気ないモノに対する洞察の深さを、レーダーの守備広さを、本書はクリエイターの感覚を擬似的に体験させてくれる。普段、疑問に思いもしなかった角度の考え方、モノの見方をインプットされたら、今後のモノの見方は気づかぬうちに大きく変化するかもしれない。

美大の学生は、そのままプロの作家の視点や、日常の所作を学べる。デザインや創作に関わらない人も、クリエイティブ職の観察視点をシミュレートできるだろう。そこには今まで自分では気づかなかった、新鮮な発見が広がっているはずだ。

自分の視野を広げてみたい人には、広くオススメの一冊。


観察の練習
菅俊一


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