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note.muで書体を選べるようになりました

noteチームはコツコツと改善に取り組んでいます。9-10月でユーザーの継続率が20%アップしました!フォロワー数や読者数の増加を、肌感覚で感じたクリエイターさんもいるのではと思います。

そんなわけで、note10月後半のアップデートのお知らせです。


noteでゴシック体「も」、使えるようになりました。

実験的にnoteのクリエイターさんが、自分のノートで使う書体を選べるようになりました。クリエイターさんが、作風にあわせた空気感を出せるよう、noteチームが応援いたします。実験的に僕のアカウントだけゴシック体でしたが、これからは全員に解放されます。



書体選択をサポートした背景について。

実は統計的には「ゴシック体」の方が可読性が高く、読者に好まれる傾向があります。noteとクリエイターさん両者の利益を考えると、「多くの人に作品を見てもらう」ことが最優先事項です。このため、ゴシック体の導入を検討していました。

一方で、「明朝体」の空気感を大事にしたい人、作品のトーンとして「明朝体」がマッチすると考えるユーザーさんも一定数います。このため、ディフォルトの書体を「ゴシック体」にしつつ、設定画面から明朝体にも切り替えられるようにしました。


リバタリアン・パターナリズムによる、緩やかなゴシック体への移動

noteの基本書体をゴシック変更するにあたり、リバタリアン・パターナリズムと呼ばれる手法を導入しました。

これは、先日ノーベル経済学賞をとったリチャード・セイラー氏の友達のキャス・サンスティーン氏が提唱している、政策導入のための手法です。

リバタリアン・パターナリズムとは、具体的には「ディフォルトの設定を、全員の利益が最大化されるものにする」という手法です。noteの場合は「ゴシック体をディフォルトにしつつ、明朝体にも変えられる」という点が、この手法になります。

リバタリアン・パターナリズムを採用すると、「書体を気にしない人」はディフォルトの設定のままなので、読者を最大化できるようになります。一方で、ユーザーに選択の自由を与えているため、「書体にこだわる人」もケアされます。

リバタリアン・パターナリズムによる行動コントロールの例

・「ゴシック」が初期設定だと、大半のノートがゴシックになる。意図的に明朝を使いたい人だけが、明朝を選ぶ。

・「明朝」が初期設定だと、大半のノートが明朝になる。意図的にゴシックにを使いたい人だけが、ゴシックを選ぶ。

本来は、政府が国民に推奨することを、強制せずに普及させるための手法です。臓器移植のドナー提供率を増加させたり、積立貯蓄を推奨するために生み出されました。規制などと違い、マイノリティの選択の自由が保持されている点がポイントです。

リバタリアン・パターナリズムの最大の特徴は、選択の自由と功利の増幅を同時に達成することができます。今回のような、「ゴシックが最適なのはわかるけど、明朝を使いたいんだ」といった場合に、最適な手法かなと思っています。


他にも、ノートチームは色々な工夫をしているので、また改めてご紹介しますね。今後も、読書体験を向上するよう頑張ります。

みなさま、よろしくお願いいたします。


いただいたサポートは、コロナでオフィスいけてないので、コロナあけにnoteチームにピザおごったり、サービス設計の参考書籍代にします。