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温泉旅行と谷川俊太郎

去年の3月に友達と谷川俊太郎展に行っていた。そこで温泉旅館でごろごろしながら谷川俊太郎の詩を読む旅行がしたいね、という話をしていた。
夏やら冬やらに、その開催を目論んで日光だ〜伊香保だ〜などと言っていたのだけど、よく会う友達なのでお互いにやる気が足りず、なんとなく行こう行こうと言うだけの1年が過ぎ、ようやく温泉旅行に行ってきた。草津温泉である。

都内から鈍行でだらだらと、4時間くらいかけていく。東京駅で駅弁!!なんて言いつつ、私はお高めのおにぎりとお高めの焼き鳥をそれぞれ買った。お高めのおにぎりって絶妙のわくわく加減なので、買いたくなってしまった。

なぜかボックス席じゃなくて、ただの座席でご飯を食べたりしながら、草津についた。
思っていたより寒くて、ちょっとびっくりする。雪も残っているし風も強かったけど、花粉飛んでなさそうで嬉しくなりマスクをひっぺがして、湯畑へ。

湯畑を前に、ぬぁ〜これが草津!! とちょっと興奮。普通の温泉街っぽいレトロもありながら、すべて清潔で新しい感じのする場所だった。若い人も多い。

寒いのでそそくさと、湯畑から0分の距離にある宿へチェックイン。
部屋に入るなりこたつでぐだぁっとする。友達は谷川俊太郎展で買った詩集を2冊と、西加奈子の『ごはんぐるり』というエッセイ、わたしは谷川俊太郎の自選集を1冊と石川啄木の『一握の砂』を持ってきていたのでひとまず机の上に出し、お茶をすする。

こたつからなんとか身を引き剥がして、湯畑を散歩して、温泉に入り、夜ご飯を食べて、いよいよだらだらタイム。
その日宿には私たち以外泊まっていなかったので、心置きなく声に出して詩を読んだ。お互いに違う詩集を読んで、気になるものがあれば音読。結構楽しい。
谷川俊太郎の詩ってやっぱいろんな雰囲気のものがあるよね〜とか話す。あと、自選と他選だとやっぱり趣が違うので、面白い。
谷川俊太郎って、一筋縄ではいかない人なのだなということへの確信を強めた。

友達が携帯いじってる間に『ごはんぐるり』も読んだ。これも結構良い。西加奈子、絶対好きじゃんの気持ちをより強める。
「わたしのお腹は、子犬のようにぱんぱんになった」という文にやられた。食べ過ぎてお腹が子犬くらい大きくなっちゃったんだか、子犬のお腹というのはぱんぱんなものなんだか、分からないけど、パンチが強くていい。
友達もお気に入りのエッセイで、夜ご飯食べてる時に、その感想がらみの世間話をたくさんした。大阪人である自分が、お好み焼きが好き、と口にすることに恥ずかしさを覚える西加奈子、好きにならざるを得ない。

そんな感じで、夜は詩集を読み終わったらすっと寝て、朝ごはんを食べて、お土産を買って、そばを食べて、鈍行に乗って帰る。
楽しい温泉旅行だった。

#日記 #谷川俊太郎 #旅行 #エッセイ #詩

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