『おにいさん、おねえさん、はとりさん』B 観劇メモ

『おにいさん、おねえさん、はとりさん』Bも観てきました…。Aの感想はこっち。外が寒くて中が暖かかったので、鼻水出ちゃうな…と思ったら、笑いすぎのせいで涙も止まらなくて、顔がびちゃびちゃになった…。汚くてすみません。面白かったです。

A観た後に感想見ていたら、人と人との関係の曖昧さみたいなことに言及した感想を見て、あんまそんなふうに感じなかったけど人それぞれだな〜くらいに思ってたら、B観たらそういう気持ちになりました。
1本目と5本目が特に。3本目もちょっと、2本目の字幕も、そんな感じ。出会いと別れを感じざるを得なかった。
Aは何処かに安心感があるなと思ったけど、Bはちょっと悲しい。Aは比較的同じテンポでずっと笑ってたけどBはテンションの揺さぶりがすごくて、総量としては笑いの量は同じかもしれないけど!すごいな!みたいな感じでした。上下左右に揺さぶられた。

1本目
ネギ抜きの方ですよね、っていうの、自分が飲食のバイトしていた時はテリヤキバーガーマヨネーズ抜きのお客さんを覚えていたので、めっちゃ笑ってしまった。ネギ抜きさん。
そういう一方的にちょっと知っている人に、思い余って話しかけてしまったり、感動した帰り道、電車で隣に座った人の肩揺さぶりながらその感動について話したくなったり、そういう感情を思い出した。
それ以上に強い思いをぶつけられると引いてしまったり、するのもわかる。
でもやっぱり、ストリップを芸術!と言いながら風俗だと思っている人と結婚したり、涙を流すほど感動したストリップはお嫁に行くからもう観ないと行ったり、仕事も辞めたり、そういうのが悲しかった。
余談だけど、周りに性、みたいな女の子いなくて!って、言い回し好き。

2本目
文字の入ったジーパン、わかる、わかりすぎる…。小学生だ…!!!ってなった。まさか小学生が登場人物とは!と思いながら見始めた。
始終、ああ、わかるこういうこと言う、の嵐。
漫画家になるって言うのは恥ずかしいとか、いい点を取るとお母さんが喜んでくれるとか、怒られるのは嫌だとか、そういう気持ちが懐かしい。
さんずいに船、男でレオナルドディカプリオ、は言わないけど。くそ笑った。ポケットから紙を取り出しただけでちょっとみんなくすくすしてたのに、レオナルドディカプリオはずるい。絶対面白い。
人って、ばんって押されるだけで面白いんだ、とか防犯ブザー鳴らすだけで面白いとか、笑えるって不思議だ〜ってくらいくだらないことで笑える。
え、えっ?えっ?え、えっ?も、ん〜絵画!!!っ!ってなるのも全部楽しくて、それだけ面白いのに、2人とももう会うことはないんだねってちょっと悲しい。

3本目
まさか小学生の話があるとは!と思いきや、まさか人間以外が登場人物?!だった。
『おにいさん、おねえさん、はとりさん』の中では結構異色なのかな、という気がして(会話のテイストとか)いる。
この話は衣装が可愛らしかった。しおちゃんの手首についてるふわっとしたやつのふわっと感がまさに金魚。ピカピカするのもすごい。
この金魚たちのご主人様は、最近同棲し始めたカップルなのかな〜とか思いながら見てたら、どっちが金魚長生きさせるか対決の金魚だったとは……。
4本目で鐘がなった時は、やっぱりあの金魚たちか…となるくらい想像とかけ離れたご主人様たちだった。

4本目
笑いすぎて何回も笑い涙を拭った。妹ちゃんがずばばばばってやったあたりから(文字にすると訳がわからない)、客席も舞台上も笑いの堰が切れて波に飲まれて、揉まれて落ち着くまでにしばらくかかった。というか落ち着くのではなくて拍車がかかった。
腕相撲でプルプルしても、指相撲でエキサイトしても、何してもなにもかも、笑っちゃう!!!!という激ヤバな空間だった。金魚よ、金魚たちよ、あなたたちのご主人は…という気持ちが、霧散するくらい笑い散らかしました…。
叩いてかぶってじゃんけんぽんのとき、頭の位置確認するやつは、天才だったので、今後いつ叩いてかぶってするか分からないけど、取り入れたいなと思った。絶対に笑っちゃう。やりながら。
そういえば、4本目が始まった瞬間にお兄ちゃんが悪事千里って、ボソッというの、2本目の女の子の悪事千里だもんね…じゃないですか!! ということも地味に忘れられんです。

5本目
4本目からちょっと休ませてほしいよ…ってくらい落差があるのですが、かなり好きな感じのテイストだった。
みかんをむくと、その香りがふわっと漂ってきて、あぁ、静かだなと思った。
離婚して、苗字変わるんだっていう時のえっ、そうなの?という、言葉で2人の会話に対するモチベーションの転換がキュッと入った感じがして、どきっとする。
最初は女の人が引き止めて会話に付き合わせたのに、離婚をするという事実を共有した瞬間に男の人が前のめりになって(見た目にはあまり変わらないけど)、女の人を引き止める形で思い出話をする。
介護とか離婚とか、いとこってそこそこ希薄な関係なのに、血縁の関係の中だから重たい話題がのしかかる。
あの時からずっと言いたかったんだよねっていうパンツの話題は、男の子にとっては思い出話だし、ずっと言いたかったことだけど、女の子にとっては申し訳なさを引き出してしまう言葉で観ていて苦しくなる。
でもなんか、親戚ってこんな感じだよなとも思う。

この10本を通してなにを言いたかったのかはわからないって感想を見かけたけど、たしかに10本を貫く大きなメッセージはひきだせなかったけど、タイトル通りのもの観れたな〜と思った。
あと、知らないひともいるんだけど、はいゆうさんみーんな好きになっちゃうな、みたいな舞台だった。

2019年1月14日 どらま館にて おにいさん、おねえさん、はとりさん

#観劇メモ #エッセイ #感想 #どらま館 #はとりさん

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