見出し画像

言の葉つなぎ Vol.7 片桐勝彦(理事/ギタリスト)

日本のフラメンコ界を代表するアーティストである、理事や特別正会員によるリレーエッセイ「言の葉(ことのは)つなぎ」、第7回は、理事でギタリストの片桐勝彦さんが登場です。昨年12月から今年の1月にかけての日本フラメンコ協会 全国ツアー「フラメンコのちから」の実行委員会のメンバーを務めながら、ギタリストとして全国5ヶ所10公演に出演されました。



文化庁アートキャラバン支援事業「フラメンコのちから The Power of Flamenco」全国公演、無事に終えることが出来ました。会場までお越し頂いた皆さま、配信等で応援して頂いた皆さま、そして出演者やスタッフの方々、誠にありがとうございました。

全国6カ所で開催された公演中、私は館山公演の委員を担当させて頂きました。私と館山との縁は、1994年2月に4大学のフラメンコサークルが出演した「第5回南房総フィエスタ・イン館山」まで遡ります。そして学生フラメンコ連盟が発足。翌1995年からは毎年8月に館山で「学生フェスティバル」や「花火とフラメンコ」などのイベントが多数開かれるようになりました。
 
残念ながら設立当初からのスーパーバイザー間瀬弦彌氏の逝去や房総半島台風、コロナなどの影響で市の撤退もあり、25年近く続いた学生フェスティバルは2019年が最後になってしまいました。しかし、現スーパーバイザー瀬戸雅美氏と館山商工会議所青年部による尽力で、2022年からは「花火とフラメンコ」が再び開かれるようにり、更に今回のアートキャラバン公演で現地の方々と当協会との交流も生まれたことで、館山のフラメンコ熱が再燃したように思えます。
 
館山市役所や商工会議所の皆さまはじめ、地元のフラメンコサークル「ペーニャ・ベルデ」、そして学生フラメンコ連盟など東京からの出演者の皆さま、ご協力本当にありがとうございました。

年齢や地域の枠を超えた協会作品では、普段は別々の場所で活躍している出演者同士の共演が果たせ、実り多い経験となりました。私の師 鈴木英夫氏と私の生徒だった北岸麻生氏との三世代の共演は、私自身とくに楽しい演奏になりました。

来年度からは、フラメンコ協会による文化庁「学校巡回公演事業」も始まります。協会だから成し得る世代を越えたイベントの数々を皆で盛り上げていくことで、全国にフラメンコが更に広まることを期待しております。

館山公演 フィナーレ


かつて、アラブ琵琶のウードがスペインに渡ってギターが誕生しました。また、アフリカ音楽や西洋音楽が組み合わさってブルースやジャズになって世界に広まりました。文化は他の地に渡ることで更に発展していくものです。
 
その意味からも、日本におけるフラメンコは重要な意味を持っていると確信しております。今後もフラメンコのカンテ、ギター、バイレ、そしてそれに伴うパルマや楽器の数々を皆で盛り上げていきましょう。

片桐勝彦



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?