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ソウルレコードフェアに行ってきました!

 2023年11月18日、19日に開催されたソウルレコードフェアに参加するため、韓国に行ってきました!今回はその時の模様や、現地で購入したものについてご紹介したいと思います!


ソウルレコードフェアとは?

 ソウルレコードフェア(서울레코드페어、以下SRF)とは、その名の通り韓国のソウルで開催されるレコードに特化したイベントです。12回目を迎えた今回は江南の大型コンベンションセンター、COEXにて行われました。韓国国内の数多くのレコードショップが集結するだけでなく、この会場でしか買えない限定盤、アーティストや本の著者によるトークショー、レコードに関連したグッズ販売など、レコード好きや音楽好きにはたまらないイベントとなっています。


事前にホームページをチェックしよう!

 SRFの公式サイト、またXInstagramなどのSNSには、事前に出店者の紹介や、今回販売される限定盤の案内などがされるので事前に目を通して、何を買うかやどのブースを回るかシュミレーションするのも非常に楽しいです。またSRFの面白いと思った点なのですが、公式サイトの中に期間限定で自由に書き込みができるページが開設され、そこに来場者が探しているレコードを書くと、そのレコードを持っている出店者が返信をしたり、出店者が自由に宣伝目的で記入をしたりできるようになっていました。かなり多くの書き込みがされていて、日本のアーティストのレコードを探している書き込みも多く見られました。

公式サイトより(期間限定のため現在は見れません)


いよいよ参戦!

 今回私は初日に参加してきました。会場付近に掲示されているSRFのポスターを見るにつれて、ついに念願のSRFに参加できるんだ!という期待で胸が高鳴りました。このSRFを象徴するレコードをかたどったグラフィックは初回からstudio fntイ・ジェミン氏が手がけています。開場時間である11時の少し前に会場に着きましたが、開場前にもかかわらず既に限定盤を求める来場客が多く並んでいました。

会場入り口
開場前の様子

 また今回はTUKATAという韓国のブランドとコラボしており、会場に向かう途中には可愛らしいイラストもお出迎えしてくれました。会場内ではグッズの販売もされていました。

この可愛い看板を頼りに進んでいくと会場にたどり着きました!

 そしていよいよスタートです!ソウルはちょうど初雪が観測された時期でかなり冷え込んでいましたが、会場内はたくさんの来場者の熱気で、寒さのことなど忘れてしまうほどでした。70近いブースの中には韓国の老舗レーベルOASIS RECORDSの紹介コーナーや、日本のレコードプレスメーカー東洋化成、台湾のレコードショップLOW Recordのコーナーもありました。至る所で行列ができていて、見にいくとアーティスト本人によるサイン会が行われていたりしました。日本独自の文化である縦書きの「帯」がついた日本のレコードもたくさん並べられていました。

OASIS RECORDSのブース

 途中で、チャン・ギハと顔たち(장기하와얼굴들)のプロデューサー兼ギタリストの長谷川陽平氏による著書『도쿄레코드 100 (TOKYO RECORDS: 100 ALBUMS OF HASEGAWA YOHEI VOL.1)』に関連したトークショーにも参加してきました。この会場で実際に書籍も購入したのですが、日本に持って行って、レコードショップで探しやすいように五十音順で作品が並べられており、また後半部分には、「ディグる」際に使える日本語が紹介されているなど、日本人の私にとっても非常に勉強になる一冊です。(ちなみにこの本のデザインも先ほどのイ・ジェミン氏が手がけています)

こちらはレコードショップ・Gimbab Records(김밥레코즈)でも購入できます!

 これこそがレコードフェアの醍醐味でもありますが、買うか悩みつつ一度ブースを離れた後に、やはり欲しくなって再び向かうともう売り切れているなんてことも多くありましたし、逆に先ほどは置いていなかった商品が時間が経ってから並べられていたりなど、会場内を何周しても新しいレコードとの出会いがあって、途中休憩も挟みつつ、最終的には一日中楽しんでしまいました!来場者は想像以上に若い世代の人が多く、気になったレコードの楽曲をMelonのような配信サービスで検索し、その曲をスマートフォンで聴きながら購入を悩んでいるというような、独自のスタイルでSRFを楽しんでいる人々の姿をよく見かけました。

会場内の様子

購入品紹介

 せっかくなので、今回ゲットしたものをいくつかご紹介したいと思います!

★ペク・イェリン(Yerin Baek) / tellusboutyourself・tellusboutyourself Remixes

3枚組ということもあり、今回購入した中で一番高かったのがこちら。ペク・イェリン、そしてThe Volunteersのレコードはどのブースでも人気商品でした。レコードで聴く彼女の歌声はより一層味わい深かったです。次回以降は彼女の他の作品も手に入れたいです。

★NOISE / Sound Shock

以前読んだ『アジア都市音楽ディスクガイド』でこの独特なジャケットの画像を見てからどんな作品なのか気になっていたのですが、今回たまたま見つけることができたので購入してみました。ジャケットに大きく記載されているように、さまざまなジャンルの音楽が盛りだくさんで、聞き応えのある1枚でした。

★sogumm / Sobrightttttttt

Balming Tigerのメンバーとしても活躍しているsogummが2019年にリリースしたアルバム『Sobrightttttttt』が今年10月にレコードとして発売されました。針を落とすと彼女の特徴的な歌声、そしてドリーミーなサウンドが部屋いっぱいに広がって、レコードで聴くことでより一層好きになったアルバムです。MACHANG MUSIC & PICTURESという、韓国のレコード制作会社のブースで購入し、なんと中には彼女の直筆サインが入っていました!この会社で制作されたレコードは他のブースでも多く見かけました。

★Light & Salt / Light & Salt Vol.1

こちらもsogummと同じブースで購入しました。韓国におけるシティポップの名盤であるこの作品ですが、今回購入したのは<韓国大衆音楽名盤 100 : LP名盤シリーズ>という企画で2019年にリマスタリングされたものです。TOMORROW X TOGETHERが2020年にカバーした「Fairy of Shampoo」のオリジナルも収録されています。

★ステラ・チャン(Stella Jang)/ WinterStella

中には可愛らしいポスターが入っていました

ステラ・チャンが昨年リリースしたクリスマスアルバムです。有名なキャロルの数々とオリジナルが収録されたこのアルバムを聴いていると、クリスマスが楽しみで仕方なかった幼い頃の感情が蘇ってきました。来年以降もクリスマスが近づくにつれて、擦り切れるくらい聴いてしまいそうです。

★zin / never know

8BallTown所属のアーティストzinが2022年に配信リリースした「never know」「bbul」が収録されています。90年代のヒップホップやR&Bの雰囲気を現代に昇華する8BallTown所属アーティストたちの音楽はとにかくレコードが似合います。今回も購入して大正解でした!


最後に

 社会人になってからレコード収集を細々と始め、パンデミックの期間にこのフェアのことを知りいつか足を運んでみたいと思い続けていたのですが、ついに今年行くことができ、密かに抱いていた夢が一つ叶いました!今回はただブースを巡るだけで精一杯だったので、次回以降は出店者におすすめを聞いて購入したりなど、もっと交流を大切にしながらSRFを楽しみたいという、新たな目標ができました!

 SRFは入場無料で気軽に参加できるイベントですので、韓国の音楽が好きな方、そしてレコードフェアに興味のある方は、来年以降ぜひ足を運んでみてください!最後まで読んでくださりありがとうございました!

サムネイル:筆者撮影
参考文献:
後藤哲也 編著「K-GRAPHIC INDEX 韓国グラフィックカルチャーの現在」グラフィック社(イ・ジェミン氏が手がけたSRFのグラフィックについて紹介されています)
菅原慎一、パンス監修「アジア都市音楽ディスクガイド」DU BOOKS

※写真の一部にぼかしを入れております。



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