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マンション購入体験記その8/売却編「価格設定ミス」

前回までの話

前回の要約
熾烈な仲介手数料割引競争の結果、専属専任媒介契約を結びました。

さて、そんなわけでいよいよ3年住んだマンションの売却に向けて動き出しました。

マンション売却までのステップとしては

  1. 媒介契約を結ぶ

  2. 売り出し価格を決める

  3. レインズに登録する

  4. 室内写真を取る

  5. 内覧希望者がいたら掃除する

というのが最初の方にやることです。
媒介契約は「御社に決めます」と言った次の日くらいには自宅に訪問してくれて結びました。そこで室内の写真を撮る日程なども決めたのですが、肝心なのが売り出し価格です。

売り出し価格の決め方

一応、不動産会社各社とも査定価格は出しています。
査定価格とは「この値段で出したら3ヶ月以内にはまず間違いなく売れると思うよ」という価格です。あくまでこれは参考価格に過ぎず、実際にいくらで売り出すかは売り主の自由です。査定価格より1000万上乗せしてもいいし、1000万差し引いてもいいわけです。

契約したB社の査定価格は「5690万円」でした。

営業「ふらみんごさん、それで売り出し価格なんですが、いくらで出しましょう?」

「うーん、そうですねー。査定価格って3ヶ月以内に売れそうな価格ってことですよねー。いま3月ですけど仕事の関係で引っ越しできるのは8月以降なんですよね。だからあんまり早く売れすぎても逆に困るんですよね。だからちょっと強気に出してみたいんです。いくらくらいがいいですかねー?」

こんな風に相談しながら価格は決めていきます。

営業「そうですね、実際に売れるときにはだいたい指値が入りますので5890万くらいでしたら多少値引きしても適正価格に近いかと思いますのでそのあたりが妥当かと思います。」

「なるほどー、5890万ですかー、そこまでいくならいっそ5980万まであげちゃってもいいかもですね。というかA社は6200万で売れるって言ってたじゃないですかー?1ヶ月という販売期間じゃ6200万無理って御社言ってましたけど、期間を延ばせばそれくらいいけたりします?」

営業「うーん、6000万を超えるとですね、5000万円台で探しているというお客様の検索条件に引っかからなくなります。逆に6500万円以内で探しているというお客様は5000万円台のマンションはほぼ見ないので、その層にリーチはできるんですが、母数としては5000万円台で探されている方の方が多いです。ですので、やはり売却が長期化する可能性は上がります。ただ、今回売却を急いでいないということですので、6200万でチャレンジしてみるという選択肢も十分あるとは思います。」

「そうかー、そうですよねー。うーん、どうしようかな。けっこー最初の売り出し価格大事って言いますもんねー。」

営業「はい、中古マンションは売り出して最初の1週間がもっともお客様にリーチできます。なぜなら市場にいるお客様は今出ている全ての物件をチェックし終わっているので、新着物件は今いるお客様全員が一斉に注目して見るんですね。そのお客様は既に出ている物件は購入対象外だと思っているので、新着に出た物件にすぐ内覧希望してくるということは、もう散々探した後で他に選択肢がないのでお申し込みになる確率が高いんです。逆に最初の3ヶ月程度で潜在的なお客様が全員チェックし終わってしまうので、その後は新規に探し始めたお客様にしかリーチできません。3ヶ月を過ぎて売れなかった場合はその後、長期化する恐れがあります。」

「ですよねー、ここは欲張らずに5980万が妥当かな・・・。5980万で売り出すことにします!!」

営業「かしこまりました。それではさっそく今夜レインズに登録し、弊社が抱えているお客様にもメール送信します。」

「お願いしやす!!!」

その日の夜・・・

お酒を飲みながらぼくは考えました。

「5980万は日和ったんじゃない?」

「5980万と6200万って200万円も違うよ?」

「200万ってちょっとした車が買えるし。200万貯金するのどんだけ大変か。」

「1回高値で出してみてダメだったらすぐ下げればいいじゃない。5980万で出してすぐ売れたら後悔しそうだし。」

「チャレンジしないなんてあり得ないんじゃない?」

酔っぱらいながら、ぼくはB社にメールしました。

「すいません、やっぱり6180万にします!!!」

元々5200万くらいで売れたらいいやと思ってたのに人間、欲が出てくるんですね。これはA社に6200万で売れるって言われなかったらたぶん思わなかったと思います。

次の日の朝・・・

営業「メール拝見しました。5980万から6180万に価格変更ということですね。かしこまりました。既にレインズには登録し、お客様にもメール送ってしまっているので価格更新ということで再度手続きさせていただきます。」

「あ、そうですよね・・・。はい、お願いします・・・」

これは正直ちょっとやっちまったなと思いました。売り出してわずか12時間後に値上げして価格訂正。これではメールを受け取ったお客さんは仮に興味を持っていても「は?」って思っちゃいますね。

そんなお客さんがいたかどうかは今となっては分からないのですが、実際に売りに出してから1週間反響(問い合わせ)は0でした。

余談ですが、部屋の写真はレインズに登録してから1週間後に撮影し、さらに2週間後に掲載だったので、最初の方は営業担当社がスマホで撮った写真を使ってました。

※当時の実際の写真


最初の内覧

売り出してから2週間後・・メールが届きました。

「ふらみんごさん、1件お客様のご案内です。急なお話ですが、明日14時半より他社様のお客様ですが、内覧希望者がいます。ご家族4名様で、お子様お2人がマンションの前の小学校に通学しているそうです。過去に同マンションの他のお部屋をご見学済みです。」

キターーー!!

2週間長かったです。
まず思ったのは「他社紹介」これは囲い込み対象じゃない人ということです。そしてマンションの前の小学校に子供が通学中。めっちゃ有力じゃん。

そしてここから思い知ることになるんですが、居住しながらの内覧対応はめっちゃめんどくさいです(笑)

もちろん部屋を掃除しないといけないのですが、普通友達が家に来ても掃除するのは主にリビング、あとはトイレくらいじゃないですか。

でも内覧の場合は文字通り全てチェックするわけです。クローゼットの中や、寝室、ベランダ、浴室浴槽、キッチンの棚や食洗機まで隅々まで綺麗に整理整頓、ピカピカに掃除しないといけません。これを内覧予約が急に入って「明日見たい」と言われたら対応しないといけないのでそれはそれは大変でした。

さらに基本的には「いらっしゃいませ」とお迎えもしないといけません。そしてだいたい30分くらい対応した後、夜に来る営業からのメールをドキドキして待つというルーチンです。

内覧結果

営業「ふらみんご様、昨日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。さてさっそくですが、昨日のご案内結果についてご報告申し上げます。結論から申し上げますと『検討中』でございます。仕様や間取りについてはお気に召しているものの、お部屋からの眺望を気にしていらっしゃるとのことでした。即決とならず申し訳ありません。」

というようなメールが届きました。こんな感じで直後の感触やダメな時はなぜダメだったのかを分かる範囲で教えてくれます。

そして徐々に分かっていくのですが、だいたいの人は「検討中」と言って、その後「やっぱり買う」とはならないのです。「検討中」って言っていた人がいっぱいストックされてるからそのうち売れるじゃと思いますが「検討中」ってのは「買う気にはならない」ということなので売れないんですよね。自分が買う立場でもそうかなとは思います。

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