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NYメガバンクも、リクルーティングに苦戦!?STEM人材が鍵

金融業界の最先端を走る日本人にお会いし、New Yorkや金融業界の魅力を伝えたいという想いから、直接インタビューし、学んだことや自身の考えをMegが連載にしております。是非、就職活動やライフプランニングの参考になれば嬉しいです!

第一回である今回は、Bank of America Merrill Lynch(※日本ではバンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ、メリルリンチ日本証券株式会社)にお勤めのAyumiさんにインタビューをさせて頂きました!


Bank of America Merrill Lynchについて

投資銀行業界や証券業界では、ゴールドマン・サックスやJPモルガンに並ぶ大手金融グループ。略称はバンカメ(アメリカでは、BofAだそうです)。
参考までに、バンカメのM&Aのグローバル市場での取扱額ランキングは5位、日本国内市場では9位。(参照:外資就活ドットコム(2019))

実は弊社(PYD Japan株式会社)の代表である酒井レオも、元バンカメの全米トップセールス!
そんな所縁もある、バンカメのNY本社にお邪魔しました。本社は、広大な芝生を花道が囲むパリのような世界観を漂わせるBryant Parkの向かいに位置する高層ビルです。


Ayumiさんのプロフィール

Bank of America Merrill LynchのNY本社でご活躍されているAyumiさん。現在はコンプライアンス部門に所属されており、高校生向けのSTEMキャリアイベントの企画担当もされています。日本人とアメリカ人のハーフであるAyumiさんは日本で育ち、日本国内の大学を卒業されています。

新卒ではパナソニックの人事、その後、大和証券NY、三菱UFJ銀行NY、そしてBank of America Merrill Lynchへとキャリアをチェンジされてきました。


メガバンクのリクルーティングの現状

最近、FinTech(FinanceとTechnologyの造語)という言葉をよく耳にしますね。

この流行の背景として、バンカメを含む金融機関全てがテクノロジーを取り入れることで業務の効率化を急速に推し進めています。

それに伴い、人員の削減も免れません。主に単純な業務の職種を始め、銀行や証券会社では既存の人員削減のみならず、一部の企業・部門では採用自体も減ってきております。(参照:efinancial careers(2019)日経新聞(2019))

しかし、採用枠が減少しているにも関わらず、志願者の人数も急速に減っていると言われております。これは金融業界自体の将来に対し疑問を抱いたり、キャリアの存続性に不安に抱いたりする人が増加しているからです。本屋さんに行くと、「捨てられる銀行」「金融排除」「金融に未来はあるか?」「銀行員はどう生きるか」というタイトルの本も、、、

バンカメも同様に、「近年ではFinTechへの人気が上昇しており、優秀な人材確保の競争がより激しくなっている」とAyumiさんは言います。


これからはSTEM人材の採用強化

今、NYでは金融機関のみならず、幅広い業界において、STEM人材の育成・採用に注力をしています。

そもそもSTEM人材というものが何かご存知でしょうか?

STEMとは、
S (Science/化学)
T (Technology/技術)
E (Engineering/工学)
M  (Mathmatics/数学)
という4つの理系分野の略称で、これらのいずれか/複数の分野に精通した人材をSTEM人材と言います。

DIAMOND IT&ビジネスによると、アメリカでは、STEM教育予算に年間約30億ドルを投入し、2020 年までに初等中等教育の優れたSTEM分野の教師を10万人養成。2012年からの10年間でSTEM分野の大学卒業生を100万人増加させるなど、具体的な数値目標を掲げて取り組んでいます。アメリカを発祥として、今では日本も含め、世界規模でSTEM人材の重要性がうたわれています。

STEM人材の需要が拡大している背景は、これからテクノロジーがますます発展していく時代、多くの職業が、情報技術や電子工学、機械工学と密接に関わるようになるためです。文系学生であってもSTEM分野の知識やスキルがあることが期待されています。

バンカメでもSTEM人材の採用を強化しております。

私が面白いと思ったバンカメの取り組みの一つは、高校生向けにSTEM分野を活かした金融キャリアのセミナーを開催していることです。Ayumiさんは現在、その企画メンバーとして携わられていますが、「この企画を通じて、STEM分野の知識やスキルはIT業界のみならず、金融業界でも活かせることを、高校生という早い段階から知ってもらいたい」という強い想いをお持ちでした。


最後に

就職市場では最難関と言われている外資系金融ですが、実際には人材の確保、特にSTEM人材の確保という課題に直面していることが分かりました。

またNYの企業は高校生をもターゲットにPRしている実態を学びました。
大学生になると、就職活動を意識し始め、「このキャリアルートが当然だ」という考えが浸透してしまいます。
採用に苦戦している日本の企業も、敢えてキャリアに対する意識がまだ曖昧な高校生に、”考えた事のなかったフィールドでも将来活躍出来る”ことを伝えることを検討してみてはいかがでしょうか?

Ayumiさん、貴重なお話を有難うございました。

(Bank of America Merill Lynch本社の最上階から見えるマンハッタンの絶景と共に。)