VRバンド、Syncroomの音をミキシングしろ

始めましての人は初めまして、お知り合いの人はこんばんは。
VRChatで不眠症女というバンドでギターボーカル、Blood OrangeというバンドでギターをやっているThis is フレア・スカーレットでございます。
先日Blood Orangeの初ライブがあったのですが、そこでSyncroom遠隔VRライブで一番良い音響で演奏をしたのでそのやり方を共有します。

Syncroomでセッションしているメンバーの音をDAW上でそれぞれトラックに展開し、ミキシングした状態でTopazChat等に音声を流し込みライブを行う方法です。
わたしはReaperというDAWを使用しているのでReaper向けの説明にはなりますが、他のDAWを使用している人でも可能なはずです。多分ね。
あと説明が下手なのである程度DAWを使い慣れている人向けになるとは思います。ゆるして。

まず、DAWとSyncroomを連携させます。
DAWとSyncroomを連携させるためには、Syncroomのインストーラーをダウンロードしたときに同じzipファイルの中に入っているSyncroom VST Bridgeというvstプラグインを使用します。

本来は今回のように各メンバーの音をそれぞれトラックに振り分ける場合には同じzipファイルに収録されているSyncroom VST Bridge(sub multiout)というVSTプライグインを使用することが想定されている様なのですが、わたしの環境だとsub multioutを使用すると死ぬほど重くなる(バッファサイズをめちゃくちゃ上げないと音がグリッチする)のでsub multioutは使用しませんでした。普通にできました。なんで?
これをDAWのトラックに読み込ませると、そこに入力された音がSyncroomに入力されます。

本来は演奏する楽器のトラックかマスタートラックに読み込ませることが一般的だと思われますが、今回そうしてしまうと管理が非常に煩雑になってしまう(と思われる)ので、Syncroomの入出力を管理するためのトラックを作成しそこに読み込ませます。

このままだと普通にこのトラックにsyncroomの他のメンバーの音が入力されるだけなので、設定していきます。

まず自分の音をSyncroomに入力するために、入力したい楽器のトラックからSyncroom用トラックにセンドしてやります。

画像ではjazzmasterというトラックとvocalというトラックからレシーブしています。(トラックからトラックへ送ることをセンド、受け取ることをレシーブ(一般的にはリターンだと思います)といい、セットになります)
また、このままだと当然音が二重になり音量がクソデカになるのでマスターセンドのチェックを外します。(画像左上)

次に、他のメンバーの音を受け取るための設定をします。
VSTプラグインの調整の画面で、Syncroom VST Bridgeの出力を増やしてやります。

上の画像の右上の方にある2 in 14 outというボタンをクリックすると、下のようなウィンドウが出て入出力の設定ができます。

これはすでに設定されたものですが、画像左下のTrack channelsがもともと2になっているところを14に設定してやるとメンバー4人分+ルーム連結分の音を個別に出力できるようになります。

続いて、増やした出力チャンネルを別のトラックにセンドしてやります。

センドした際、レシーブ先トラックでチャンネルを指定してやります。
今回はメンバー1(Syncroom上で自分を除いて一番上に表示される人)の音を使いたいので、メンバー1の出力チャンネルである5/6を指定しします。
他のメンバーについても同様に設定してください。

あとはプラグインなどを使用してミキシングすれば良いのですが、Syncroomの場合遅延が気になるかと思われますので、なるべく遅延の少ないプラグインを選んで使用するようにしてください。
マスターチャンネルでの処理についても同様ですが、ここでの遅延については抜け道があるので後述します。

ミックスができたらこのままTopazChatに音を流し込みたいのですが、そのままではできないのでオーディオインターフェイスのループバック機能を使う、もしくはオーディオインターフェイスを複数利用して物理的な配線でループバックしてやると良いでしょう。
ループバック機能を使う場合はASIO入力であることが必要だと思われるので、OBSにASIO入力するためのプラグインを使用しましょう。(調べれば出てきます)
複数のオーディオインターフェイスを使う場合は、複数のASIOを使うことによる干渉(があるのかは不明ですが)を避けるため、また音質的にもそれなりの音質であればよく遅延もそこまで気にしなくて良いため、このような簡易的なオーディオインターフェイスを使うことが経済的にも良いでしょう。

こうしてループバックにより音声をTopazChatに配信していざVRライブ…と行きたいところなのですが、このままだとおそらく問題が発生します。
VRChatの音声がTopazChatに流れてしまうのです。
高品質なオーディオインターフェイスであればルーティングにより回避できるかもしれませんが、わたしが使っているオーディオインターフェイスでは対応できなかったので物理的に対応しました。

このような簡易ミキサーを使用して、VRChatの音をオーディオインターフェイスとは別のところ(パソコンの標準出力や別のオーディオインターフェイス)から出力してやり、DAWの出力と混ぜて一つのヘッドフォンで再生しました。

そしてマスタートラックに挿したい遅延のあるプラグインを使う方法ですが、OBSに音を入力したあとOBSでエフェクトを掛けることで対応できます。(OBSの音は聞かないので)
標準ではVST2.x系列のみの対応ですが、これを使うことでOzoneなどの遅延は大きいが有用なプラグインを使うことができます。

以上、Syncroomの音をDAWでミキシングすることによりSyncroomでの音量調整だけの時よりも格段に音質を向上させた状態でVRライブをすることができます。
みんなで最強の音を出して最強になって最強のシーンを作っていこうな。

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