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デザイナーのためのコミュニティバー

本当はもっと早くにこの記事を書けていたらと思い、今更ながら当初の思い出を振り返りながらこれを書いています。

初めまして、私はFLATという浅草にあるデザイナーが集まるバーをやっているマスター兼プランニング担当をしているツモマー@mah_tsumoです。
簡単に自己紹介をすると、今まではクライアントワーク中心のアートディレクターの仕事をしていましたが、来年からブランディングやプロダクトのデザインチームに所属して色々やる予定でいます。趣味は深夜徘徊。

FLATとは・・・

デザイナーが集まってデザインの話をしたり、仲間を作るコミュニティバーになっています。デザイナーじゃなくても、デザインが好き、デザイナーと繋がりたいという方も楽しめるようになっています。
営業日は基本的に第1,3土曜日の18:00-27:00となっています。場所は浅草駅から徒歩7-9分ほど歩きます。
デザイナーのバーということで、デザイナーがよく使うであろうツールの名前のカクテルなどが用意されています。

左はIllustrator、右はPhotoshopという名前のオリジナルカクテルです。

デザイナーのバー?さて、どんなバーなのか、おしゃれなデザイナーズ飲食店?とイメージされる方もいると思います。インテリアや空間にこだわったバーというわけではなく、結論から言うと「デザインが好きな人たちがデザインについて語るバー」になっています。


デザイナーと言ってもどんなデザイン?とまた疑問に思うかもしれません。
昔だと「デザイナーと言ったらファッションデザイナーだよね!」というのが定番でした。(おそらく今の30代後半以上の方はそう言うかも)

当店でいうデザイナーはファッションに限定はしてないし、おしゃれなインテリア空間を作るデザイナーだけを対象ともしていません。言ってしまえばFLATでいう「デザイナー」とは、デザインの仕事や活動をしている方、ジャンル領域を問わず、グラフィック、web、プロダクト、インテリア、すべてのデザイナーを指しています。もちろんデザイナーじゃないけど、、、という方もデザイン好きでデザイナーの人と出会いたい!なら大歓迎です。

少し回りくどい説明になってしまいましたが、ここからが本題です。

デザイナーが集まるバープロジェクト始動


もともとバーで飲むのは好きだったのですが、自分好みのバーというのがなかなか見つけられずにいました。それってどんなバー?と聞かれても条件としてはざっくりしていました。

もし、バーでデザイナーに会って話ができたらどんなに素敵な夜になるんだろう!そんなことを考えて都内のバーを探してみました。しかし、思った通りのバーは存在せず(自分の検索スキルがないのかも)デザイナーの友達と飲むときもスケジュールを立てるなると私にはハードルが少し高いし面倒臭いと感じてしまいました。

それなら、、、自分で作ってみてもいいかも。
単純な理由ですが、理想に近いバーを現実的に再現できるレベルでとりあえずはじめてみようと行動に移しました。

デザイナー×バー×コミュニケーション

普通バーとなると初見のお客さん同士が気軽に会話できるものではありません。よくバーでナンパすると言われますが、あれは相当なレアケースだと思ってください。というのも、バーというものは基本お客さん同士の間に見えないカーテンがあります。なので、初見で会話が生まれると言うのことはマスターの意向や何かしらのきっかけがないとまずありえません。

それを逆手にとり、自分のバーではコミュニケーションを気軽にできるようなバーを作ろうと思いました。デザイナー同士が気軽に話せて、知り合って関係が築けて意気投合したら「一緒に何かやらない?」と、そんな会話が生まれるようなバーができたら素敵だなと。むしろ自分も参加したい。


以上のようなバーを作るために、もう少しアイデアを練りこみ、コンセプトを作りました。

「人と人との壁がない」
凄腕デザイナーも初心者も学生も、グラフィックもwebもプロダクトも、年齢性別の境はもちろん。そういう壁となるものを取っ払って気軽にコミュニケーションができる環境を。

「0→1が生まれる空間でありたい」
バーで出会って仲良くなり、一緒にプロジェクトをはじめたり、仕事をしたりと、今後のデザイン人生の仲間を作れるギルド的なものを。

「ふらっと遊びに来れる」
いつでも遊びに来れて、そこにはいつも気軽に飲める仲間と巡り会える。

この3のコンセプトを作りバーのスケールやアイデンティティを作り、このバーの名前を「FLAT」と名付けました。

このコンセプトの割に全然気軽にいけないじゃん!なんかレベルたかそうなイケイケデザイナーばっかりじゃない?!と言われることも多いですが。
そこは意図的にパラドックスというスパイスを加えています。

見えないコンセプト

「ふらっと遊びに来れる」というコンセプトならロゴはもう少し柔らかくていいんじゃない?とか、看板が黒でハイセンスだけど。。。コンセプト大丈夫?と言われることも多々ありますが、これには理由があります。

最近はツール使い方戦争やアウトプットありきがデザインです!という風潮が増えてきていました。個人的には、それもある意味正解ではあると思いますが、デザインの本質としてはもっと先にあるものだと個人的に感じていました。

デザインとは、見た目と機能の二つが優れていて初めて良いデザインと言われます。どちらが欠けていてもいけないし、それを作り出す考えるためには情報の設計や問題課題を理解しないといけません。
いやいや、それデザイナーとして当たり前でしょ?という人からすると何を今更言っているんだい?と思うかもしれません。むしろそれを当たり前だという感覚を持ってほしい。

そんなお客さんと出会い語り合う場所を作りました。

webサイトはありません。バーの情報はtwitterか口コミだけです。
そして営業日も月に2度だけという、かなり限定的なものにしています。それが非日常な空間を生み出し、普段にはないデザイナー同士の濃いコミュニティを築けていけるのではないかという仮説を立て、今日に至ります。

現在


まだまだ認知はされていませんが、毎回新規のお客さんがきてくれます。決まって「ずっと気になって、twitterを見てきました」「○○さんに紹介されてきました」という声をいただき、中の人としてはとてもとても嬉しいです。
常連の方もオープンから欠かさず来ていただいている方も数名。

また、代理店の方やデザイン会社の方がデザイナーを探しに来たり、ウチでもやってほしいという声もいただけるようになりました。

私自身も、バーで出会ったお客さんと一緒にプロジェクトを立ち上げたり、お仕事をいただいたり、お客さんのドラマチックな就職の場面もあり、まるで映画の中の世界かと思わせるようなドキドキワクワクする素敵な日々が止まりません。

今年の営業は残り2回となります。特別な忘年会などはしませんが、もし気になる方はFLATのtwitterをチェックしてください。

デザイナーのためのコミュニティバーFLATでお待ちしております。

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