下書き供養芸 202312

年が明けましたね、前月分です。

「性善説をもとに構築されたシステムを悪用することがハックとされる中で、その悪用可能性を把握しつつも利用しないのがカルチャーやファンダムだなと思うきっかけがどこかにあったんだとは……」まで書いてやっと思い出した。これ早稲田茶箱の話だ、mmmに遊びに行ったときのやつ。

茶箱って水がNYPだし(投げ銭というか募金できるようになってる)、豚汁が出てもNYPだったし鍋もNYPでした。互いに思い合うからこそ成立して、全体の効用がガンガン上がっていくサービス提供構造って古典派的にはなかなかありえない話だし、それを店主と客、演者の関係性で作り上げていく空間はやっぱカルチャー特有だよなと思います。

これははっきり覚えてますね、出社してるときに車内のサイネージに出てた人権週間の広告にムカついたやつです。怒りのほうが記憶に刻まれがち……。

29年ずっと知的障害の人が生活にいていろんな光景を見てきたので、この広告で「人権を考えよう」とか言われるのはすごく気持ち悪かったです。性の多様性とかバイアスとか明確に人の内面の部分に触れてるのに、障害は身体障害という可視化されてるものがアイコンになってるのがキモくて。

同じような感じで社内でも研修があったんですが、普通に嫌な気持ちになったので5倍速で視聴した体にしました。中身も大したことなかったし。自分がそういう環境にいたからだとは思うんですが、どれだけ障害は身体だけじゃないとか書いてあっても可視化されてるところにしか目が行ってないことが気になって仕方がない。結局そういう善人ポーズを取ってるだけにしか見えない(まあ実際そうなんだろうけど)し、それで「考えてる」とか言われてもふざけてんのかとしか思えないです。まだ「考えてないですよ」って言われる方が「そりゃそうだよね、わかんないもんだし。こっちで考えるからとりあえず今のままでいい」となれるんですよ。

これはano_koroに行ってかかった「THE BUNGY」を聴きながら、NICO Touches the Wallsのライブに行ってた頃のことを思い出して「あれ悲しかったな……」となったやつですね。そのタイミングでmoppさんに「お仕事の時間でーす」ってイェーガーに呼び出され、耳元でデカい声でサビを歌い出してしまったのでごめんという気持ち。

あのバンドは売れ線に行ったとかあんまり良くない決めつけだよなとこの歳になると思うんですが、あの当時CMソングにイマイチな曲の「手をたたけ」をタイアップされて、それで売れてどんどん曲がイマイチになっていったのを目の当たりにしたのも事実なわけで。当時の感性が今より豊かかどうかは怪しいけど、今聞いてもやっぱりあの辺から曲が没個性的になっていった感じはします。

これたぶん「カノジョも彼女」のミリカを見てて思ったやつですね。ギャグ要因で遊ばれてる間は全然気にならなかったんですが、本気で絡んでくるようになってから「うわ〜こいつ無理かも」と感じたんですよね。この無理って感覚は「嫌いだわ〜」とまた違ってるので説明が難しいけど、無理なものは無理。でもこういうキャラクターって結構オタクに人気なんだよな〜と思うと、私はやっぱ思春期をオタクカルチャーを通らず過ごしたよそ者というか、にわか者だよな〜とは思います。

自分がまっすぐあってそれを貫き通すという姿勢自体は素晴らしいけど、それを貫き通すにあたって「他人にめちゃくちゃ迷惑をかけ、しかもそれを悪びれず、何なら他人にその考え方を押し付ける」とかいう最悪3拍子で無理だとなりました。何も生み出さない破壊は悪。

何も覚えてない。リスペクトされるべき点はあるが、それを「私がやりました」と調子に乗ってるものを見てだとは思うんですが……。そういう意味では最近のサイエンスホールのTwitterかな?

こういうものには程度ってあると思ってて、すごいけど言うほど大したことないものを自分から自信満々に言うと、見てる側としては「すごいと思うけど、その態度取られると冷める」という話。

たとえばインフラ周りの整備をしている人たちとかってリスペクトをこっちから送るべきで、まかり間違ってもユーザーが横柄な態度を取ることは誤りだと思うのですが、それを「俺たちが支えてやってるから街が機能してる」とか言われると、「いやそうなんだけどさ……」となってしまうんですよね。社会という複雑系の中で業務の寄与する範囲が大きいし、それが見えづらいのは事実だけど、他の領域で同じようなインパクトを与えてる存在もあって、そこに対するリスペクトを欠いてるように見えるというか。

謙虚が結構な割合で良くないこともまた事実なので、どっちがどうとかはないんですけど、自負するときの程度というか、ちゃんと自負するに値する範囲とかサイズを認識するということなんでしょうね。


両親のコロナ罹患に振り回され帰省に失敗しました(KinKi Kidsのライブも見れず)が、友人宅には行きたくて大阪に1日滞在しましたので、往復で映画を2本。

ん〜、なんか職業紹介ビデオ?って感じで、イマイチ面白いところがどこなのか掴めなかったです。正確には「一つの機体に多くの命が搭乗し、それを移動させるために必要となる要素」という複雑系だとは思ったんですが、それにしてはちょっとドキュメンタリー的で、でもドキュメンタリーとしては強度が足りないみたいな……。時任さんの芝居がめちゃくちゃ良かったのでコクピットのシーンは好きでした。

アン・ハサウェイ、美人すぎでひっくり返るところでした。これと言って何ということが起こるわけではない(夫が浮気するとかそういうのはある)けど、人と人の関係性の推移を描くのが上手だな〜って印象でかなり好みの作品でした。真っ当に歳を取るとベンみたいな紳士になれるんかと思うと捨てたもんじゃないとは思うけど、どうなんでしょうね。


というわけで、2023年はずっこけて始まり(2022/12/31⇨2023/1/1は体調不良)ずっこけて終わった(2023/12/31⇨2024/1/1は実家に帰れず)ので、2024年も幸先は超不安ですが楽しくやっていけたらと思います。


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