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超かんたんフォント制作入門#04〜想像でフォントを作ってみよう

フォントの人のフロップデザインです。超簡単なフォント入門の四回目。今回は想像からフォントを作ってみます。想像なので、ソフトもいりませんし、お金もかかりません。想像じゃイヤだという人もいるかもしれませんが、私たちが文字を見ている間、実はフォントを頭の中で作っています(正確には補完?)あらゆるシーンで、それが脳内で行われていて、フォント作りの基本になっているというお話です。

また今回は、フォントって何?という基本に立ち返ってみたいと思います(フォントと書体の違いみたいな言葉の定義では無く)

もくじ
❶本文に使うフォント読みやすさとは?
❷見出しやタイトルに使うフォント
❸気持ちを表すフォントとは
❹フワ〜ッと浮かんだ文字の絵を鉛筆で書いてみよう

❶本文に使うフォント〜読みやすさとは?

小説や雑誌などの長文に向いているフォントで例えばパソコンにデフォルトに入っている「遊明朝体」などが代表的なフォントで、読みやすさを大切に作られています。

読みやすさとは何か?というと実は難しい問題ですが、読んでいて気持ちが良いということだと思っています。気持ち良いとは、小説であれば、その世界に文字を気にせずに入り込んでしまえる文字だと思っています。つまり、ある意味では見慣れていて、次に想い描く文字がスゥーっと想像できてスイスイと読み進めていける文字。

個人的には、その起点となっているのが明治時代に作られた秀英体あたりだと思っています。文字をイメージするとき、手書きの文字よりも、明治時代の活字を想い描いているというのは、すごく面白いですよね。通常なら手書きや書道の字をイメージするはずなのに、フォント(活字)を自然と想像して生活してるんです。実際に手書きで小説を読んでみると違いを実感できるはずです。

また起点となっているのが、明治時代というのも面白いです。本文体に限って言えば、デザインに劇的な変更は少なく、逆に言えば劇的に変化しないから読みやすいとも言えるかもしれません。そういった制約の中で、新しいフォントを生み出していくのは実に楽しそうです。小説を読んでいて、文字をほとんど見なくても、あなたの頭の中でスラスラと生まれてくるフォント、それが本文用書体です。

❷見出しやタイトルに使うフォント

長い文章では無くて、見出しの文章やロゴなどに向いているフォントもあります。もちろん本文用のフォントでも代用はできますが、より言葉を印象付けるために必要なフォントです。逆に言うと全てを満たすフォントというのは難しいんです。なのでフォントを使い分けるという必要が出てくるわけです。

明朝体なら、太めでインパクトの強いフォントが見出し向けになります。逆に見出し向けのフォントを本文に使うと、読みづらくなってしまうと思います。

ロゴ向けでは俗に言うディスプレイ書体がよく使われます。これは飾るの意味のディスプレイでモニター表示向けという意味ではありません。

有名なアニメやバンドなどでも目を閉じたときに、浮かんでくる文字のイメージがあると思います。もしかしたらそれはフォントでは無くロゴかもしれませんが、なにかデザインされた文字のイメージが1つくらいは浮かんでくると思います。その文字の印象が頭に浮かんだときにフォントは生まれています。5文字くらいかもしれませんが、たぶんフワ〜ッと他の文字の印象もイメージできるはずです。

❸気持ちを表すフォント

マンガで、キャラクターのセリフ以外に感情を表す文字をよく見ます。不思議ですが、怒り・喜びなどにマッチするフォントがあるようです。

おそらく人の感情の数だけフォントがあるのかもしれません。例えば失恋をした時の感情を表すフォントなどイメージすると、なにか頭の中でフワ〜ッと浮かんでくると思います。その時、フォントは頭の中で生まれています!

❹フワ〜ッと浮かんだ文字の絵を鉛筆で書いてみよう

いままでの話の中で、何度か頭の中に文字の絵がフワ〜ッと浮かんだと思います。つまり、頭の中にフォントはあるのです。だから、紙に筆記用具で書いてみましょう。その時、フォント爆誕です。

この間、私がフォントの講師をする機会があったのですが、15分くらいの時間で、筆記用具でコトバ(形容詞)をフォント化するゲームをしたのですが全員完成できました。ちゃんとコトバごと文字ごとに、フォントはあって、みんなの頭の中に隠れているんです。今日説明した❶❷❸のどのタイプも、きっとあります。逆に頭の中にあるからこそ、日常生活で文字情報を豊かに受け取ってられるんです。

でも隠れているのでスイッチを押さないと、なかなか出てこないんですよね。そのスイッチの一つが筆記用具だと思います。手を動かすと、脳が反応して記憶がアウトプットされます。

見つけに行きましょう、あなただけのフォントを!

📝memo 今回の記事を一言で表現すると
頭の中にあるフォントをアウトプットしよう。


もし、よかったらフォント制作の元気を下さい。新作フォントを頑張って制作します。