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いにしえの同人サイト

私は古き良き同人サイトの運営経験がある。よくあるよろずサイトだった。
当時は掲載作品が多ければ多いほどいい、取り扱いジャンルが多ければ多いほどいいと思っていた。ジャンルサーチの規約にある最低作品数をどうにかクリアして登録するのを繰り返していた。気が向いたら一次創作も掲載していた。
携帯版サイトも作り様々なランキングに登録した。当時はランキングの順位と1日あたりのカウンターの回り方以外に数字を気にしなくてよかった。
WEB拍手はお礼を複数用意しランダム表示設定にしていたため、それ目当てで押してもらえるよう工夫していた。
自分の憧れるサイトを模倣していたら自然とそうなっていた。
当時はとにかくコンテンツを増やしたくて毎日絵を描いていたし日記も更新していた。いまとなっては信じられない熱意があった。学生だったから時間的な余裕があり体力もあったのだろう。
ジャンルはマイナー寄りだったがメジャーな原作のマイナーキャラを取り扱うなど、痒いところに手が届くサイトを目指していた。
こうやって書き出すといまより承認欲求が複雑だった。
当然、全てに手が回ることはなく熱量も数も偏っていったが、当時はそんな自覚はなく、雪だるま型のオタクであることをステータスのように感じていた。本気で様々なジャンルを履修し創作活動をするのが偉いと思いこんでいた。
人気のあるジャンルは熱が冷めても何かしらを描いて更新を継続するようにしていた。我ながらたちの悪いイナゴだった。
年老いたいま、自分の特性がわかってきた。自分はどちらかと言うと一点集中型で雪だるま型になる器用さはない。創作も心に決めたネタに全力を出すのが向いている。だから1つのジャンルに腰を据えて頑張るほうがいい。サイトをやめてピクシブに移動したいま、複数に手を出すとサムネの統一感がなくなる。交流も難しい。雪だるま型イナゴを過去にした。
サイトを辞めたのは生活に変化があったのと衝動性が重なったからだが、サイトを続けている世界線も存在しえた。惜しいことをした気持ちはある。また別の機会に語りたい。

サイト全盛期にハマっていたアニメに再燃したことで思い出したことをつらつら書いてみた。
あの頃は楽しかった。今とは別の楽しさがあった。若気の至りもあった。うっかり青春を捧げた活動だから忘れようがない。私の基礎としてサイト時代の振る舞いは良くも悪くも残り続ける。

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