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HSPで苦しんでいる事を大切な人に伝えた話



僕は「人の顔色を伺う」という能力でメシを食ってます。


僕の経営する会社の事業は

・バンカラという生バンドカラオケの店舗の運営

・結婚式の二次会幹事代行サービス

です。(芸人インターンという新規事業もありますがここでは既存事業でご説明します。)

バンカラという生バンドカラオケの店舗では僕はお客様の「顔色を伺い」サービス内容を変えたり、演出を変えたりします。

お客様のちょっとした言動をみて、もっと照明を派手にしようとか、ここは控えめに接客しよう。などとサービス内容を変えます。

同じく二次会幹事代行業でも、新郎新婦様やゲスト様の反応を伺いながらこのパーティーはこんな感じの方が良さそうだな。とかこのゲスト様の雰囲気はもっとテンション上げてMCしようかな。とその場で対応を変えて行きます。

お客様の顔色を伺い、マイナーチェンジを繰り返す事でサービス内容をお客様に適した物に変えて喜んで頂きます。

その「顔色を伺う」という能力でありがたい事に今メシを食う事ができています。


ビジネスの話だけでなく、僕は幼少期から大人の顔色を伺いながら生きてきました。

小学校2年生の時、お兄ちゃんと「ストリートファイター」というゲームをしていました。

僕は低学年ではやく学校から帰るのでストリートファイターをたくさんできます。

でも年上のお兄ちゃんは帰りが遅いのであまりストリートファイターができません。

当然僕の方がストリートファイターがうまくなります。

お兄ちゃんと対戦すると僕が勝ちます。

するとお兄ちゃんは年下の弟に負けるので機嫌が悪くなってしまいます。

だからといってわざと負けるとバレバレなのでお兄ちゃんは興冷めしてしまいます。

なので僕が考えた手法は、「ギリギリまで僕が優勢にしておきながら、勝ちそうになったらわざと逆転して負ける。」という手法でした。

すると負けそうになったストレスを逆転する事で発散し、より大きな達成感をお兄ちゃんは味わえるのです。

そうやってお兄ちゃんの機嫌をとる事で可愛がってもらいました。


また別の話ですが、僕は幼稚園の時におばあちゃんを亡くしてしまいました。

お葬式で僕がおばあちゃんについてお見送りの言葉を話す場面がありました。

僕はどうすれば大人の心を動かせるのか考えスピーチで

「もうすぐ小学生だったのに。おばあちゃんにランドセル姿を見せられなかった。」

と泣きながらスピーチし、大勢の大人を泣かせました。

そうする事で「この子はかわいそう」となり、より可愛がってもらえました。


こんな風に「どうしたら相手が喜んでくれるのか?」

「どうしたら人の心を動かせるのか?」

「どうしたら好きになってもらえるのか?」

ばかり考え実行し、人の顔色を伺いながら、人を動かす。

そうする事で自分の価値を保ってきたのです。


僕は人生の全てを「人の顔色を伺う」という能力で生き抜いてきました。

ただこの能力は良い側面ばかりではありません。


相手や周りが喜んでくれている時は良いのですが、そうでない時「気になってしょうがない」のです。

お客様が無表情でサービスを受けていた時、

家族のテンションがいつもより低かった時、

飲み会で会話に参加できていない人がいた時、

それが自分のせいでなくても「自分に落ち度があるのではないか?」と考えるようになりました。

そうなると自分が何かして解決しなければいけない気になります。

あたふたし、冷静でいられなくなります。

結果気苦労で気がつくとドッと精神的に疲れていました。


なので僕は一人の時間が好きです。(みんなでわいわいする時間も好きですが)

誰とも話さず、誰にも干渉されず、ボーっとする時間が好きです。

人といると少なからず気を使うからです。

それは「気を使わなくて良いよ」とか「ほっといて」と言われても気になってしまう、いわば「癖」のようなものです。

なので定期的に1人の時間を作ってメンタルコントロールをしなければなりません。


人と喋っていると、相手が目をそらした瞬間「この人今僕に気まずい事があるな」とか

少しいつもと声色が違うだけで「なんか嫌な事あったんやな」と感づきます。

人の一挙手一投足に敏感に反応し、心を読もうとしてしまうのです。


僕は悲しいニュースを見れません。

感受性が強く、幼児虐待や動物虐待のニュースを見ると苦しくなって落ち込んでしまいます。

ずっと頭から離れなくてひどい時は泣いてしまいます。

だからそういうニュースは一切見ないし、Twitterなどでリツイートで回ってきたら速攻でミュートします。


ずっとそういった「感情の敏感さ」に悩んでいました。

すると最近「HSP」という言葉を知りました。

最近は「繊細さん」という本も出て認知度が上がっています。


詳しく調べると「自分もそうかも?」と思い当たる人も多いのではないでしょうか??

そしてHSPの中でさらに3割と言われるHSS型HSPというものがある事がわかりました。

HSS型HSPの解説記事です。

https://blog.counselor.or.jp/business_p/f559

ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんもHSS型HSPだとtwitterでおっしゃっていました。

僕も周りから見ると一見外交的で大胆でとても繊細さんには見えないと思いますが、外交的なHSS型HSPのようです。


僕の最近の悩みの大きな部分に「大切な人間関係の人が機嫌が悪くなりやすい人だ」

という悩みがありました。


どうでも良い人間関係であれば離れてしまえば済むことですが、大切な人なので離れたくありません。

普段は明るい素敵な人ですが、急に機嫌が悪くなる事があります。

それには理由がある時もあれば、何の理由もない事もあります。

何の理由もなければ問題なくほっておけばいいのですが、僕はどうしようもなく落ち着かなくなって理由を探し、原因を解決しようとしてしまうのです。

機嫌が悪くなった相手に「どうしたの?何で機嫌悪いの?」と聞いてしまいます。

相手はほっといてくれる方が楽なのに、理由を聞いてくるので余計イラつきます。

イラついた態度をとられると僕も感情的になりケンカになってしまいます。

悪循環です。

それが理由で何度もケンカしたり、3年以上解決できずにずっと悩んでいました。

この人とは相性が悪いのかな?もう一緒には入れないのかな?と考えた事もありました。

けれど大切な人なので一緒にいたい。

人間は本来「情緒が一定でない」生き物です。

機嫌がいい時もあれば、機嫌が悪い時もある。

それが「天真爛漫」「感情表現豊か」という長所だったりする。

相手にずっと穏やかで機嫌よく求める事自体が傲慢で間違いなのかもしれません。


けれどある日気がつくと仕事中に泣きながら相手に電話していました。

限界がきてしまったのです。

「このままだと一緒にいるのが苦しい。お願いだから機嫌悪くならないで欲しい。」

相手はいつもはケンカになるこの話題もその日は穏やかにしっかり聞いてくれました。


その後、僕の大切な人は僕の事を理解してくれようとHSPについて調べてくれていました。

情緒不安定という事に向き合い、自分の感情をコントロールできるように運動や食事の改善も始め、自分を変えようとしてくれました。

そして一緒にいる時は穏やかに接してくれるようになりました。

そのおかげでそれ以来毎日楽しく過ごさせて頂いてます。

HSP、繊細さんとは理解されにくい事です。

「気にしいやな」「小心者やな」「そんなんきにせんでええねん。」

そんな言葉で片付けれる事もあるでしょう。

けれど「大切な人」には勇気を出して伝えるべきです。

関係性が壊れてしまうリスクもあるでしょうし、

すぐには解決できないでしょう。

けれど「あなたが相手にとっても大切な人」ならきっとわかってくれるはずです。




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