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ストリートチルドレン①~フィリピン~

出来るだけたくさんの

途上国の状況を感じに行きたい。

そして、できるだけ多くの

子ども達の状況を見に行きたい。

そう思って探していたところ

進学先の県主催の

フィールドワークを見つけました。


それは、フィリピンに暮らす

ストリートチルドレン達の生活を

調査する、という内容でした。

私は、これだ!と思い

すぐに申し込んで旅立ちました。


降り立ったフィリピンの首都

マニラの都市ぶりには驚きました!

インドネシアでは、スマトラ島という

首都がある島とは違う島へ行っていたので

都市部を観察する機会は

あまり取れませんでした。

”途上国”と言われつつも

局所的には近未来化している姿に

ただただビックリしました。


まず1日目には

”ゴミ山”と呼ばれる場所を訪れました。

日本でいうところの

ゴミ集積所ではありますが

フィリピンのそれは、全く違います。

うず高く積まれた様々なゴミ。

適切な処理がされることもなく

集めてきては積み上げてを繰り返すうちに

”山”のようになってしまったのです。


そして、このゴミ山を宝の山と捉え

ゴミ山近くで寝起きをしながら

生計を立てている人たちがいました。

プラスチック類はキロ単位で取引され

そのお金は、貧困層の彼らにとっては

重要な収入源となるのです。


何かを作って売らなくていいから

材料費も制作費もかからない。

日雇い労働じゃないから

収入が比較的安定して手に入る。

ただ、そこに転がっているモノを

拾い集めれば、お金になる。

彼らにとっては、オイシイ場所なのです。


しかし、人間にとって

ゴミ山で暮らすことは危険でしかありません。

フィリピンは、気候区の中では熱帯に位置し

暑い国として知られています。

ゴミにとってもそれは同じで

ゴミと日光が化学反応を起こして

煙が広がっています。

この様子から、ゴミ山は

スモーキーマウンテンとも呼ばれます。

これを原因とした火災も多く発生し

ゴミ山と共に一瞬にして

彼らの簡易住居が焼き尽くされることもあります。


そもそも日光によって腐敗が進んだ

ゴミが散らばっている場所で生活することは

衛生上、大問題です。

そのほか、ゴミ山の中を

素足で歩きながらゴミを探す子ども達も多く

ケガ、そこからの化膿などの問題もあります。

人にとっても、地球環境にとっても

何一ついいことが無い、それがゴミ山なのです。


ゴミ山をテレビでしか見たことのなかった私は

その場に足を踏み入れた時

その異様なまでの悪臭に驚きました。

何かが腐敗した匂いが

辺り一面に立ち込めていたのです。

そんな中、ベニヤ板やビニールなどで作られた

簡素な家で暮らす大家族を見た時

いたたまれなくなりました。

さらには

そこに暮らす子ども達に微笑みかけられて

私は何も、言葉を発せられなくなったのです。

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